トップ
>
有金
>
ありがね
ふりがな文庫
“
有金
(
ありがね
)” の例文
二三百両の
有金
(
ありがね
)
をやられた井筒屋にしては、その頃評判の御用聞、銭形の平次の顔を見るのは、全く救いの神のようなものだったのです。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
奥様が亡くなった所から手がついて妾と成ったが今のお國で、源次郎と不義をはたらき、恩ある主人の飯島を
斬殺
(
きりころ
)
し、
有金
(
ありがね
)
二百六十両に
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
残りの
有金
(
ありがね
)
で昔のゆめを追っているうちに、
時世
(
じせい
)
はぐんぐんかわり、廻り
燈籠
(
どうろう
)
のように世の中は走った。人間自然
淘汰
(
とうた
)
で佐兵衛さんも物故した。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そのお吉があの山の郷で、一揆衆と偽称した浪人どもに、残酷なはずかしめを受けたばかりか、
有金
(
ありがね
)
をさえ奪われた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
凡
(
すべ
)
てを
差
(
さ
)
し
引
(
ひ
)
いて
手元
(
てもと
)
に
殘
(
のこ
)
つた
有金
(
ありがね
)
は、
約
(
やく
)
二千
圓
(
ゑん
)
程
(
ほど
)
のものであつたが、
宗助
(
そうすけ
)
は
其内
(
そのうち
)
の
幾分
(
いくぶん
)
を、
小六
(
ころく
)
の
學資
(
がくし
)
として、
使
(
つか
)
はなければならないと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
自暴
(
やけ
)
を起し、或夜
窃
(
ひそか
)
に
有金
(
ありがね
)
を
偸出
(
ぬすみだ
)
して東京へ出奔すると、続いて二人程其真似をする者が出たので、同じ様な息子を持った諸方の
親々
(
おやおや
)
の大恐慌となった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
羊飼いは定住の家を持たずに年中草と羊と好天候を追って国境から国境の野原をうろうろしてるもんだから、よく殺されて
有金
(
ありがね
)
と三角帽と毛皮付きいんばねすを奪われ
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ピストル、
鰊
(
にしん
)
、絵、研磨機、壺、長靴、陶製食器といったものを、
有金
(
ありがね
)
はたいて買い集めるのだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
但し旧家といい、
老舗
(
しにせ
)
といっても、丸多の店の
有金
(
ありがね
)
を全部をかき集めても二、三千両に過ぎない。そのほかの財産はみな地所や
家作
(
かさく
)
であるから、右から左に金には換えられない。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とかくは
有金
(
ありがね
)
の
何
(
なに
)
ほどを
分
(
わ
)
けて、
若隱居
(
わかいんきよ
)
の
別
(
べつ
)
戸籍
(
こせき
)
にと
内〻
(
うち/\
)
の
相談
(
さうだん
)
は
極
(
き
)
まりたれど、
本人
(
ほんにん
)
うわの
空
(
そら
)
に
聞流
(
きゝなが
)
して
手
(
て
)
に
乘
(
の
)
らず、
分配金
(
ぶんぱいきん
)
は一
萬
(
まん
)
、
隱居
(
いんきよ
)
扶持
(
ぶち
)
月〻
(
つき/″\
)
おこして、
遊興
(
ゆうけう
)
に
關
(
せき
)
を
据
(
す
)
へず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先生は例の道中師の伊兵衛と組んで、お粂の家から一座の
有金
(
ありがね
)
をさらって逃亡した後、
御岳口
(
みたけぐち
)
から山街道へ走りましたが金を持った伊兵衛には途中でどろんをきめられ、途方には暮れる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以て家財取上追放申付られ家主家財勘太郎家財とも權三助十へ下さるゝ間
双方
(
さうはう
)
申
合
(
あはせ
)
然
(
しか
)
るべく
住居
(
すまひ
)
致せと申渡され又勘太郎
有金
(
ありがね
)
六十兩は彦三郎并に權三助十へ廿兩宛下し置れ權三は勘兵衞
跡役
(
あとやく
)
となり町の事なれば
當分
(
たうぶん
)
心添
(
こゝろぞへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
乙賊「何うせ役にゃア立たねえから、諦らめて、命が欲しけりゃア
有金
(
ありがね
)
残らずサッサと出して仕舞ったが宜かんべえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
原庭の物持ち
後家
(
ごけ
)
で、お
紺
(
こん
)
という四十年配の金貸し、これは幸い
怪我
(
けが
)
はありませんが、
用箪笥
(
ようだんす
)
ごと庭に持出されて、
有金
(
ありがね
)
三十両ばかり
盗
(
と
)
られたのを、夢にも知らなかったという話
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見
(
み
)
すかされ
機械仕掛
(
きかいじかけ
)
のあやつり
身上
(
しんじやう
)
松澤
(
まつざは
)
ももう
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
よと
囃
(
はや
)
されんは
口惜
(
くちを
)
しく
脊
(
せ
)
なる
新田
(
につた
)
は
後廻
(
あとまは
)
し
腹
(
はら
)
の
織元
(
おりもと
)
其他
(
そのほか
)
へ
有金
(
ありがね
)
大方
(
おほかた
)
取
(
とり
)
あつめて
仕拂
(
しはら
)
ひたる
噂
(
うはさ
)
こそ
耳
(
みゝ
)
よりのことなれと
平生
(
ひごろ
)
ねらひすませし
的
(
まと
)
彼方
(
かなた
)
より
延期
(
えんき
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此の
後
(
ご
)
この婦人に対して少しにても無礼を致すと其の分にゃア棄置かんぞ、さアお瀧殿、平林の屋敷の
有金
(
ありがね
)
は勿論、衣類其の
外
(
ほか
)
入用
(
いりよう
)
の品は
何
(
なん
)
なりと持って行きなさい
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その晩は雪、ツイ油断をしていると、平右衛門町の隠居泉屋の老夫婦が、
離屋
(
はなれ
)
の中で殺され、
有金
(
ありがね
)
五六百両が紛失しておりました。これが、泉屋へ祟った曲者の最後の仕事でしょう。
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それとお前がくッついて殿様を殺し、大小や
有金
(
ありがね
)
を
引攫
(
ひっさら
)
い
高飛
(
たかとび
)
をしたのだから、云わばお前も盗みもの、それにお國も己なんぞに惚れたはれたのじゃなく、お前が可愛いばッかりで
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仕方がないから
有金
(
ありがね
)
を小包にして身支度をし、おえいと丹三郎の死骸を藁小屋に投込んで火を
放
(
つ
)
け、
漸々
(
よう/\
)
裏手から落延びまして、
四万
(
しま
)
の山口村へ身を
匿
(
かく
)
して居ますと、因果と懐姙いたしてねえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お柳は根岸辺に住居していた物持
某
(
なにがし
)
の
妻
(
さい
)
で、某が病死したについて
有金
(
ありがね
)
を高利に貸付け、
嬬暮
(
やもめぐら
)
しで幸兵衛を手代に使っているうち、何時か夫婦となり、四五年前に浅草鳥越へ引移って来たとも云い
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“有金”で始まる語句
有金全部