「それにしても、なにをしてやがるンだろう。こんなところで沖もやいする気でもあンめえ。時化でもくらいやがって舵を折ったか」
「目と鼻の先、香山飯店へ行くんだ。時化で船が出ねえから飯を食いに行こうってえのに何もいちいちとがめることはねえでしょう」
一たび奇跡を冒したる御身なれば、これを再びして、かの善き貯えをも泡と化する、季節はずれの時化に遭う危険を重ぬるなかれ。
遠く本船をはなれて、漁に出ている川崎船が絶え間なく鳴らされているこの警笛を頼りに、時化をおかして帰って来るのだった。
この穴の中で、大砲の鳴るような大きな音が三つ続けさまに鳴れば、きっと時化が来たものだった。(幌別本町生れ、知里イシュレㇰ翁談)
“時化”の解説
時化(しけ)とは強風などの悪天候のために海上が荒れること。対義語は凪。動詞化して時化るともいう。気象学の波浪表によると、波高が4mを超えた場合を「しける」と言い、6mを超え9mまでを「大しけ」、9mを超えると「猛烈にしける」という。時化の状態になると、船の転覆の恐れがあるために漁師は漁に出ることができず、魚市場での不作につながる。
(出典:Wikipedia)
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