年上としうえ)” の例文
夜がふけて睡気ねむけのさすようになると、たれか年上としうえの者がおかしい昔話をしだして、みんなを笑わせようとしたこともふつうであった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「アネモネにしましょうね、いまきかかったばかりなのですもの。」と、三にん令嬢れいじょうなかのいちばん年上としうえのがいいました。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
五年の百合ゆりには五つ花が出来、十年の百合にはとお花が出来る、——彼等はいつか年上としうえのものにそう云う事を教えられていた。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こうなると、おもしろくないのは、奥平壱岐おくだいらいきでした。壱岐いき身分みぶんのたかい家老かろうのむすこで、諭吉ゆきちより十さいぐらい年上としうえです。
ようやくのこと、すこし年上としうえらしいほうの男が、顔のようすをつくろうて、あらたまった口調くちょう口上こうじょうをのべる。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「なぜ、まさちゃんは、ペスをばなかったのだい。」と、いちばん年上としうえたっちゃんが、こんどは、たずねました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
それを漢学かんがくといいました。生徒せいとは、七、八さいのちいさなから十三、四さいまでのものばかりで、諭吉ゆきちがいちばん年上としうえですから、たいへんきまりがわるいことでした。
第一には小学校などの年齢別制度と比べて、年上としうえの子どもが世話を焼く場合が多かった。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「十年! 十年ってわしより年上としうえかね?」
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
このしまつよい、幾人いくにんかのかしらというようなものは、みんな二人ふたりよりは年上としうえでありました。そして、つよいものほど、頭蓋骨ずがいこつをたくさんいえなかならべていました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
八つ年上としうえにいさんのいうことですから、しかたがありません。諭吉ゆきち
にんまえには、さびれていく田園でんえん景色けしきがしみじみとながめられたのです。年上としうえ子供こどもは、くろひとみをこらして、遠方えんぽうをじっと物思ものおもわしげにつめていました。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きょうの天気予報てんきよほうたった。あのいい天気てんきが、きゅうにこんなにわったからな。」と、年上としうえ職工しょっこうは、仕事台しごとだいうえ前屈まえかがみになって、朋輩ほうばいはなしをしました。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
それですぐに、いちばん年上としうえあねをちょうに、いもうとに、すえおとうとをみつばちにしてしまったのです。
すももの花の国から (新字新仮名) / 小川未明(著)
まだとしもゆかないのに、そして、こんな寒空さむぞらなのに、にはよごれたうす着物きものて、どんなにさむかろうとおもいました。おみよは乞食こじきより二つ三つ年上としうえであったのです。
なくなった人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
隣家りんかは、薪炭商しんたんしょうであって、そこには、達吉たつきちより二つ三つ年上としうえ勇蔵ゆうぞうという少年しょうねんがありました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、あかるい場所ばしょやすむと、まただれかにしかられはしないかという不安ふあんがあったからです。そして、この母親ははおや心持こころもちを年上としうえ子供こどもだけは、さとることができるのでした。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、ここでやすんでいこうね。」と、年上としうえのほうの子供こどもは、いって、ははならんで、つめたい鉄管てっかんつかれたからだをもたせかけて、なおもはいがってこしかけようとしていました。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
するといちばん年上としうえむすめが、その金庫きんこほうあるいていって、そのとびらをけました。そしてなかから、たくさんの金貨きんかったはこを、父親ちちおやのねているまくらもとにってきました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
えらひとが、これをむねにつけるのだろう。」と、年上としうえこうのほうがいいました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんというとりですか。」と、年上としうえ若者わかものがきくと
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして年上としうえこう
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)