私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこにはうしろの窓からくる光を浴びて、それぞれの家の家族らしい人たちが嬉しそうにかたまっていた。雑音の沈んだ夕ぐれは空気が澄んでいるので、彼等の咡きが顫えるように伝わってきた。
私本太平記:09 建武らくがき帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またいま、堂上に流行の学風や新思想が、その目標とするところは、幕府なき天皇一元の復古にあるのだという機微な咡きも
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:09 建武らくがき帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人々のあいだに、小さい咡きが流れ、そしてしばしは、その詩句と詩意とに、各〻思いをひそめ合うらしい容子だった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主膳の咡きは、彼の悪酔をなお濃密なものにした。驚きと、ほろ苦い失恋の追想の中にである。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、了現はさっそく、ふところ覚えを、よろいの袖から取り出して、およその数量を正成へ咡いていた。ここでの、孤立持久の籠城は、正成がはじめから一貫してきた方針である。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肌着の深くから、小さく結んだ文を取出して、彼はかさねて、下の顔へ、こう咡いた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして何か咡いていたが、すぐ取って返すなり、又太郎主従へ向ってこう告げた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
資朝の後家は、背にまとい付いている子の頬へ、頬ズリを与えるように咡いた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてしばらく、女に話しかけていたが、すぐ戻って来て、藤五の耳へ咡いた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……何かこれには深いわけが?」と、なかなかこの咡きは消えなかった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:09 建武らくがき帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)