“侔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひと50.0%
ひとし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この信は我がために起死の藥にひとしかりき。獨りアヌンチヤタを失ひつる憂に至りては、終に排するに由なきなり。われは猶豫することなく答へき。我身は只君等の處置するに任すべし。
竹槍席旗は、昔から土にひとしい無抵抗主義の農が最後の手段であった。露西亜ろしあの強味は、農の強味である。莫斯科モスクワまで攻め入られて、初めて彼等の勇気は出て来る。農の怒は最後まで耐えられる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
釘打つ音の終るとひとしく、婦人はよろよろと身を退すさりて、束ねしものの崩るる如く、地上にどうと膝を敷きぬ。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お俊は骨牌かるたの席にかへるとひとしく、ひそかに隣の娘のひざきて口早にささやきぬ。彼は忙々いそがはしく顔をもたげて紳士のかたを見たりしが、その人よりはその指に耀かがやく物の異常なるにおどろかされたるていにて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)