“侔(ひとし)” の例文
釘打つ音の終ると侔(ひとし)く、婦人はよろよろと身を退(すさ)りて、束ねしものの崩るる如く、地上に摚(どう)と膝を敷きぬ。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お俊は骨牌(かるた)の席に復(かへ)ると侔(ひとし)く、密(ひそか)に隣の娘の膝(ひざ)を衝(つ)きて口早に咡(ささや)きぬ。彼は忙々(いそがはし)く顔を擡(もた)げて紳士の方(かた)を見たりしが、その人よりはその指に耀(かがや)く物の異常なるに駭(おどろ)かされたる体(てい)にて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)