いえ)” の例文
いえうぢやないのです。』ミハイル、アウエリヤヌヰチはさら云直いひなほす。『の、きみ財産ざいさん總計そうけい何位どのくらゐふのをうかゞうのさ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いえ。』とお利代は何氣ない顏をしてゐる。『あら、何處へ行つてらしつたんですか? おぐしに木の葉が附いて。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ぱちぱちと音のするばかり、大蚊帳の継穴つぎあなが、何百か、ありッたけの目になりました。——蚊帳の目が目になった、——いえ、それが一つびとつ人間の目なんです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえ、高貴の方々が汽車の中からあれは誰かとお尋ねになると返答に困るというで」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
僕はそれを見て可哀相でたまらんので、そのあとで心を籠めて慰めようと、一二言言ひかくると、彼女かれは曰くサ、いえネ、向うが鐵鎚かなづちで此方も鐵鎚なら火も出ませうけれど、此方は眞綿なんですからね
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
いえ、結婚は致しませぬ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いえ ポチの
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
いえ
いえ、そうじゃないのです。』ミハイル、アウエリヤヌイチはさら云直いいなおす。『その、きみ財産ざいさん総計そうけい何位どのくらいうのをうかがうのさ。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いえ。』とお利代は何気ない顔をしてゐる。『アラ、何処へ行つてらしつたんですか? おぐしに木の葉が附いて。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ちっとは不義理、いえ、父さんやお母さんに、不義理と言うこともありませんけれど、ね、私は生命いのちかけて、きっとですよ。今夜にも、寝ないでお待ち申しますよ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえ
いえなん貴僧あなた。おまいさん後程のちほどわたし一所いつしよにおべなさればいゝのに。こまつたひとでございますよ。)とそらさぬ愛想あいさう手早てばや同一おなじやうなぜんこしらえてならべてした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いえ、何んとも、別に。』と言つて、智惠子は意味ありげに、目で吉野を仰いで、そして俯向うつむいた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いえわたくし兩親りやうしんは、身體上しんたいじやう處刑しよけい非常ひじやうきらつてたのです。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「さて、どうもあらたまりましては、何んとも申訳もうしわけのない御無沙汰ごぶさたで。いえ、もう、そりゃ実に、からすの鳴かぬ日はあっても、おうわさをしない日はありませんが、なあ、これえ。」
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえ、子供達と。』と、ウツカリ言つたが、智恵子は妙に気が引けた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いえわたくし両親りょうしんは、身体上しんたいじょう処刑しょけい非常ひじょうきらっていたのです。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いえぢやあござんせぬ、それ、それ、お法衣ころもそでひたるではありませんか、)といふと突然いきなり背後うしろからおびをかけて、身悶みもだえをしてちゞむのを、邪慳じやけんらしくすつぱりいでつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いえ、何ともありませんよ。うかなすつたんですか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いえたれでもまをしますもりから三ばかり傍道わきみちはいりましたところ大瀧おほたきがあるのでございます、れは/\日本一にツぽんいちださうですがみちけはしうござんすので、十にん一人ひとりまゐつたものはございません。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いえ。些とも。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いえ、塩気を嫌うと見えまして、その池のまわりにはちっともおりません。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえ、何の因果か、あのくらい世の中に嫌われるものも少のうござる。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)