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取止
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とりと
ふりがな文庫
“
取止
(
とりと
)” の例文
取止
(
とりと
)
めもない思いを辿っているうちに、空気が人いきれで重くなって、人々のさざめきや、皿の音や、
酒杯
(
さかずき
)
に
肉叉
(
にくさし
)
の触れる音や
孤独
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
お母様のお部屋では
取止
(
とりと
)
めもないことを
語合
(
かたりあ
)
って、つい笑い声も立てました。
暇乞
(
いとまごい
)
をすると、用がないからと、いつも送って下さいます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
此方
(
このはう
)
から
行
(
ゆ
)
くと
家
(
いへ
)
の
恥辱
(
ちじよく
)
にもなる
實
(
じつ
)
に
憎
(
にく
)
むべき
奴
(
やつ
)
ではあるが、
情實
(
じやうじつ
)
を
酌
(
く
)
んでな、これほどまで
操
(
みさを
)
といふものを
取止
(
とりと
)
めて
置
(
お
)
いただけ
憐
(
あはれ
)
んで
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人が決して
住
(
すま
)
まわないとの事だった、その
怪物
(
ばけもの
)
の出る理由に
就
(
つい
)
ては、人々のいうところが皆
異
(
ちが
)
っているので
取止
(
とりと
)
めもなく、解らなかったが、その
後
(
のち
)
にも
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
これは多分
取止
(
とりと
)
めのない昂奮であって、会話というよりはむしろ運動の方に近いものと思われる。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
また汽車で十里二十里歩く日もある、
取止
(
とりと
)
めのない漫遊の旅を続けた。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「大丈夫、命は
取止
(
とりと
)
めます」
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その年
老
(
と
)
った事務員は、一日の単調な仕事に疲れて役所を出ると、不意に
蔽
(
おっ
)
かぶさってしだいに深くなってゆく、あの
取止
(
とりと
)
めもない哀愁に囚われた。
孤独
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
少
(
すこ
)
しやそつとの
紛雜
(
いざ
)
があろうとも
縁切
(
ゑんき
)
れになつて
溜
(
たま
)
る
物
(
もの
)
か、お
前
(
まへ
)
の
出
(
で
)
かた一つで
何
(
ど
)
うでもなるに、ちつとは
精
(
せい
)
を
出
(
だ
)
して
取止
(
とりと
)
めるやうに
心
(
こゝろ
)
がけたら
宜
(
よ
)
かろ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや、
取止
(
とりと
)
めて何も考えてなんかいなかったようです。唯、悠々と
躊躇
(
ためら
)
わずに、玄関の
呼鈴
(
ベル
)
を鳴らすと、やがて門が開きました。
瓦斯
(
ガス
)
は消えていました。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
思
(
おも
)
へば
身
(
み
)
ぶるひが
出
(
で
)
ます、よく
旦那樣
(
だんなさま
)
は
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つた
離縁沙汰
(
りえんざた
)
を
遊
(
あそ
)
ばさずに、
能
(
よ
)
うも
私
(
わたし
)
を
取止
(
とりと
)
めて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
さつた
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
そ
)
れは
孰
(
いづ
)
れも
取止
(
とりと
)
めの
無
(
な
)
き
取
(
とり
)
こし
苦勞
(
くろう
)
で
御座
(
ござ
)
りませうけれど、
何
(
ど
)
うでも
此樣
(
このやう
)
な
氣
(
き
)
のするを
何
(
なに
)
としたら
宜
(
よ
)
う
御座
(
ござ
)
りますか、
唯々
(
たゞ/\
)
心
(
こゝろ
)
ぼそう
御座
(
ござ
)
りますとて
打
(
うち
)
なくに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
立
(
たて
)
かけし
傘
(
かさ
)
のころころと
轉
(
ころが
)
がり
出
(
いづ
)
るを、いま/\しい
奴
(
やつ
)
めと
腹立
(
はらた
)
たしげにいひて、
取止
(
とりと
)
めんと
手
(
て
)
を
延
(
の
)
ばすに、
膝
(
ひざ
)
へ
乘
(
の
)
せて
置
(
お
)
きし
小包
(
こづゝ
)
み
意久地
(
いくぢ
)
もなく
落
(
お
)
ちて、
風呂敷
(
ふろしき
)
は
泥
(
どろ
)
に
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取
(
とり
)
にがしては
殘念
(
ざんねん
)
であらうと
人
(
ひと
)
の
愁
(
うれ
)
ひを
串談
(
じようだん
)
に
思
(
おも
)
ふものもあり、
諸説
(
しよせつ
)
みだれて
取止
(
とりと
)
めたる
事
(
こと
)
なけれど、
恨
(
うらみ
)
は
長
(
なが
)
し
人魂
(
ひとだま
)
か
何
(
なに
)
かしらず
筋
(
すぢ
)
を
引
(
ひ
)
く
光
(
ひか
)
り
物
(
もの
)
のお
寺
(
てら
)
の
山
(
やま
)
といふ
小高
(
こだか
)
き
處
(
ところ
)
より
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付