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勝
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た
ふりがな文庫
“
勝
(
た
)” の例文
予在外中しばしば屠場近く住み、多くの牛が一列に歩んで殺されに往くとて交互哀鳴するを窓下に見聞して、
転
(
うた
)
た
惨傷
(
さんしょう
)
に
勝
(
た
)
えなんだ。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
自ら信ずるにも
関
(
かかわ
)
らず、
幽寂
(
ゆうじゃく
)
の
境
(
きょう
)
に於て突然婦人に会えば、一種
謂
(
い
)
うべからざる陰惨の鬼気を感じて、
勝
(
た
)
えざるものあるは何ぞや。
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
予がこれに費した時間も、前後通算して一週間にだに足るまい。予がもし小説家ならば、天下は小説家の多きに
勝
(
た
)
えぬであろう。
鴎外漁史とは誰ぞ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そも粋と呼ばるゝ者、いかなる性質より成れるか、そも売色女の境遇より、如何なる自然の心を読み得るか。われ多言するに
勝
(
た
)
へざるなり。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
抑
(
そも/\
)
将門少年の日、名簿を太政大殿に奉じ、数十年にして今に至りぬ。
相国摂政
(
しやうこくせつしよう
)
の世に
意
(
おも
)
はざりき此事を挙げんとは。歎念の至り、言ふに
勝
(
た
)
ゆ
可
(
べ
)
からず。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
聖恩の隆盛なる、実に感激に
勝
(
た
)
えず。我もまた信義を以てこの変替無き恩義に答え
奉
(
たてまつ
)
り、貴国の封内をして
静謐
(
せいひつ
)
に、庶民をして安全ならしめんと欲す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
就中
(
なかんづく
)
編輯長ミハイル・イワノヰツチユ君はそんな大人物かと、
転
(
うた
)
た景慕の念に
勝
(
た
)
へなかつた。
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
されど
久
(
ひさし
)
きに
勝
(
た
)
へずやありけん、
卒
(
にはか
)
に起たんとして、かの文殻の
委
(
お
)
きたるを取上げ、庭の日陰に
歩出
(
あゆみい
)
でて、一歩に
一
(
ひと
)
たび裂き、二歩に二たび裂き、木間に入りては裂き、花壇を
繞
(
めぐ
)
りては裂き
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「春風が柳を吹いて、緑は糸の如く、晴れた日は、紅を蒸して小桃を出すと云ふが、小桃が紅萼を発いたので、却て春に
勝
(
た
)
へられない風情がある。そして綾錦羅綺の中に、解語の第一人がある」
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
その
怖
(
おそ
)
ろしい古女房、是がみな昔は
羅綺
(
らき
)
にも
勝
(
た
)
えざりし美少女の、なれのはてであったのである。しかし中華民国には限らず、いずれの国の伝統においても、主婦には或る権力が認められていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
(兵卒らこの時
漸
(
ようや
)
く
饑餓
(
きが
)
を回復し良心の
苛責
(
かしゃく
)
に
勝
(
た
)
えず。)
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
青楓浦上愁ひに
勝
(
た
)
へず
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
渠は
茫々
(
ぼうぼう
)
たる天を仰ぎて、しばらく
悵然
(
ちょうぜん
)
たりき。その
面上
(
おもて
)
にはいうべからざる悲憤の色を見たり。白糸は情に
勝
(
た
)
えざる
声音
(
こわね
)
にて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緑雨は果して
渾身
(
こんしん
)
是
(
これ
)
諷刺なるや否やを知らず。
譬喩
(
ひゆ
)
に乏しく、構想のゆかしからぬ所より言へば、未だ以て諷刺家と称するには
勝
(
た
)
へざるべし。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
同時の茶山の応酬は、交遊の範囲が頗る広くて、一一挙ぐるに
勝
(
た
)
へぬが、此に其人の境遇に変易を見たもののみを記して置く。其一は井上四明である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いう、彼れ
短躯
(
たんく
)
癯骨
(
くこつ
)
、枯皮瘠肉、衣に
勝
(
た
)
えざるが如く、
嘗
(
かつ
)
て宮部鼎蔵と相伴い、東北行を為すや、しばしば茶店の老婆のために、誤って賈客視せらる。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
しばしば人に咬み付く故十分愛翫するに
勝
(
た
)
えずとは争われぬが、パーキンスが述べたごとく、飼い主の
糊口
(
ここう
)
のために舞い踊りその留守中に煮焚きの世話をし
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
帰りて掘りて見るに必ずあり。かかる例は指を屈するに
勝
(
た
)
えず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
たきもしめざる
蘭麝
(
らんじや
)
おのづから
薫
(
かを
)
りて、
其
(
そ
)
の
行
(
ゆ
)
くや
蛺蝶
(
けふてふ
)
相飛
(
あひと
)
べり。
蒲柳
(
ほりう
)
纖弱
(
せんじやく
)
、
羅綺
(
らき
)
にだも
勝
(
た
)
へ
難
(
がた
)
し。
麗娟
(
りけん
)
常
(
つね
)
に
身
(
み
)
の
何處
(
いづく
)
にも
瓔珞
(
やうらく
)
を
挂
(
か
)
くるを
好
(
この
)
まず。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その話は算うるに
勝
(
た
)
えぬほどあるが、馬を題に作った初唄
唱
(
うた
)
う芸妓や、春駒を舞わせて来る
物貰
(
ものもら
)
い同然、全国新聞雑誌の新年号が馬の話で読者を飽かすはず故
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
痛惻に
勝
(
た
)
へざるなり、彼等は高妙なる趣致ある道徳を其門に
辞
(
こば
)
み、韻調の整厳なる管絃を謝して容れず、卑野なる楽詞を
以
(
も
)
て飲宴の興を補ひ、放縦なる
諧謔
(
かいぎやく
)
を以て人生を醜殺す。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
嘗
(
かつ
)
て海舟勝翁に聞く、翁の壮なるや、佐久間象山の家において、一個の書生を見る。
鬢髪
(
びんぱつ
)
蓬
(
よもぎ
)
の如く、
癯骨
(
くこつ
)
衣に
勝
(
た
)
えざるが如く、
而
(
しこう
)
して小倉織の
短袴
(
たんこ
)
を着く。曰く、これ吉田寅次郎なりと。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
されば一
皿
(
べい
)
の菓子、一
盞
(
さん
)
の
珈琲
(
コオヒイ
)
に、一円、二円と
擲
(
なげう
)
ちて、なおも冥加に余るとなし、我も我もと、
入交
(
いりかわ
)
り、立替る、随喜の
輩
(
ともがら
)
数うるに
勝
(
た
)
うべからず。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
〈妾
性
(
ひととなり
)
交接の道を欲せず、今皇命の威に
勝
(
た
)
えずして、暫く
帷幕
(
おおとの
)
の中に納む、しかるに意に快からざるところ、云々〉と辞してその姉を
薦
(
すす
)
め参らせた、それが成務帝の御母だとある。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大方は雨漏に朽ち腐れて、柱ばかり
参差
(
しんし
)
と立ち、畳は破れ天井裂け、戸障子も無き部屋どもの、昔はさこそと
偲
(
しの
)
ばるるが
一
(
ひ
)
い
二
(
ふ
)
ウ
三
(
み
)
いと数うるに
勝
(
た
)
えず。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それすら本性不実で
悪戯
(
いたずら
)
を好み、しばしば人に
咬
(
か
)
み付く故十分愛玩するに
勝
(
た
)
えず。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“勝”を含む語句
勝負
勝手
殊勝
打勝
勝利
景勝
勝田
遠慮勝
自分勝手
御勝手
勝手口
勝敗
勝山
厭勝
大勝利
勝者
入勝橋
有勝
勝手元
勝手許
...