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何一
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なにひと
顏中のどこも/\
釣合が
善う
取れて、
何一つ
不足はないが、
萬一にも、
呑込めぬ
不審があったら、
傍註ほどに
物を
言ふ
眼附を
見や。
あとで
考えてみた
時、
事件発見者としての
私は、
何一つやりそこないをしなかつたという
自信がありました。
一つの
円い
御神鏡がキチンと
据えられて
居るばかり、
他には
何一つ
装飾らしいものは
見当りませんでした。
狡猾で
恥知らずで、
齒切れがわるくて
何一つ
取り
柄のない
人間ばかりの
住んで
居る
土地だ。
最初愛ちやんは
下を
見、それから
今迄の
事を
知らうとしましたが、
眞暗で
何一つ
見えませんでした。
乃で
愛ちやんは
井戸の四
方を
見て、
其處が
蠅帳や
棚で一ぱいになつてることを
知りました。
𤍠帶地方はこの
三つのものが、うんとそろつてゐるので
植物が
一番よく
茂つてゐますが、
次第に
南と
北の
兩極に
近づくに
從つて、
草や
木も
少くなり、
何一つ
生えない
不毛の
平原になつてしまひます。
現世で
何一つ
孝行らしい
事もせず、ただ
一人先立ってこちらの
世界に
引越して
了ったのかと
考えますと、
何ともいえずつらく、
悲しく、
残り
惜しく、
相済まなく
我子ならば
親友の
許へ
遣る、さなくば
首を
縊らうと、
乞食をせうと、
餓ゑて
途上死をしをらうとまゝぢゃ、
誓文、
我子とは
思はぬわい、また
何一つたりと、
汝には
與れまいぞよ。
何しろ
竜宮界の
初上り、
何一つ
弁えてもいない
不束者のことでございますから、
随分つまらぬ
事も
申上げ、あちらではさぞ
笑止に
思召されたことでございましたろう。