“初上”の読み方と例文
読み方割合
はつのぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにしろ竜宮界りゅうぐうかい初上はつのぼり、何一なにひとわきまえてもいない不束者ふつつかもののことでございますから、随分ずいぶんつまらぬこと申上もうしあげ、あちらではさぞ笑止しょうし思召おぼしめされたことでございましたろう。
殊に団十郎が歌舞伎座から一役だけ掛持ちして、「勧進帳」の弁慶を勤める。大切おおぎりには初上はつのぼりの中村鴈治郎がんじろうがやはり歌舞伎座と掛持ちで出勤して、「近江源氏」の盛綱を勤める。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大阪では子役中の麒麟児きりんじと呼ばれ、鴈治郎がんじろうですらも彼に食われるとかいう噂であったが、初上はつのぼりのせいか、曾我の対面の鬼王と鞘当さやあて留女とめおんなの二役だけで、格別の注意をひかなかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)