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しと
ふりがな文庫
“
仕遂
(
しと
)” の例文
「
細作
(
しのび
)
は人並みに
仕遂
(
しと
)
げたが、抜き合わせたら十のうち十までケシ飛ぶこと請合の非力者の腕、滅多に拳を刀に近づけるなよ、危ないから」
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
それは今、殺人罪で警察に
監禁
(
かんきん
)
せられているカンカン寅の仕事だ。
彼奴
(
あいつ
)
はそれを、あの海岸通の古い建物の中で
仕遂
(
しと
)
げたのだ。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「全く仕事の性質から云えば、かなりむずかしい仕事だからな、うまく
仕遂
(
しと
)
げて来ればいいが、早く結果を聞きたいものさ」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今までの
論旨
(
ろんし
)
をかい
摘
(
つま
)
んでみると、第一に自己の個性の発展を
仕遂
(
しと
)
げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならないという事。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上人皺枯れたる御声にて、これ十兵衞よ、思ふ存分
仕遂
(
しと
)
げて見い、好う仕上らば嬉しいぞよ、と
荷担
(
になふ
)
に余る冥加の御言葉。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
しかし
児供
(
こども
)
が
胎
(
たい
)
を
出
(
い
)
でて
初声
(
うぶごえ
)
を挙げるのを聞くと、やれやれ自分は世界の男の
何人
(
だれ
)
もよう
仕遂
(
しと
)
げない大手柄をした。女という者の役目を見事に果した。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
事を
仕遂
(
しと
)
げるまで、何とか綾なして置くことが出来るとすれば、手荒くふるまわずとも済むであろう——女一人の、いのちを断たずとも済むであろう。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
美女
(
たをやめ
)
は
世
(
よ
)
にも
嬉
(
うれ
)
しげに……
早
(
は
)
や
頼
(
たの
)
まれて
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふ、
善根
(
ぜんこん
)
功徳
(
くどく
)
を
仕遂
(
しと
)
げた
如
(
ごと
)
く
微笑
(
ほゝゑ
)
みながら、
左右
(
さいう
)
に、
雪枝
(
ゆきえ
)
と
老爺
(
ぢい
)
とを
艶麗
(
あでやか
)
に
見
(
み
)
て、
清
(
すゞ
)
しい
瞳
(
ひとみ
)
を
目配
(
めくば
)
せした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれど、内蔵助等の為した大事は、口でこそ是非を云え、この多くの人間共とても、幾世の間にすら、滅多に為し得ないことを
仕遂
(
しと
)
げたものと云えよう。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男たちは少年キーシュがたった一人でそんなえらいことを
仕遂
(
しと
)
げたとは、なんとしても信じられませんでした。
負けない少年
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
ではその麦の殻を棄てたのだらうか? どうして、どうして! 其の時は一匹でも、其の一匹は必ずその事を
仕遂
(
しと
)
げねばおかぬ辛抱強さを持つてゐるのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
藪
(
やぶ
)
は
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
は
竹
(
たけ
)
ばかりです。が、
半町
(
はんちやう
)
程
(
ほど
)
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
に、やや
開
(
ひら
)
いた
杉
(
すぎ
)
むらがある、——わたしの
仕事
(
しごと
)
を
仕遂
(
しと
)
ぐるのには、これ
程
(
ほど
)
都合
(
つがふ
)
の
好
(
よ
)
い
場所
(
ばしよ
)
はありません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこへ革命騒ぎでこの仕事がひどく妨げられてしまったのですが、それでもこれだけはぜひとも
仕遂
(
しと
)
げたいと
云
(
い
)
うので、学者たちにこれを続けさせていたのです。
ラヴォアジエ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
然し彼はどんな事があっても
仕遂
(
しと
)
ぐべき事を仕遂げずにはおかなかった。その年が暮れに迫った頃お前達の母上は
仮初
(
かりそめ
)
の
風邪
(
かぜ
)
からぐんぐん悪い方へ向いて行った。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それから到頭王政維新が
仕遂
(
しと
)
げられて、明治二年になるとどうなったかというと、福沢先生を勧めて共に官軍に反抗しようというた仲間は皆建白を出したということがある。
明治文明史上に於ける福沢翁
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
そこが私の道楽仕事じゃ。世界各地の博士や学者を。アッといわせる研究
仕遂
(
しと
)
げて。二十億万人類社会の。アタマの入れ換えするのが楽しみ。いずれそのうちその論文なら。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
どんな上手に
仕遂
(
しと
)
げたつもりでも、人の命でも絶たうとするやうな無法な人間は、必ずどこかに手ぬかりをするものだ。毛ほどの證據でも殘せば、必ず捕まるにきまつてゐる。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仕遂
(
しと
)
げるだろうかそれが
見物
(
みもの
)
だと云う全くの敵本主義からでも決行しないとは限らない。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平生の志の百分の一も
仕遂
(
しと
)
げる事が出来ずに空しく
壇
(
だん
)
の
浦
(
うら
)
のほとりに水葬せられて
平家蟹
(
へいけがに
)
の
餌食
(
えじき
)
となるのだと思うと如何にも残念でたまらぬ。この夜から
咯血
(
かっけつ
)
の度は一層
烈
(
はげし
)
くなった。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
実に教育の箇条は、前号にも述べたる如く極めて多端なりといえども、早くいえば、人々が天然自然に
稟
(
う
)
け得たる能力を発達して、人間急務の仕事を
仕遂
(
しと
)
げ得るの力を強くすることなり。
家庭習慣の教えを論ず
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼等が決闘を未遂に終らせたことはとりも直さずわたしに決闘を
仕遂
(
しと
)
げさすことであつた。黒ん坊との決闘は貴族の恥辱だらう。だが彼を
措
(
お
)
いて誰が今日決闘の相手になんぞなつてくれよう。
雪
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
早業
(
はやわざ
)
でござった。なかなかこうは参らぬものだがよう
仕遂
(
しと
)
げられた。」
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして精巧な策略を
仕遂
(
しと
)
げた詐欺師のような落付いた満足を覚えたが、ふと自分に返ると、苦りきった気持で、頭の中の映像を大急ぎで
一切合財
(
いっさいがっさい
)
掃除するようにした。彼は急に自分が嫌になった。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
町家
(
ちょうか
)
を避けて山へ追い込み、そこで充分に
仕遂
(
しと
)
げるつもりだな」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それを
仕遂
(
しと
)
げて死なむと思ふ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
カンヌから来たという美しい処女シャーロット・コルデーは血の気の失せた唇から「私は自分の仕事を
仕遂
(
しと
)
げてしまった。今度はあなた方の仕事をする番が来た」
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それで、横になるとすぐ——畳から足を引っ込まして、頭を布団に入れるだけの
所作
(
しょさ
)
を
仕遂
(
しと
)
げたと思うが早いか、
眠
(
ね
)
てしまった。ぐうぐう正体なく眠てしまった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのうちから、わずか四十六名だけが、ゆくりなくも今、大望を
仕遂
(
しと
)
げて、その報告をなすべく亡君の
菩提寺
(
ぼだいじ
)
へ引揚げる途中で——ふたたびこの門前を通ったのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを
仕遂
(
しと
)
げるのはフランス国の大きな誇りであると
云
(
い
)
うので、大いに骨折っていたのでした。
ラヴォアジエ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
「はい。どんなむずかしい事でも、きっと
仕遂
(
しと
)
げて御覧に入れます。」
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ようやく冒険を
仕遂
(
しと
)
げて、約束通り百円貰おうと思って始めて眼を上げると、相手はいつの間にか逃げてしまって、一の影も形もまるで見えなかったというのである。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それ程たくさんの大きな発見を君は自分でどうして
仕遂
(
しと
)
げることができたと思うか」と尋ねましたら、ニュートンは、「僕はただ間断なくそれを考えただけだよ」と答えたということです。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
「首尾よう
仕遂
(
しと
)
げたい」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
遂
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“仕”で始まる語句
仕
仕業
仕事
仕舞
仕度
仕方
仕合
仕出来
仕掛
仕様