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二三日
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にさんち
ふりがな文庫
“
二三日
(
にさんち
)” の例文
「
私
(
わたくし
)
の
樣
(
やう
)
なものには
到底
(
たうてい
)
悟
(
さとり
)
は
開
(
ひら
)
かれさうに
有
(
あ
)
りません」と
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めた
樣
(
やう
)
に
宜道
(
ぎだう
)
を
捕
(
つら
)
まへて
云
(
い
)
つた。それは
歸
(
かへ
)
る
二三日
(
にさんち
)
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今まで御嬢
様
(
さん
)
にはあんなに優しかった老先生がこの
二三日
(
にさんち
)
はちょっとしたことにも大きな声をして怒鳴るようにならしゃっただ
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
二三日
(
にさんち
)
あと
一寸
(
ちょいと
)
行ったが、
彼女
(
あれ
)
には悪い
情夫
(
おとこ
)
が付いている。初め大学生の処に嫁に行っていたなんて言っていたが、まさか
其様
(
そん
)
な事は無いだろうと思っていたが、その通りだった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
重「どうかそんな事を云わねえで死ぬのは事の分るまで待って下さい、
後
(
あと
)
で成程と思う事がありますから、どうか
二三日
(
にさんち
)
待って下さい、久しく
居
(
い
)
るのも親の
位牌
(
いはい
)
に済みませんから」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いいえ、轢かれてしまってからも、夢の中ではちゃんと生きているの。ただ体は
滅茶滅茶
(
めちゃめちゃ
)
になって眉毛だけ線路に残っているのだけれども、……やっぱりこの
二三日
(
にさんち
)
洋食の食べかたばかり気にしていたせいね。」
たね子の憂鬱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
こんぢや
二三日
(
にさんち
)
も
過
(
す
)
ぎたら
勘次
(
かんじ
)
さんは
又
(
また
)
行
(
い
)
けべえよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
二三日
(
にさんち
)
もう手はかかりませんから、そこに、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから
二三日
(
にさんち
)
は、代助も門野も平岡の消息を聞かずに過ごした。四日目の午過に代助は
麻布
(
あざぶ
)
のある
家
(
いえ
)
へ園遊会に呼ばれて行った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
甥
(
おい
)
の
山上
(
やまかみ
)
武は
二三日
(
にさんち
)
前、石井翁を
訪
(
と
)
うて、口をきわめてその無為主義を攻撃したのである。武を石井老人はいつも徳と呼ぶ。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
すると丁度其の
暮
(
くれ
)
の十四日の事で、春見は娘が病気で
二三日
(
にさんち
)
食が少しもいかないから、
種々
(
いろ/\
)
心配いたし、名人の西洋医、佐藤先生や橋本先生を頼んで見て貰っても
何
(
なん
)
だかさっぱり病症が分らず
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まあ
二三日
(
にさんち
)
考えさしてくれと、可い加減なことを言って帰って来た。……ですから、何うしたら好いか、あなたに智慧を借りれば好いの。……」と、其の事に種々心を砕いている
所為
(
せい
)
かそれとも
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「じゃ
二三日
(
にさんち
)
うちに三沢の所へ行って三沢からでも話して貰うかまた様子によったら僕がじかに行って話すか、どっちかにしましょう」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
しお蔭さまで命には別条ねえで、大きに有難うがんした 国の方へは仔細を書いて
二三日
(
にさんち
)
後
(
おく
)
れて帰ると書面を出しやんしたから、安心もしべいが、
此方
(
こちら
)
で危ねえ事、金を取られようとしたが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
徳の姿を見ると
二三日
(
にさんち
)
前の徳の言葉を老人は思い出した。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「私のようなものにはとうてい
悟
(
さとり
)
は開かれそうに有りません」と思いつめたように宜道を
捕
(
つら
)
まえて云った。それは帰る
二三日
(
にさんち
)
前の事であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此の
二三日
(
にさんち
)
は何うにも
斯
(
こ
)
うにも仕様がねえから、
些
(
ちっ
)
と
許
(
ばか
)
り質を取って貰いてえと思って、
此方様
(
こちらさま
)
は質屋さんで、
価値
(
ねうち
)
だけの物を借りるのは
当然
(
あたりまえ
)
だが、些とくどいから上手を遣わなければならねえが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから
二三日
(
にさんち
)
しても兄の事がまだ気にかかったなり、頭がどうしても自分と調和してくれなかった。自分はとうとう番町へ出かけて行った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二三日
(
にさんち
)
は事もなく過ぎたが、或る日の午後二時頃また迷亭先生は例のごとく
空々
(
くうくう
)
として偶然童子のごとく舞い込んで来た。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ここが阿蘇なら、あした六時に起きるがものはない。もう
二三日
(
にさんち
)
逗留
(
とうりゅう
)
して、すぐ熊本へ引き返そうじゃないか」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
我からと
惜気
(
おしげ
)
もなく咲いた
彼岸桜
(
ひがんざくら
)
に、いよいよ春が来たなと浮かれ出したのもわずか
二三日
(
にさんち
)
の間である。今では桜自身さえ
早待
(
はやま
)
ったと後悔しているだろう。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二三日
(
にさんち
)
は何の
音沙汰
(
おとさた
)
もなく過ぎたが、御面会をするから
明日
(
みょうにち
)
三時頃来て貰いたいと云う返事がようやくの事来たよと同僚が告げてくれた時は
大
(
おおい
)
に
嬉
(
うれ
)
しかった。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の頭は彼の乗っている電車のように、自分自身の
軌道
(
レール
)
の上を走って前へ進むだけであった。彼は
二三日
(
にさんち
)
前ある友達から聞いたポアンカレーの話を思い出した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
二三日
(
にさんち
)
の雨で、
苔
(
こけ
)
の色がすっかり出た事」と平生に似合わぬ観察をして、
故
(
もと
)
の席に返った。そうして
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
切って「何、そんなにご心配には及びませんよ。金田でも私の珠ばかり磨ってる事はよく承知しています。実は
二三日
(
にさんち
)
前行った時にもよく事情を話して来ました」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
せんだって○○は
朝飯
(
あさめし
)
を廃すると胃がよくなると云うたから
二三日
(
にさんち
)
朝飯をやめて見たが腹がぐうぐう鳴るばかりで功能はない。△△は是非
香
(
こう
)
の
物
(
もの
)
を
断
(
た
)
てと忠告した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時彼女は
宅
(
うち
)
の近況について何にも語らずに、「この頃は方々で
風邪
(
かぜ
)
が
流行
(
はや
)
るから気をおつけ。お父さんも
二三日
(
にさんち
)
前から
咽喉
(
のど
)
が痛いって、
湿布
(
しっぷ
)
をしてお出でだよ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は不図
二三日
(
にさんち
)
前新聞で見た、ある文学者の劇評を思い出した。それには、日本の脚本が、あまりに突飛な筋に富んでいるので、楽に見物が出来ないと書いてあった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ麗々と蕎麦の名前をかいて張り付けたねだん付けだけは全く新しい。何でも古いうちを買って
二三日
(
にさんち
)
前から開業したに
違
(
ちが
)
いなかろう。ねだん付の第一号に
天麩羅
(
てんぷら
)
とある。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母が病気で死ぬ
二三日
(
にさんち
)
前台所で宙返りをしてへっついの角で
肋骨
(
あばらぼね
)
を
撲
(
う
)
って大いに痛かった。母が大層
怒
(
おこ
)
って、お前のようなものの顔は見たくないと云うから、親類へ
泊
(
とま
)
りに行っていた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
久しぶりに
父母
(
ちちはは
)
の顔を見に帰ったお延は、着いてから
二三日
(
にさんち
)
して、父に使を頼まれた。一通の封書と
一帙
(
いっちつ
)
の
唐本
(
とうほん
)
を持って、彼女は五六町
隔
(
へだた
)
った津田の
宅
(
うち
)
まで行かなければならなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
せっかくの好意で
調
(
ととの
)
えてくれる金も、
二三日
(
にさんち
)
木賃宿
(
きちんやど
)
で夜露を
凌
(
しの
)
げば、すぐ無くなって、無くなった暁には、また
当途
(
あてど
)
もなく流れ出さなければならないと、
冥々
(
めいめい
)
のうちに自覚したからである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その通りは
二三日
(
にさんち
)
前の晩、
酒場
(
バー
)
を出た津田と小林とが、二人の境遇や性格の差違から来る
縺
(
もつ
)
れ
合
(
あ
)
った感情を互に抱きながら、朝鮮行きだの、お金さんだのを問題にして歩いた往来であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生きてる人間が銅臭くなっちゃ大変だ。いや、どんな決心でどんな目的を持って来ても駄目だ。決心も目的もたった
二三日
(
にさんち
)
で突ッつき殺されてしまう。それが気の毒だ。いかにも
可哀想
(
かわいそう
)
だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
二三日
(
にさんち
)
一睡もせんので勤務中坑内
仮寝
(
かしん
)
。郵便局で逢った女の夢を見る」
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
二三日
(
にさんち
)
前来たばかりさ」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
二三日
(
にさんち
)
うちに立ちます」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“二三日”で始まる語句
二三日前
二三日中