こっ)” の例文
がシカシ君のこったから今更直付じかづけににくいとでも思うなら、我輩一の力を仮しても宜しい、橋渡はしわたしをしても宜しいが、どうだお思食ぼしめし
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
○「何のこった、人を馬鹿にして、しか面白おもしれえ、何か他に、あゝ其方そっちにいらっしゃるお侍さん、えへゝゝ、旦那何か面白おもしろえお話はありませんか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おふざけでないよ、ているかとおもえばめていて、出しぬけにとこん中からお酒を買えたあ何のこったえ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「このせつこったから……。」お豊はふと気がついたように茶棚から菓子鉢を出して
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
全速力三十一ノットまで請合う。それでも追付かなけあ諸君が海へ飛び込むだけのこっ
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
また風説うわさによると、あの、魚屋の出入でいりをするうちは、どこでも工面が悪いってこったから、かたがた折角、お世話を願ったそうだけれど、宜しいように、貴下あなたから……と先ずざっとこうよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おおかたそんなこったろうと思ってた。実あ、わっしもあの隠居さんをたよって来たんですよ。——なにね、あの隠居が東京にいた時分、わっしが近所にいて、——それで知ってるのさ。いい人でさあ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それに聞けば課長さんのとこへも常不断じょうふだん御機嫌伺いにお出でなさるというこったから、きっとそれで此度こんども善かッたのに違いないヨ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
貴公の方で此婦これの実家へ貰いにけば話も早くまとまって、少しも手間の要らんこっちゃ、見合も何も要らん訳じゃが、何うか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひんすりゃどんになったように自分でせえおもうこのおれを捨ててくれねえけりゃア、ほんこったあ、明日の富に当らねえが最期さいごおらあ強盗になろうとももうこれからア栄華えいがをさせらあ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
等分に、代り合っていたします。それでいてお茶代が別にあったり何かすると、どちらが何だか分らないで、うらみはいつの間にか忘れてしまいましょう。なるほどそのこったよ。さあ、二人とも、手を
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だから云わんこっちゃない。余計な事をするもんじゃから……」
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それはそうとどうしようかしらん、到底言わずには置けんこったから、今夜にも帰ッたら、断念おもいきッて言ッてしまおうかしらん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
茂「そうサ、自分が調べられるのじゃアないからのこった、此方こちとらはまかり間違えば捕縛ふんじばられるのだからおっかねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただいんの屎を拾う気になって手を出しゃあ攫取つかみどりだ、ほんこったあ、馬鹿な世界だ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「端近で何のこったい、野良猫に扱いやあがる。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
與「誰エ小言云った、能くねえこった、貴方あんた正直だからわりい、此の大病人たいびょうにんに小言を云うってえ、此の馬鹿野郎め」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「訳はない。姉さん、何のこったな。」
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長「才槌せえづちで二つや三つ擲って毀れるような物が道具になるか、大概ていげえ知れたこった、耄碌しちゃア駄目だ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林「いえ、旦那様がえ懸けて下せえますから、お互に思えば思わろゝで、そりゃア尊公あんた当然あたりめえこって」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それは重々御道理ごもっともな訳じゃ、此方こちらにも不行跡ふしだらがあるこっちゃからう云う御疑念が懸っても仕方がない、仕方がないが、然う云う場合になると、粂之助はとんと口の利けぬ奴じゃで
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ねっからちっとも知らんかったが、何う云う理由わけで粂之助がお暇になりますかと云うて、わしも色々言葉を尽してお詫をしたが、なか/\お聴きれがない、お前方が知ったこっちゃない
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからまアやっとのこっ因幡町いなばちょうの棟梁のとけえ転がり込んだが、一人前いちにんめえ出来た仕事も身体が利かねえから宰取をして、今日始めて手伝てつでえに出て、うして妹にうと云うなア不思議だ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「そりゃア知れたこった、此の書付を渡したからにゃア此家こっちんな事があってもおらア知らねえよ、また己の体に何様どんな間違えがあっても御迷惑アかけねえから、御安心なせいやし」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此様こないに云われるで何うにも仕ようがないじゃて、しかし何うも気の毒なこっちゃな、ねっから、全体商人あきんどはお前の性分に合わぬのじゃから、かえって谷中のお寺へきなはった方が心が沈着おちついていやろう
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此の頃じゃアハア手紙の一本ぐれえ書ける様になったのアめえの旦那の御厄介ごやっけえでがんすから、おうちがこうなって遠いとけえ行くてえこったらわしも附いて行かないばなんねえが、婆様ばあさまア塩梅あんべいが悪うござえまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
馬「なんだか名主の惣次郎を先生が打斬ぶっきったてえ噂があるが、えゝ先生のこったから随分やりかねねえ、ったんべえ此の横着もの、そんな噂がたって居難いづらくなったもんだからおっぱしって来たんだろう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)