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一頭
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いつとう
少年の
指す
方を
眺めると
如何にも
大變!
先刻吾等の
通※して
來た
黄乳樹の
林の
中より、
一頭の
猛獸が
勢鋭く
現はれて
來たのである。
……つひ
向ふを、
何うです、……
大牛が
一頭、
此方へ
尾を
向けてのそりと
行く。
其の
図体は
山を
圧して
此の
野原にも
幅つたいほど、
朧の
中に
影が
偉い。
此遊歩の
間、
武村兵曹の
命ずる
儘に、
始終吾等の
前になり、
後になつて、
豫め
猛獸毒蛇の
危害を
防いで
呉れた、
一頭の
猛犬があつた。
誰にか棄てられけむ、
一頭流浪の犬の、予が入塾の初より、
数々庭前に
入来り、そこはかと
餌を
𩛰るあり。
三聲を
續けて
鳴いたと
思ふと……
雪をかついだ、
太く
逞しい、しかし
痩せた、
一頭の
和犬、むく
犬の、
耳の
青竹をそいだやうに
立つたのが、
吹雪の
瀧を、
上の
峰から
爆裂彈!
何の
爲に? と
讀者諸君は
審るであらうが、
之には
大に
考慮のある
事である、
今、
其目的地に
達し、いざ
建塔といふ
塲合に、
斯く
獅子や
猛狒が、
一頭でも、
二頭でも
中に
見る
目も
恐しかつたは、——
茶と
白大斑の
獣が
一頭、
天守の
階子を、のし/\と、
蹄で
蹈んで
上つて、
畳を
抱いて
人のやうに
立上つた
影法師が、
女の
上を
横に
通ると、
姿は
隠れて