“ゆきあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行逢51.1%
行合17.8%
行会8.9%
往遇4.4%
邂逅4.4%
往逢2.2%
行會2.2%
行遇2.2%
行遭2.2%
2.2%
遭遇2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身の潔白を立てる為には、今後何処どこ行逢ゆきあおうとも決して彼女かれとは口を利くまいと、ひそかに決心している矢先へ、あたかのお葉が現われた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大通りは一筋ひとすじだが、道に迷ふのも一興で、其処そこともなく、裏小路うらこうじへ紛れ込んで、低い土塀どべいからうり茄子なすはたけのぞかれる、さびれた邸町やしきまちを一人で通つて、まるつきり人に行合ゆきあはず。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一寸ちょいと往来でゞもそうでございます、若い綺麗な婦人に行会ゆきあいますと振返りたくなるが殿方の癖で、殊に麝香じゃこうの匂いがプーンと致しては我慢が出来にくいものだそうで
其後そのご院長ゐんちやうアンドレイ、エヒミチは自分じぶん周圍まはりもの樣子やうすの、ガラリとかはつたことやうやみとめた。小使こづかひ看護婦かんごふ患者等くわんじやらは、かれ往遇ゆきあたびに、なにをかふものゝごと眼付めつきる、ぎてからは私語さゝやく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さあ柵を連れて来い! 島太夫、柵にこう云ってくれ。……戦いにきた宗介むねすけ生血なまちに倦きたこの俺が美しい許婚に邂逅ゆきあって恋の甘酒うまざけに酔いしれたくそれで帰って来たのだとな。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
寒くなると人の往来ゆきゝは少のうなります、酒臭き人の往逢ゆきあう寒さかなという句がありますが、たま/\通る人を見てもめぐみを受けようと思う様な人はさっぱり通りません。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昨夜さくや新嘉坡シンガポールはつ、一ぺん長文ちやうぶん電報でんぽうは、日本につぽん海軍省かいぐんせう到達たうたつしたはづであるが、二さう金曜日きんえうびをもつて、印度大陸インドたいりく尖端せんたんコモリンのみさきめぐ錫崙島セイロンたうをきぎ、殘月ざんげつあはきベンガル灣頭わんとう行會ゆきあエイフツ
時に兄の利吒りた托鉢たくはつなしてを得んと城中まちに入りしが、生憎あやにく布施するものもなかりければ空鉢くうはつをもてかえらんとしけるが、みちにて弟に行遇ゆきあひたり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
って来る連中は大人に違いないのだから、その連中に行遭ゆきあったら、道傍みちばた羊歯しだの中へでも避けてやる気で、やはり数学の問題を考え考え一本道を近付いて行くと
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
森林が開けて陽が射している大きな沼へ来た時にまたも私達は前世紀の怪獣の一つにゆきあった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
というのは先刻方遭遇ゆきあった駕籠の中の女のいった言葉が、思い出されたがためであった。——でも左内様は妾のものさ。——今夜から妾のものになるのさ。——それはこういった言葉であった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)