高山こうざん)” の例文
本州ほんしゆう木曾きそ甲州こうしゆう信州等しんしゆうなど高山こうざんのぼつたかたはよくごぞんじでせうが、日光につこう白根山しらねさん男體山なんたいざんやまた富士山ふじさんなどでは偃松はひまつません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
高山こうざんを一つえて、もうやがてこうにうみえようとするころでありました。かもめは、一のからすにあいました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
北東の方には、石狩、十勝、釧路、北見の境上きょうじょうわだかま連嶺れんれいが青く見えて来た。南の方には、日高境の青い高山こうざんが見える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そして、ここが、木曾きそ山脈にぞくする、あの高山こうざんの山つづきであること、東京からここへ来るのには、どういう道を通るかということなどを、たしかめました。
鉄塔の怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ふびんや少女おとめの、あばら屋といえば天井もかるべく、屋根裏はしばく煙りに塗られてあやしげに黒く光り、火口ほくちの如き煤は高山こうざんにかゝれる猿尾枷さるおがせのようにさがりたる下に
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
高山こうざん植物の一つであるが、羽前うぜん〔山形県〕の飛島とびしまえているのは珍しいことである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
此処こゝ一騎打いっきうち難所なんじょで、右手めてほうを見ると一筋ひとすじの小川が山のふもとめぐって、どうどうと小さい石を転がすようにすさまじく流れ、左手ゆんでかたを見ると高山こうざん峨々がゞとして実に屏風を建てたる如く
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
噴出物ふんしゆつぶつ堆積たいせきして圓錐形えんすいけい高山こうざんつくるのが通常つうじようである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
垂直的すいちよくてき森林帶しんりんたいでいひますとこのたい下部界かぶかいが、暖帶林だんたいりん上部界じようぶかいにあたり、このたい上部界じようぶかい臺灣たいわんでは中央ちゆうおう一萬尺いちまんじやく高山こうざんたつしてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
高山こうざんふもとの谷は深い。世界第一の高峻こうしゅん雪山せつさんつ印度のうみは、幾干いくばくの人の死体を埋めても埋めても埋めきれぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
また台湾たいわんあたりの高山こうざん自生じせいするといういとのようにほそいもの、もしくは、支那しな奥地おくちにあるという、きわめてあつくてひろいもの、そして、九州きゅうしゅうあたりから、四こく地方ちほうやまには
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっとも、富士山ふじさん日本につぽんアルプス以下いか、すべての高山こうざんいたゞちかくには、さむさがつよくて樹木じゆもくそだちません。このことはのちにくはしくおはなしします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それは、人間にんげんのちょっとゆけるような場所ばしょでありません。高山こうざんの、しかも奥深おくふか嶮岨けんそながけの岩角いわかどにはえて、はげしいあらしにかれていたです。このしみは、なだれにたれた傷痕きずあとでございます。
しんぱくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)