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みんな
ふりがな文庫
“
衆
(
みんな
)” の例文
「さうねえ、だけれど
衆
(
みんな
)
があの人を目の
敵
(
かたき
)
にして乱暴するので気の毒だつたわ。隣合つてゐたもんだから私まで
酷
(
ひど
)
い目に
遭
(
あは
)
されてよ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
下宿では
衆
(
みんな
)
が寝静まっていた。長い廊下を伝うて、自分の部屋へ入ると、戸を閉めきった室内には、まだ晩方の
余熱
(
ほとぼり
)
が籠っていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
思ふ事は何でも言ふといつた樣な
淡白
(
きさく
)
な質で、時々間違つた事を喋つては
衆
(
みんな
)
に笑はれて、ケロリとしてゐる兒であつた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
弱虫だ弱虫だって
衆
(
みんな
)
が云うけれど、おいらだって男の児だもの、
窘
(
いじ
)
められてばかりいたかあ無いや。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何
(
なん
)
でも
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
は
遠
(
とほ
)
い
処
(
ところ
)
だ、さうして
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
は、われわれのごとく
傍
(
そば
)
にお
出遊
(
いであそ
)
ばすのだ。
衆
(
みんな
)
は
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
まで
往
(
い
)
かれまい。
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
が
衆
(
みんな
)
のとこへ
来
(
く
)
るだらう。
丁度
(
ちやうど
)
自分
(
じぶん
)
にも
来
(
く
)
るやうに。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
▼ もっと見る
「
衆
(
みんな
)
見ろ、
髯
(
ひげ
)
から取ったこの百円を、若様が大勢に分けてやるとおっしゃる。」
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何様功徳があるか知らないけど、
衆
(
みんな
)
がお参詣なさるんですの。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
盃をする
間際
(
まぎわ
)
に、近所の飲み屋で酒を
呷
(
あお
)
っていたのも、
衆
(
みんな
)
が
揶揄
(
からか
)
っていたように、きまりの悪いせいばかりとも思えなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
思ふ事は何でも言ふといつた様な
淡白
(
きさく
)
な
質
(
たち
)
で、時々間違つた事を喋つては
衆
(
みんな
)
に笑はれて、ケロリとしてゐる児であつた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それはそれに違無いのだけれど、
衆
(
みんな
)
が
皆
(
みんな
)
そんな
了簡
(
りようけん
)
を起して御覧な、世界中御寺ばかりになつて
了
(
しま
)
ふ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
恐
(
おそれ
)
の
日
(
ひ
)
に
当
(
あた
)
りて、わが
肉
(
にく
)
新
(
あらた
)
なるべし。」
衆
(
みんな
)
の
後
(
あと
)
から、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
赤
(
あか
)
い、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
児
(
こ
)
が
一人
(
ひとり
)
通
(
とほ
)
る。こいつに
眼
(
め
)
を
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いたのだから、
急
(
きふ
)
に
飛付
(
とびつ
)
いてやつた。この
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
手
(
て
)
で、その
口
(
くち
)
を
抑
(
おさ
)
へた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
鉱蔵
世迷言
(
よまいごと
)
を
饒舌
(
しゃべ
)
るな二才。村は今既に
旱
(
ひでり
)
の焔に焼けておる。それがために雨乞するのじゃ。やあ
衆
(
みんな
)
、手ぬるい、遣れ遣れ。(いずれも猶予するを見て)
埒
(
らち
)
明
(
あ
)
かんな、伝吉ども来い。(と
喚
(
わめ
)
く。)
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
衆
(
みんな
)
ツて何様人さ。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「そうですかね」お島は白々しいような返辞をして、「でも
可
(
い
)
いじゃありませんか。お秀さんは好い身分だって、
衆
(
みんな
)
がそう言っていますよ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
荒尾が又決して
喋
(
しやべ
)
る男ぢやない。それがどうして知れたのか、
衆
(
みんな
)
が知つてゐて……僕は実に驚いた。四方八方から
祝盃
(
しゆくはい
)
だ祝盃だと、十も二十も一度に
猪口
(
ちよく
)
を差されたのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
入院中も時々来て見舞ってくれた。その子供は見て来た芝居の真似をして
衆
(
みんな
)
を笑わせるほど、ませて来た。お庄は子を膝に抱いて
俥
(
くるま
)
に乗った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「病気が癒ったら、床あげに
弁松
(
べんまつ
)
からおいしいものをたくさん取って、食べましょうね。」患者は思い出したように言い出して、
衆
(
みんな
)
を笑わせた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お島はそう言って、この商売をはじめた自分の
行立
(
ゆきたて
)
を話して、
衆
(
みんな
)
を面白がらせながら、二時間も話しこんでいた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
懸離れた奥座敷に延べられた
臥床
(
ふしど
)
につくのであったが、花がはじまると、ぴちんぴちんと云う札の響が、
衆
(
みんな
)
の寝静った静な
屋内
(
やうち
)
に、いつまでも聞えていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
部屋が決められる間、
衆
(
みんな
)
は子供を囲んで暗い廊下に立っていた。子供は火がつくようにまた便通を訴えた。勝手のわからない人たちは、そこらをまごまごした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「もう少しの辛抱ですよ。辛抱していさえすれば、今に
歩行
(
あんよ
)
もできるし、坊やの好きな西洋料理も食べられるし、
衆
(
みんな
)
で浅草へでもどこへでも行きましょうね。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お増の顔色を見て、浅井の側を離れて行ったお今は、
衆
(
みんな
)
と一緒にそれに聴き入っていたが、
甲高
(
かんだか
)
な
謳
(
うた
)
の声や三味線の音に、寂しい心が一層掻き乱されるだけであった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
衆
(
みんな
)
は、宵のうちに下の座敷に集まって、このごろ取り寄せた蓄音器などに、笑い興じていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お作はとにかくに
衆
(
みんな
)
の
意嚮
(
いこう
)
がそうであるらしく思われた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小林はそう言いながら、
衆
(
みんな
)
に送り出されて出て行った。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“衆(
僧
)”の解説
僧(そう、sa: संघ Saṃgha)は、サンガを音写した「僧伽」の略で仏教の戒律を守る男性の出家修行者である「比丘(びく)」と女性の出家修行者である「比丘尼(びくに)」の集団のこと。仏教の三宝の一つ。在家信者を含めた教団を僧(サンガ)とは呼ばず、出家者が四人以上集まったとき僧となる。男性の出家修行者の集団を比丘僧といい、女性の場合は比丘尼僧という。衆あるいは和合衆と訳される。
(出典:Wikipedia)
衆
常用漢字
小6
部首:⾎
12画
“衆”を含む語句
若衆
衆人
衆生
群衆
女衆
男衆
旦那衆
女子衆
連衆
民衆
公衆
女郎衆
大衆
聴衆
子供衆
公家衆
此方衆
女中衆
媽々衆
素人衆
...