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藁束
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わらたば
ふりがな文庫
“
藁束
(
わらたば
)” の例文
見ると、マドレーヌ氏は
藁束
(
わらたば
)
の上にすわって、眠ってるコゼットをながめていた。フォーシュルヴァンは半身を起こして言った。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
晩の八時から明け方の四時まで、灯火は油にひたした
藁束
(
わらたば
)
であった。織り上がると美女は立ち去った。比丘尼は画像の深義を説いてきかせた。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
そして一同、
袴
(
はかま
)
を割って、一緒に
胡坐
(
あぐら
)
をくんで坐り直すと、銘々が
携
(
たずさ
)
えて来たらしい一
把
(
わ
)
の
藁束
(
わらたば
)
を
解
(
ほ
)
ぐして、馬の
沓
(
くつ
)
を作り始めたのであった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火
(
ひ
)
は
乾燥
(
かんさう
)
した
藁束
(
わらたば
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
舐
(
ねぶ
)
つて、
更
(
さら
)
に
其
(
その
)
焔
(
ほのほ
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
から
遁
(
のが
)
れようとして
屋根裏
(
やねうら
)
を
偃
(
は
)
うた。それが
迅速
(
じんそく
)
な
火
(
ひ
)
の
力
(
ちから
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
の
活動
(
くわつどう
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
巌畳
(
がんじょう
)
な支那の中年男が、
酸漿
(
ほおずき
)
のしぼんだようなものを何本となく
藁束
(
わらたば
)
に刺したのを肩へ担いで、
欠伸
(
あくび
)
みたいに大きくゆっくり口を開けるたんびに、円い太い声が
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
▼ もっと見る
また平生見かける相撲が——髪を
藁束
(
わらたば
)
ねにした
褌
(
ふんどし
)
かつぎが
相撲膏
(
すもうこう
)
を
貼
(
は
)
っていたためかもしれない。
追憶
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
栄二は繩や
蓆
(
むしろ
)
にする
藁束
(
わらたば
)
を、五人のなかまと船からおろしていたが、灰焼場のほうで人の叫びあう声と、役人たちの走りまわるのを見て、なにげなくそっちへいってみた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
聞
(
き
)
く
中
(
うち
)
に、
畝
(
あぜ
)
の
蔭
(
かげ
)
から、ひよいと
出
(
で
)
て
立
(
た
)
つた、
藁束
(
わらたば
)
に
竹
(
たけ
)
の
脚
(
あし
)
で、
痩
(
やせ
)
さらばへたものがある。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
てお呼び声がどこからか聞えるように思ってフイッと眼を
開
(
あ
)
いてみるてえと、コンクリート作りの馬
小舎
(
ごや
)
みてえに狭い
藁束
(
わらたば
)
だらけの床の上へ投げ出されているのに気が付きました。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は太い棒切れを握り身をこごめ気味にしてその家の周囲をすみずみまで探り探り
二回
(
ふたまわ
)
りすると、
藁束
(
わらたば
)
の上に身をひそめに腰をかけた。もう大丈夫だ。ここなら見つかりっこない、と彼は思った。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
海底の様に
藻
(
も
)
の林はないけれど、その代りに、木切れ
藁束
(
わらたば
)
ドロドロの
布屑
(
ぬのくず
)
、犬とも猫とも知れぬ小動物の白骨などが、濁った水底にブヨブヨと蠢いている様は、海などよりも一層不気味に物凄かった。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
まい晩日本の町々が
藁束
(
わらたば
)
のように焼き払われるそのなかで
原爆詩集
(新字新仮名)
/
峠三吉
(著)
四方の窓から朝の陽が、
藁束
(
わらたば
)
のように投げ込まれている。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
据物斬
(
すえものぎり
)
の名人だろう。
藁束
(
わらたば
)
の気で人間を切りやがる」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平気で、陽気で、
藁束
(
わらたば
)
のやうにしむみりと
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
それから、その小屋の中にあるただ一つの寝台にはコゼットが寝ていたので、彼らはそれぞれ
藁束
(
わらたば
)
の上に横になった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
卯平
(
うへい
)
の
視力
(
しりよく
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
恢復
(
くわいふく
)
した
時
(
とき
)
には
火
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
天井
(
てんじやう
)
の
梁
(
はり
)
に
積
(
つ
)
んだ
藁束
(
わらたば
)
の、
亂
(
みだ
)
れて
覗
(
のぞ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
穗先
(
ほさき
)
を
傳
(
つた
)
ひて
昇
(
のぼ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自分からさきに
藁束
(
わらたば
)
を置きなおして腰をかけ、伊緒にも席を与えた。低い天井から
吊
(
つ
)
ってある燈皿のあかりが、じいじいと音をたてながら、ふたりの上からやわらかい光をなげていた。
日本婦道記:春三たび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
据物斬
(
すゑものぎり
)
の名人だらう。
藁束
(
わらたば
)
の氣で人間を切りやがる」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
舐
(
ねぶ
)
つた
火
(
ひ
)
は
更
(
さら
)
に
此
(
こ
)
れを
噛
(
か
)
んでずた/\に
崩壞
(
ほうくわい
)
した
藁束
(
わらたば
)
は
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
を
保
(
たも
)
つた
儘
(
まゝ
)
既
(
すで
)
に
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
沈
(
しづ
)
めた
落葉
(
おちば
)
の
上
(
うへ
)
にばら/\と
亂
(
みだ
)
れ
落
(
おち
)
て
其處
(
そこ
)
に
復
(
ま
)
た
火勢
(
くわせい
)
が
恢復
(
くわいふく
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
パリー街と呼ばれてる長い地下室に
藁束
(
わらたば
)
がまき散らされ、その上に囚人らは積み重ねられたが、リヨン生まれのラグランジュという男は、彼らに向かって元気な言葉をしゃべりちらしていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
束
常用漢字
小4
部首:⽊
7画
“藁”で始まる語句
藁
藁草履
藁葺
藁屋
藁屑
藁屋根
藁沓
藁苞
藁人形
藁火