トップ
>
苗
>
なへ
ふりがな文庫
“
苗
(
なへ
)” の例文
梅雨
(
つゆ
)
の
降頻
(
ふりしき
)
る頃には、打渡した水の満ちた田に、
菅笠
(
すげがさ
)
がいくつとなく並んで、せつせと
苗
(
なへ
)
を植ゑて行つてゐる百姓達の姿も見えた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いたら
踊
(
をど
)
れ、
何
(
なん
)
でも
舶來
(
はくらい
)
ものの
苗
(
なへ
)
を
並
(
なら
)
べること、
尖端
(
モダン
)
新語辭典
(
しんごじてん
)
のやうになつたのは
最近
(
さいきん
)
で、いつか
雜曲
(
ざつきよく
)
に
亂
(
みだ
)
れて
來
(
き
)
た。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
甘藷
(
さつまいも
)
の
外
(
ほか
)
には
到底
(
たうてい
)
さういふ
凡
(
すべ
)
ての
苗
(
なへ
)
を
仕立
(
した
)
てることが
出來
(
でき
)
ないので、
又
(
また
)
立派
(
りつぱ
)
な
苗
(
なへ
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
く
丈
(
だけ
)
の
餘裕
(
よゆう
)
もないので
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
現にいつか垣の外に「
茄子
(
なすび
)
の
苗
(
なへ
)
や
胡瓜
(
きうり
)
の苗、……ヂギタリスの苗や高山植物の苗」と言ふ苗売りの声を聞いた時にはしみじみ
時好
(
じかう
)
の移つたことを感じた。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
よくやしなへとおほせによりて
苗
(
なへ
)
のころにいたり心をつくして
植
(
うゑ
)
つけけるに、鶴があたへしにかはらずよく
生
(
お
)
ひいでければ、
国
(
くに
)
の
守
(
かみ
)
へも奉りしとかたれり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
江戸の街々がすつかり夏姿になつて、
苗
(
なへ
)
賣りの聲が薫風に送られて何處からともなく響いて來る頃。
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
十八ヶ月位たちました丈夫な
苗
(
なへ
)
を植付けます。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
彼等
(
かれら
)
は
雨
(
あめ
)
を
藁
(
わら
)
の
蓑
(
みの
)
に
避
(
さ
)
けて
左手
(
ひだりて
)
に
持
(
も
)
つた
苗
(
なへ
)
を
少
(
すこ
)
しづつ
取
(
と
)
つて
後退
(
あとずさ
)
りに
深
(
ふか
)
い
泥
(
どろ
)
から
股引
(
もゝひき
)
の
足
(
あし
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
き
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
き
植
(
う
)
ゑ
退
(
の
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
紅花
(
べにばな
)
の
苗
(
なへ
)
や、おしろいの
苗
(
なへ
)
——
特
(
とく
)
に
註
(
ちう
)
するに
及
(
およ
)
ぶまい、
苗賣
(
なへうり
)
の
聲
(
こゑ
)
だけは、
草
(
くさ
)
、
花
(
はな
)
の
名
(
な
)
がそのまゝでうたになること、
波
(
なみ
)
の
鼓
(
つゞみ
)
、
松
(
まつ
)
の
調
(
しら
)
べに
相
(
あひ
)
ひとしい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よくやしなへとおほせによりて
苗
(
なへ
)
のころにいたり心をつくして
植
(
うゑ
)
つけけるに、鶴があたへしにかはらずよく
生
(
お
)
ひいでければ、
国
(
くに
)
の
守
(
かみ
)
へも奉りしとかたれり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
錢形平次は丹精甲斐もない朝顏の
苗
(
なへ
)
を鉢に上げて、八五郎の話には身が入りさうもありません。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夕顏
(
ゆふがほ
)
には、
豆府
(
とうふ
)
かな——
茄子
(
なすび
)
の
苗
(
なへ
)
や、
胡瓜
(
きうり
)
の
苗
(
なへ
)
、
藤豆
(
ふぢまめ
)
、いんげん、さゝげの
苗
(
なへ
)
——あしたのおつけの
實
(
み
)
は……
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さうだつけな、ほんに」
亭主
(
ていしゆ
)
はいきなり一
本
(
ぽん
)
の
徳利
(
とくり
)
を
手
(
て
)
にして
土間
(
どま
)
へおりた。
竈
(
かまど
)
の
上
(
うへ
)
の
煤
(
すゝ
)
けた
小
(
ちひ
)
さな
神棚
(
かみだな
)
へは
田
(
た
)
から
提
(
さ
)
げて
來
(
き
)
た一
把
(
は
)
の
苗
(
なへ
)
が
載
(
の
)
せてあつた。
彼
(
かれ
)
は
其
(
その
)
苗束
(
なへたば
)
へ
徳利
(
とくり
)
から
少
(
すこ
)
し
酒
(
さけ
)
を
注
(
つ
)
いだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
十萬兩の寶搜しよりも、朝顏の
苗
(
なへ
)
の方が大事だつたのです。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“苗”の意味
《名詞》
(なえ)芽が出て間もない移植用の草木。特に、稲の苗。
(出典:Wiktionary)
“苗(
苗木
)”の解説
苗木(なえぎ)は、移植するために育てた樹木の苗。苗木を育てる畑を苗畑という。
(出典:Wikipedia)
苗
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“苗”を含む語句
苗字
早苗
苗代
苗床
苗裔
苗代田
苗場山
苗圃
同苗
猪苗代
苗束
苗族
高田早苗
早苗田
苗屋
早苗取
若苗
苗売
苗木
苗字帯刀
...