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稻妻
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いなづま
ふりがな文庫
“
稻妻
(
いなづま
)” の例文
新字:
稲妻
『あゝ、
今迄
(
いまゝで
)
何
(
なん
)
の
音沙汰
(
おとさた
)
も
無
(
な
)
いのは、
稻妻
(
いなづま
)
も
途中
(
とちう
)
で
死
(
し
)
んでしまつたのでせう。』と、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
悄然
(
せうぜん
)
として、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
また共鳴させられないことを悟り、ちやうど人が、火や
稻妻
(
いなづま
)
や又は美しいが何となく蟲のすかないものを避ける樣に避けて了つたのだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
宵々
(
よひ/\
)
の
稻妻
(
いなづま
)
は、
火
(
ひ
)
の
雲
(
くも
)
の
薄
(
うす
)
れ
行
(
ゆ
)
く
餘波
(
なごり
)
にや、
初汐
(
はつしほ
)
の
渡
(
わた
)
るなる、
海
(
うみ
)
の
音
(
おと
)
は、
夏
(
なつ
)
の
車
(
くるま
)
の
歸
(
かへ
)
る
波
(
なみ
)
の、
鼓
(
つゞみ
)
の
冴
(
さえ
)
に
秋
(
あき
)
は
來
(
き
)
て、
松蟲
(
まつむし
)
鈴蟲
(
すゞむし
)
の
容
(
かたち
)
も
影
(
かげ
)
も、
刈萱
(
かるかや
)
に
萩
(
はぎ
)
に
歌
(
うた
)
を
描
(
ゑが
)
く。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ところが、當てが外れて、横井源太郎は蠅の入つてゐる方を呑んだ、——そんな氣の張つた時は、相手のチヨイとした眉の動きでも、
稻妻
(
いなづま
)
のやうに此方の心に響くものだ。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ヂュリ あゝ、もし、
誓言
(
せいごん
)
は、およしなされ。
嬉
(
うれ
)
しいとは
思
(
おも
)
へども、
今宵
(
こよひ
)
すぐに
約束
(
やくそく
)
するのは、
粗忽
(
そこつ
)
らしうて、
無分別
(
むぶんべつ
)
で、
早急
(
さっきふ
)
で、あッといふ
間
(
ま
)
に
消
(
き
)
える
稻妻
(
いなづま
)
のやうで、
嬉
(
うれ
)
しうない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
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早速
(
さつそく
)
に「君が
色香
(
いろか
)
もかんばせも」と
鸚鵡返
(
あうむがへし
)
をしておいた。したが、あらしに打たれる花は、さぞ色褪せることだらう。……ぴかりと
稻妻
(
いなづま
)
はたたがみ、はつとばかりに氣がついた。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
報
(
つぐ
)
る
遠寺
(
ゑんじ
)
の
鐘
(
かね
)
ガウ/\と
響
(
ひゞ
)
き渡り
最
(
いと
)
凄然
(
ものすご
)
く思はるればさしも
強氣
(
がうき
)
の者共も
小氣味
(
こきみ
)
惡々
(
わる/\
)
足に
任
(
まか
)
せて
歩行
(
あゆむ
)
中
(
うち
)
青
(
あを
)
き火の光り見えければ
彼
(
あれ
)
こそ
燒場
(
やきば
)
の
火影
(
ひかげ
)
ならんと掃部は先に立て行程に
早
(
はや
)
隱亡小屋
(
をんばうごや
)
に
近接
(
ちかづく
)
折柄
(
をりから
)
道の
此方
(
こなた
)
なる
小笹
(
をざさ
)
の
冠
(
かぶ
)
りし
石塔
(
せきたふ
)
の
蔭
(
かげ
)
より一刀
閃
(
ひら
)
りと引拔
稻妻
(
いなづま
)
の如く掃部が向う
脛
(
ずね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
は
何
(
な
)
んだか
心配
(
しんぱい
)
なんです、
稻妻
(
いなづま
)
がいくら
強
(
つよ
)
くつたつて、あの
澤山
(
たくさん
)
な
猛獸
(
まうじう
)
の
中
(
なか
)
を、
無事
(
ぶじ
)
に
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
へ
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ませうか。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「ぢやあ帽子を取りに行つておいで。
稻妻
(
いなづま
)
のやうに早く引返すのだよ。」と彼はアデェルに向つて叫んだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
遠
稻妻
(
いなづま
)
が一と打ち二た打ち、それを合圖のやうに、サツとオゾンの匂ひのする突風が吹いて來ると、屋根船の灯の半分を消して、軒に提げた提灯も幾つかは吹き落されてしまひました。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
閃々
(
ぴか/\
)
、と
稻妻
(
いなづま
)
のやうに
行交
(
ゆきか
)
はす。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ
稻妻
(
いなづま
)
の
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
に
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それでは、
稻妻
(
いなづま
)
は
私共
(
わたくしども
)
と
別
(
わか
)
れて、
單獨
(
ひとり
)
で、
此
(
この
)
淋
(
さび
)
しい、
恐
(
おそ
)
ろしい
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
えて、
大佐
(
たいさ
)
の
叔父
(
おぢ
)
さんの
家
(
いへ
)
へお
使者
(
つかひ
)
に
行
(
ゆ
)
くのですか。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
歐羅巴から來た爽やかな風が、海面をわたり、開け放した窓にさつと吹き込んで、暴風が起り、俄かに雨がやつて來て、
雷
(
かみなり
)
が鳴り、
稻妻
(
いなづま
)
が閃いて、大氣は清澄になつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
稻
部首:⽲
15画
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
“稻妻”で始まる語句
稻妻組
稻妻形