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めじるし
ふりがな文庫
“
目印
(
めじるし
)” の例文
お前は、毒菓子から
目印
(
めじるし
)
の赤い飾り種を
削
(
けづ
)
り取り、懷ろ紙か何かに包んで持つて來る途中、小窓を
跨
(
また
)
ぐとき敷居にこぼしたことだらう。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「——
盔
(
かぶと
)
をお
脱
(
と
)
りなさい。あなたの朱金の盔は、燦として、あまりに赤いから眼につきます。敵の
目印
(
めじるし
)
になります」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右に分業といったが、すなわち、
花盤
(
かばん
)
上にある小花はもっぱら生殖を
司
(
つかさど
)
り、周辺にある
舌状
(
ぜつじょう
)
小花は、昆虫に対する
目印
(
めじるし
)
の
看板
(
かんばん
)
と
併
(
あわ
)
せて生殖を
担当
(
たんとう
)
している。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
さてまた洞は岩畳み、
鬼蔦
(
おにづた
)
あまた
匐
(
は
)
ひつきたれど、
辺
(
ほと
)
りに
榎
(
えのき
)
の大樹あれば、そを
目印
(
めじるし
)
に討入りたまへ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
寄
(
よつ
)
て
三升
(
みます
)
の
目印
(
めじるし
)
、
門前
(
もんぜん
)
に
市
(
いち
)
を
為
(
な
)
すにぞ、のど
筒
(
づゝ
)
の
往来
(
わうらい
)
かまびすしく、笑ふ
声
(
こゑ
)
富士
(
ふじ
)
筑波
(
つくば
)
にひゞく。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
こうしておけば、スコールがあがったあとも、この場所へもどって来るのにいい
目印
(
めじるし
)
になる。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
浜町
(
はまちょう
)
の
細川邸
(
ほそかわてい
)
の
裏門前
(
うらもんまえ
)
を、
右
(
みぎ
)
へ
折
(
お
)
れて一
町
(
ちょう
)
あまり、
角
(
かど
)
に
紺屋
(
こうや
)
の
干
(
ほ
)
し
場
(
ば
)
を
見
(
み
)
て、
伊勢喜
(
いせき
)
と
書
(
か
)
いた
質屋
(
しちや
)
の
横
(
よこ
)
について
曲
(
まが
)
がった三
軒目
(
げんめ
)
、おもてに一
本柳
(
ぽんやなぎ
)
が
長
(
なが
)
い
枝
(
えだ
)
を
垂
(
た
)
れたのが
目印
(
めじるし
)
の
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
初音町
(
はつねてう
)
といへば
床
(
ゆか
)
しけれど、
世
(
よ
)
をうぐひすの
貧乏町
(
びんばうまち
)
ぞかし、
正直
(
しやうじき
)
安兵衛
(
やすべゑ
)
とて
神
(
かみ
)
は
此頭
(
このかうべ
)
に
宿
(
やど
)
り
給
(
たま
)
ふべき
大藥罐
(
おほやくわん
)
の
額
(
ひたい
)
ぎはぴかぴかとして、これを
目印
(
めじるし
)
に
田町
(
たまち
)
より
菊坂
(
きくざか
)
あたりへかけて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あとから、こっちへとんでくるお
友
(
とも
)
だちに
知
(
し
)
らせる
目印
(
めじるし
)
にしたのかもしれませんね。それでなければ、あまり
赤
(
あか
)
くてきれいな
実
(
み
)
だから、
食
(
た
)
べるのが
惜
(
お
)
しくてしまっておいたのかもしれません。
赤い実
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さめと存じ候處其金は
目印
(
めじるし
)
の
極印
(
ごくいん
)
ありしとは夢にも存じ申さず小兵衞が
遣
(
つか
)
ひ候より事
顯
(
あらは
)
れ斯の
仕合
(
しあはせ
)
に相成候段是ぞ
天罰
(
てんばつ
)
にて恐れ入奉り候と少しも
未練
(
みれん
)
なく一々白状に及びける故大岡殿
神妙
(
しんめう
)
なりと申され又小兵衞に向はれ只今仁左衞門が申に相違なきやと尋ねらるゝに小兵衞も
是非
(
ぜひ
)
なしと
覺悟
(
かくご
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と言つても
目印
(
めじるし
)
の井戸のあつたのは坂下で、其處で
逢引
(
あひびき
)
しようといふのは、少し薄寒くもありましたが、そんなことを考へても居られません。
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
はあ、そりゃ
大
(
で
)
けえ、一ツ
灸
(
きゅう
)
で
他国
(
たこく
)
にはねえ灸ですから、
目印
(
めじるし
)
といえば、そんなもンぐらいでございます
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
法網
(
ほうもう
)
をくぐるために、
酒瓶
(
さかびん
)
の如きも普通のウイスキーの壜に入れ、ただレッテルの上に、
玄人
(
くろうと
)
でなければ判らない
目印
(
めじるし
)
を入れてある。こうした
妖酒
(
ようしゅ
)
のあることは君にも判るだろう
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いや、申譯ないことだが、私は酒だけはやかましくて
灘
(
なだ
)
の
生
(
き
)
一本を、徳利に
目印
(
めじるし
)
をつけて、私の分にして置きました」
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに、何かその子に
目印
(
めじるし
)
でもあれば、なお手がかりとなって、人からも
教
(
おし
)
えてくれぬかぎりもない
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんでも夜中の或る時刻に団員をその入口へ案内してくれる機関があるらしかったが、その様子は
分明
(
ぶんめい
)
でない。多分団員の服装か顔かに
目印
(
めじるし
)
をつけて、その団員が通るところを家の中から見ている。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蛇、蛙、なめくぢの暗號は、地下に埋めた小判の
目印
(
めじるし
)
に置いた、庭石の恰好で、この暗號のない金は、
黒旋風
(
こくせんぷう
)
の辰三とお久良が、盜るに従つて費つたものでせう。
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すなわち、時遷は空櫃を負って、梁山泊までの陸路をただの旅人のように
旅籠
(
はたご
)
泊りをかさねて行く。泊り先の宿屋の軒には、かならず
目印
(
めじるし
)
として、
白墨
(
はくぼく
)
でどこかへ丸を描いて残しておく。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒バラの
目印
(
めじるし
)
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「金に
目印
(
めじるし
)
が無いから、急のことではむづかしい。尤もお前に少しは心當りでもあるなら別だが——」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「霧の小路はうす暗い。抜け駈けせんと、町辻を踏みたがえるな。——本能寺の森は、さいかちの木が
目印
(
めじるし
)
ぞ。その
大竹藪
(
おおたけやぶ
)
を、雲のすきに目あてとせよ。あれだ。あれこそ、本能寺のさいかちの木」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五百両持出させた晩、
竹竿
(
たけざお
)
で菊次郎を
撲
(
なぐ
)
り殺したが、五百両という小判を持ち運ぶ工夫はない、お銀は舟は漕げないから、川に沈めて竿を立てて
目印
(
めじるし
)
にして置いたのだ。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
服装の
目印
(
めじるし
)
、どうやら
徳川家
(
とくがわけ
)
の
斥候
(
ものみ
)
らしいが、きょう、
天子
(
てんし
)
ヶ
岳
(
たけ
)
に着陣したばかりなのに、はやくもこのへんまで斥候の手がまわってきたとはさすが、海道一の
三河勢
(
みかわぜい
)
、ぬけ目のないすばやさである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
折つたが、眼の前の大川が流れてゐることに氣が付かなかつたんだ。ちよつと出て俺の立てた
目印
(
めじるし
)
のあたりを覗いて見ねえ、底に脇差が一
口
(
ふり
)
沈んでゐるのが、よく見えるぜ
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その毒菓子から
目印
(
めじるし
)
を削り取つたのを、お孃さんに喰べさせる氣でやつた仕事だ。太てえ野郎だ
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
飛脚
(
ひきやく
)
が氣をきかしてくれたんですよ。親分の手紙を見ると、
早駕籠
(
はやかご
)
で、夜晝おつ通しに飛んで來たが、あんまり急いで、小田原の旅籠屋の
目印
(
めじるし
)
を見落すところでしたよ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「毒の入つて居る菓子には、何か
目印
(
めじるし
)
がついてゐたに違げえねえと思ふんだが」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その代り、小判には、
目印
(
めじるし
)
があります」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
印
常用漢字
小4
部首:⼙
6画
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