毒々どく/\)” の例文
そばには長大ちやうだい向日葵ひまわりむし毒々どく/\しいほどぱいひらいて周圍しうゐほこつてる。草夾竹桃くさけふちくたうはながもさ/\としげつたまま向日葵ひまわりそばれつをなして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昂奮して來ると、私は毒々どく/\しげに殘酷ざんこくになるので、遠慮せず、緩和くわんわせず、思つた通りを話してしまつた。
船長せんちやう一時いちじ毒々どく/\しくわたくしかほながめて嘲笑あざわらつてつたが此時このとき眞面目まじめになつてそのひかりかたながめつゝ
二十けんにもあま巨大きよだい建物たてものは、るから毒々どく/\しい栗色くりいろのペンキでられ、まどは岩たたみ鐵格子てつがうしそれでもまぬとえて、内側うちがはにはほそい、これ鐵製てつせいあみ張詰はりつめてある。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「いで、此上このうへは、茄子なすびいんむすんでけ、いろはにほへとといのるならば、などか奇特きどくのなかるべき、などか、ちりぬるをわかンなれ。」といのときかさはんびらきにした、なかにも毒々どく/\しい魔形まぎやうなのが
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やが梅雨つゆおびたゞしく毒々どく/\しいくりはなくさるまではとしたのでをんなきたなげなやつれた姿すがたふたゝられなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
車も歳月の力と人の力とにらされて、繩が辛而やつとはまツてゐる位だ。井戸の傍に大株おほかぶ無花果いちゞくがコンモリとしてゐる。馬鹿に好く葉がしげツてゐるので、其の鮮麗せんれい緑色みどりいろが、むし暗然あんぜんとして毒々どく/\しい。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ころ勘次かんじにはくりこずゑも、それへ繁殖はんしよくして残酷ざんこくあら栗毛蟲くりけむしのやうな毒々どく/\しいはなやうやしろつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)