歸途きと)” の例文
新字:帰途
かれちひさな怪我人けがにんから聯想れんさうしてれも毎日まいにちにはねらつて與吉よきちうれした。かれ脚力きやくりよくおよかぎ歸途きといそいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すでたふ建立けんりつをはつたので、最早もはや歸途きとむか一方いつぽうである。往復わうふく五日いつか豫定よていが、その二日目ふつかめには首尾しゆびよく歸終きろくやうになつたのは、非常ひじやう幸運こううんである。
元來ぐわんらい——歸途きとせんをたよつて東海道とうかいだう大𢌞おほまはりをしようとしたのは、……じつ途中とちう決心けつしん出來できたら、武生たけふりてゆるされないことながら、そこから虎杖いたどりさと
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
圍者かこひもの相談さうだんとおぼしけれど、りて詮議せんぎおよばず。まだ此方こつちたすかりさうだと一笑いつせうしつゝ歸途きとく。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其處そこで、明日あす午前ごぜん六時ろくじもつて、鐵檻車てつおりぐるま出發しゆつぱつ時刻じこくさだめませう、これから三十深山しんざんたつするに、鐵車てつしや平均速力へいきんそくりよくが一時間じかんに二はんとして、往途ゆき二日ふつか建塔けんたうめに一にち歸途きと二日ふつか
貴下きか委任いにんけたる紀念塔きねんたふ建立けんりつは、首尾しゆびよく成就じやうじゆしたれども、その歸途きと吾等われらみづかまねきたるわざはひによりて、貴下きかすまへる海岸かいがんより、東方とうほう大約おほよそ三十山中さんちうにて、おそすなすべりのたに陷落かんらくせり