しよう)” の例文
つくろひなきしようところこ〻もとにたゞ一人ひとりすてゝかへることのをしくをしく、わかれてはかほがたきのちおもへば、いまよりむねなかもやくやとしておのづかもふさぐべきたねなり。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あああ、これが一體夢でもなんでも無い、現代のしようの事であろうか?………ヒョット、これが戰線に於ける塹壕の中で、ドロドロになつた兵士同志が話し合つている光景だと思つて見た。
肌の匂い (旧字新仮名) / 三好十郎(著)
一 しようぢ申や限なし、一礼申て立や友たつ、みやこ
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
つくろひなきしようの処ここもとにただ一人すててかへる事のをしくをしく、別れては顔も見がたきのちを思へば、今より胸の中もやくやとしておのづから気もふさぐべき種なり。
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
姿なりこそ嶋田しまだ大人をとなづくらせたれどしようところ人形にんぎやうだいてあそびたきほどの嬰兒ねヽさまがにはかにおちしたさるどうやう、なみだのほかになんかんがへもなくおたみ老婢はしためそでにすがつて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れだがしようさんれがいてもわたし長吉ちようきち草履ざうりげられたとつてはいけないよ、もし萬一ひよつとつかさんがきでもするとわたしかられるから、おやでさへつむりはあげぬものを
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
正太しようた此日このひがけのあつめをやすませもらひて、三五らう大頭おほがしらみせ見舞みまふやら、團子屋だんごや背高せいたか愛想氣あいそげのない汁粉しるこやをおとづれて、うだまうけがあるかえとへば、しようさんおまへところ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おいらは痘痕あばたしつつかきは大嫌だいきらひとちかられるに、主人あるじをんな吹出ふきだして、れでもしようさんわたしみせくださるの、伯母おばさんの痘痕あばたえぬかえとわらふに、れでもおまへ年寄としよりだもの
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)