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ひよう
ふりがな文庫
“
日傭
(
ひよう
)” の例文
甲斐性がないばかりに
日傭
(
ひよう
)
取にまで身を落し、好きな尺八一管を友に、溝口屋の裏に住んで見る影もなく生きてゐる馬吉だつたのです。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小作もせず年中
日傭
(
ひよう
)
取りだから賃取り甚太といふ名もついてゐる。この前の選挙の時には、甚太も五十銭貰って一票入れに行って来た。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
「今から去んで
日傭
(
ひよう
)
でも、小作でもするかい。どんなに汚いところじゃって、のんびり手足を伸せる方がなんぼえいやら知れん。」
老夫婦
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
小谷狩
(
こたにがり
)
にはややおそく、
大川狩
(
おおかわがり
)
にはまだ早かった。
河原
(
かわら
)
には
堰
(
せき
)
を造る
日傭
(
ひよう
)
の群れの影もない。
木鼻
(
きはな
)
、
木尻
(
きじり
)
の作業もまだ始まっていない。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのうえ成信には理解のつかないところがたくさんある、樽ひろいとか蜆売りとか、そのほか
日傭
(
ひよう
)
とりの暮しなどは殆んどわからなかった。
泥棒と若殿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
受し者なればお里のお豐は
洗濯
(
せんたく
)
をし又惣内の甚兵衞は
日傭
(
ひよう
)
に
駈歩行
(
かけあるき
)
手紙使
(
てがみづかひ
)
や
土
(
つち
)
こね
草履
(
ざうり
)
取又は
荷物
(
にもつ
)
を
擔
(
かつ
)
ぎ何事に依ず
追取稼
(
おつとりかせぎ
)
を爲し漸々其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ほとんど
日傭
(
ひよう
)
取り同様の臨時雇いになり、市中の電気器具店廻りをしていたが、ふと蒔田が同郷の中学の先輩で、その上世話好きの男なのに
絆
(
ほだ
)
され
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「そねエな
殺生
(
せっしょう
)
したあて、あにが商売になるもんかよ。その
体格
(
からだ
)
で
日傭
(
ひよう
)
取りでもして見ろよ、五十両は大丈夫だあよ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
秀吉はこんどの工事にあたって、人足の賃銀を、一日割の
日傭
(
ひよう
)
(日給)にせず、
請負
(
うけおい
)
制度にして、その募集とともにこういう高札を立てて約束した。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
例年
(
れいねん
)
のやうに
忙
(
いそが
)
しい
季節
(
きせつ
)
に
日傭
(
ひよう
)
に
行
(
ゆ
)
くことも
出來
(
でき
)
まいし、それにはお
袋
(
ふくろ
)
に
捨
(
す
)
てられた
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
も
有
(
あ
)
ることだし
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寺では二三日前から
日傭
(
ひよう
)
取りを入れて掃除をしておいたので、墓地はきれいになっていて、いつものように
樒
(
しきみ
)
の枯葉や犬の
糞
(
くそ
)
などが散らかっていなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
鶏小屋
(
とりごや
)
に大きな青大将が入って、
模型卵
(
もけいらん
)
をのんだ、と
日傭
(
ひよう
)
のおかみが知らして来た。往って見ると、五尺もある青大将が
喉元
(
のどもと
)
を
膨
(
ふく
)
らして、そこらをのたうち
廻
(
まわ
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
戴十
(
たいじゅう
)
というのはどこの人であるか知らないが、兵乱の後は洛陽の東南にある
左家荘
(
さかそう
)
に住んで、人に
傭
(
やと
)
われて働いていた。いわゆる
日傭
(
ひよう
)
取りのたぐいで、甚だ貧しい者であった。
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
日露戦争後の不景気がやって来た頃、私の
家
(
うち
)
では残飯売りを
止
(
や
)
めたのだった。そして
日傭
(
ひよう
)
稼ぎを
止
(
よ
)
した父は日露戦争に従軍したので一時金百五十円で馬を買って荷馬車
挽
(
ひ
)
きを始めた。
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
それにわしや川上の旦那衆のとこさ
日傭
(
ひよう
)
とりにやとはれて行つてます。そこの小作衆が組合さはまつとつてごつく年貢がまかつたいふことやし——演説會もわしや二三べんは聽いとるよつて。
黎明
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
日傭
(
ひよう
)
で雇われて手伝いにいったものは、大野木村から平戸の農民たち四、五人、山から降りていた
馬丁
(
べっとう
)
の福次郎と、水番の六蔵、この村からはその時用があって
小浜
(
おばま
)
にいっていた、この石屋と
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
馬吉のやうに
日傭
(
ひよう
)
取になつたのもあり、六助や勘次のやうに、
巧
(
たく
)
みに溝口屋に取入つて、三年經たないうちに良い顏になつてゐるのもあつたわけです。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
日傭
(
ひよう
)
は、いくらかかっても関わぬのだ、折角、悠々とこれからの生涯を楽しむつもりで建てるのだからな』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
悄
(
しを
)
れた
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げて三
人
(
にん
)
の
口
(
くち
)
を
糊
(
のり
)
するために
日傭
(
ひよう
)
に
出
(
で
)
た。
彼
(
かれ
)
は
能
(
よ
)
く
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
に
使
(
つか
)
つて
貰
(
もら
)
つた。
米
(
こめ
)
は
屹度
(
きつと
)
彼
(
かれ
)
が
搗
(
つ
)
かせられた。
上手
(
じやうず
)
な
彼
(
かれ
)
は
減
(
へ
)
らさないでさうして
白
(
しろ
)
く
搗
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見てくれる人がないから、
日傭
(
ひよう
)
のおかみを引張って来て見せる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼等
(
かれら
)
は
自分
(
じぶん
)
で
田畑
(
たはた
)
が
忙
(
いそが
)
しい
時
(
とき
)
にも
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
に
追
(
おは
)
れる
食料
(
しよくれう
)
を
求
(
もとめ
)
る
爲
(
ため
)
に
比較的
(
ひかくてき
)
收入
(
みいり
)
のいゝ
日傭
(
ひよう
)
に
行
(
ゆ
)
く。
百姓
(
ひやくしやう
)
といへば
什麽
(
どんな
)
に
愚昧
(
ぐまい
)
でも
凡
(
すべ
)
ての
作物
(
さくもつ
)
を
耕作
(
かうさく
)
する
季節
(
きせつ
)
を
知
(
し
)
らないことはない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
日傭
(
ひよう
)
のおかみが大急ぎで乾し麦や麦からを取り入れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“日傭”の意味
《名詞》
日雇い。
日雇いの賃金。
(出典:Wiktionary)
“日傭(日雇い)”の解説
日雇い(ひやとい, Day labor)とは、一時雇用形態のひとつ。日々雇用される者をいうが、各国で法律ごとにこれより広い意味(定義)で用いられることもある(日本の雇用保険法上の「日雇労働者」など、後述)。「ニコヨン」などの俗称がある。日傭(ひよう)、日傭取り(ひようとり)とも。
(出典:Wikipedia)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
傭
漢検準1級
部首:⼈
13画
“日傭”で始まる語句
日傭取
日傭人
日傭稼
日傭兵
日傭女
日傭賃
日傭頭
日傭取稼