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ぐわいこくじん
そこで、
外國人が
吾等の
立去つた
後で、
此島へ
上陸して、
此處は
自分が、
第一に
發見した
島だなんかと、
管を
卷ひたつて
無益と
申すのだ。
何事も
外國人の
説を
妄信する
日本人は、これを
聞いて
大いに
感服したもので、
識見高邁と
稱せられた
故岡倉覺三
氏の
如きも
私は
第二
等のスタニスラウの
勳章を
貰ひました。
此の
第二
等の
勳章は、
全體なら
外國人でなければ
貰へないのですが、
私には
其の、
特別を
以てね、
例外と
見えます。
すると、
吾等が
此島を
立去つた
後で、
外國人共がやつて
來ても
大丈夫です。
何、
海岸邊の
日の
丸の
旗を
押倒して、
獅子だの、
鷲印の
旗なんか
立てた
處で
無益/\。
其人は
未だ三十
歳に
足らぬ
若い
男で、
頬骨の
廣い、
眼の
小さい、ブルネト、
其祖先は
外國人で
有つたかのやうにも
見える、
彼が
町に
來た
時は、
錢と
云つたら一
文もなく、
小さい
鞄只一個と
けれど、
第一に、
其樣危險な
深山へ
如何して
紀念塔を
建てるか、
外國人の
行かれぬ
程危險な
處へは、
吾等だつて
行かれぬ
筈では
無いかと、
隙さず
一本切込むと、
武村兵曹ちつとも
驚かない。