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塵芥
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ごみ
ふりがな文庫
“
塵芥
(
ごみ
)” の例文
或
(
あるい
)
はこの想像が当っているかも知れない。妙子さんを運んだ
塵芥
(
ごみ
)
車はすぐ近所の神社の境内に、空っぽにして捨ててあったのだ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あたりが俄に
物気立
(
ものけだ
)
つかと見る間もなく、吹落る疾風に
葭簀
(
よしず
)
や何かの倒れる音がして、紙屑と
塵芥
(
ごみ
)
とが物の
怪
(
け
)
のように道の上を走って行く。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ちっとも動揺したところはなく、まして今の先、飛騨の郡代の首を水を
掻
(
か
)
くように打ち落して、それを
塵芥
(
ごみ
)
を捨てるように
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
に
滿
(
み
)
ちた
田圃
(
たんぼ
)
を
其
(
そ
)
の
惑亂
(
わくらん
)
し
溷濁
(
こんだく
)
した
心
(
こゝろ
)
を
懷
(
いだ
)
いて
寂
(
さび
)
しく
歩數
(
あゆみ
)
を
積
(
つ
)
んで
行
(
ゆ
)
く
彼
(
かれ
)
は、
玻璃器
(
はりき
)
の
水
(
みづ
)
を
日
(
ひ
)
に
翳
(
かざ
)
して
發見
(
はつけん
)
した一
點
(
てん
)
の
塵芥
(
ごみ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
時折り、竹鋏を持ち出した爺さんに
塵芥
(
ごみ
)
箱の中をかきまわされて大根の尻っぽだの出し昆布の出殻をつまみあげられては
神楽坂
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
▼ もっと見る
そこには家族づれの牝豚も一匹いたが、その牝豚は
塵芥
(
ごみ
)
の山をほじくり返しながら、
序
(
つい
)
でに雛っこを一羽食ってしまった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そして、振り向かうともせずに、何か知らむつと
塵芥
(
ごみ
)
くさい臭ひのする、右左に煉瓦塀のすれすれになるやうな道をせかせかと歩き續けて行くのだつた。
ハルピンの一夜
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
溝には
塵芥
(
ごみ
)
の
堆
(
うづたか
)
く、たまたま
清潔
(
きよ
)
き家ぞと見るも、生々しき獣皮の、内外には曝されたる、さりとては訝しさを、車夫に糺せば、個は穢多村なりといふ。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
残りの材木や石や
塵芥
(
ごみ
)
など、すべて城外へ運び出させてしまい、きれいに掃き清めてまである行き届いた手際に
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俺は饑饉魔だ。若い女どもが
塵芥
(
ごみ
)
をふりかけ、
蓆
(
むしろ
)
の上から踏みつけたって、俺の姿を見あらわすことはできない。ところが、君など、人からも、犬からも姿を
えぞおばけ列伝
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
それに、この
塵芥
(
ごみ
)
箱の中そのまゝの留置場は、彼のその絶望的な氣持を二乘にも、三乘にも暗くした。
一九二八年三月十五日
(旧字旧仮名)
/
小林多喜二
(著)
その
角面堡
(
かくめんほう
)
のうちには一種の
塵芥
(
ごみ
)
の山があり、その堆積のうちには一種のオリンポスの殿堂があった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
十一月に入つた日、裏口へ
塵芥
(
ごみ
)
を捨てに行くと、離れから起き出たばかりの豊太郎が顔を洗つてゐた。
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
何しろ米の出來る
郷
(
くに
)
にゐる
田舎者
(
ゐなかもの
)
が、
米
(
こめ
)
の出來ない東京へ來て
美味
(
うま
)
い
飯
(
めし
)
に
有
(
あり
)
付かうとするんだから
耐
(
たま
)
らん………だから東京には
塵芥
(
ごみ
)
が多い。要するに東京は人間の
掃溜
(
はきだめ
)
よ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
少しでも
塵芥
(
ごみ
)
が残っていると、
掃直
(
はきなお
)
しを命ぜられるから、丁寧に奇麗に
掃
(
は
)
かなきゃならん。是が中々の大役の上に、時々其処らの草むしり迄やらされて
萎靡
(
がっかり
)
する事もある。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それから出入りの屑屋にきいてみると、博士邸の
塵芥
(
ごみ
)
箱の中から、いつも
玩具
(
おもちゃ
)
のこわれたのが出てくるというんだ。子供のない
家
(
うち
)
に、こわれた玩具があるのは妙じゃないの。
少年探偵呉田博士と与一
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
塵芥
(
ごみ
)
捨て場だの、汚ならしい
水溜
(
みずたま
)
りだの、家を取壊した跡だの、また気紛れに作りかけたまま放りだしたような畑だのになっていて、ぜんたいがじめじめと暗い、陰気くさい
嘘アつかねえ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「ええ、気味の悪い……。これからせっせと
塵芥
(
ごみ
)
を掃きこんで、埋めてやりましょう。」
古井戸
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
塵芥
(
ごみ
)
で
埋
(
うま
)
った溝へ、引傾いて落込んだ——これを境にして軒隣りは、中にも見すぼらしい
破屋
(
あばらや
)
で、
煤
(
すす
)
のふさふさと下った
真黒
(
まっくろ
)
な
潜戸
(
くぐりど
)
の上の壁に、何の
禁厭
(
まじない
)
やら、上に春野山、と書いて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おはぐろ色した
溷
(
どぶ
)
の
汚水
(
おすい
)
と、其外あらゆる
塵芥
(
ごみ
)
を残して、先住は出て往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
このドノゴオ・トンカは、金を採るかわりに
塵芥
(
ごみ
)
を取る部落となった。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
なにをするのかと与七は上からのぞいてみると、半七はうず高い
塵芥
(
ごみ
)
のあいだを踏み分けて、大きいごろた石のかげから重ね草履の片足を拾い出した。かれは
湿
(
しめ
)
った鼻緒をつまみながら与七にみせた。
半七捕物帳:31 張子の虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
薄暮の
塵芥
(
ごみ
)
臭い裏庭へ開け放たれた窓越しに覗いてみた。
薄暮の貌
(新字旧仮名)
/
飯田蛇笏
(著)
塵芥
(
ごみ
)
捨場となっている穢い窪地。青いどろどろの水溜り。
マクシム・ゴーリキイの伝記:幼年時代・少年時代・青年時代
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
異常な荘厳さが、巨人の
屑籠
(
くずかご
)
をくつがえしたようなその破片の堆積から発していた。それは
塵芥
(
ごみ
)
の山であり、またシナイの山(訳者注 モーゼがエホバより戒律を受けし所)
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
楽屋口へ這入ると「今日終演後ヴァラエテー第二景第三景練習にかかります。」だの、何だのと、さまざまな掲示の
貼出
(
はりだ
)
してある板壁に沿い、すぐに
塵芥
(
ごみ
)
だらけな
危
(
あぶな
)
ッかしい階段が突立っている。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
でなければ、あんなに
易々
(
やすやす
)
とベッドの中へ隠したり、
塵芥
(
ごみ
)
箱の中へ隠したり出来ない筈だからね。……犯人は、今朝まだ薄暗い内に、これを塵芥車にのせて、そこの神社の森の中へ引っぱって来た。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは門番の手中にある掃きだめからくる関係であって、そこにいい物が多いか少ないかはまったく
塵芥
(
ごみ
)
を掃き寄せる者の手加減による。
箒
(
ほうき
)
の使い方にも親切さがあるものである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
楽屋口へ這入ると「今日終演後ヴァラヱテー第二景第三景練習にかゝります。」だの、何だのと、さま/″\な掲示の貼出してある板壁に沿ひ、すぐに
塵芥
(
ごみ
)
だらけな危ツかしい階段が突立つてゐる。
勲章
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「オオ、そういえば、まだありましたよ。ハハハハハハハ、掃除人夫です。
塵芥
(
ごみ
)
車を引っぱって、塵芥箱の掃除に来ましたよ。ハハハハハハハ、掃除人夫のことまで申上げなければならないのですか」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
舗石
(
しきいし
)
はいつもじめじめしていて、両側には、
窖
(
あなぐら
)
のような商店、鉄の
環
(
わ
)
がはまってる大きな標石、ひどい
塵芥
(
ごみ
)
の山、何百年とたったような古い大きな
鉄格子
(
てつごうし
)
のついてる大門、などがあった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
夜の街路を通りゆく
泥濘
(
でいねい
)
の箱車、
塵芥
(
ごみ
)
捨て場のきたない
樽
(
たる
)
、
鋪石
(
しきいし
)
に隠されてる地下の臭い
汚泥
(
おでい
)
の流れ、それらは何であるか? 花咲く牧場であり、緑の草であり、百里香や
麝香草
(
じゃこうそう
)
や
鼠尾草
(
たむらそう
)
であり
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“塵芥”の意味
《名詞》
塵 芥 (じんかい、ちりあくた)
ごみ。
無価値なもの。
(出典:Wiktionary)
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
芥
漢検準1級
部首:⾋
7画
“塵芥”で始まる語句
塵芥箱
塵芥溜
塵芥焼
塵芥籠
塵芥車
塵芥堆
塵芥屋
塵芥捨場
塵芥掃除人
塵芥焼却場