鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
この松原の真中へ、降りたら水があるかしら。咽喉が乾くと、眼を醒ませば。身はいつしかに夜着の中、緑の絹に包まれたり。南無三、これは吾家じやない。たしかこの宵、おおそれよ。
そのほか花の日、旗の日、慈善市、同窓会、卒業祝、パス祝、誰さんの誕生日まで数え込んだら大変であろう。又、そんなのに一々義理を立てたら、吾家の晩御飯をいただく時はなくなりそうである。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
実は吾家から立っていただきたいと思って、お隅ともその話をしていたんですけれど、連れがありなさるんじゃしかたがない。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「勝重さん、君の前ですが、この節吾家のものは皆で寄ってたかって、わたしに年を取らせるくふうばかりしていますよ。」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
吾家の婆アは大不機嫌で閉め出しを喰はせた、癪に触つたから門口の扉を滅茶苦茶に叩きのめした、ところが昨日のあの雨で水嵩の増した水車の勢ひが目の廻るやうな凄じさだ
お文さんは相變らず吾家へ手習に通ひました。しかし私が道さん達の仲間入をするやうに成つてからは、以前のやうに彼女と親しくしませんでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙) (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それで吾家では、土地を買つたり、十五年近くも長く阿父さんがアメリカで遊べたりしたんですつて! だけど、さういふ話は決して子孫には伝へまいといふ掟をこしらへたのだつて
途中まで送つておいでと命じたのに、吾家の宵張りの連中は誰一人寝言でさへも返答しないよ、僕は飯も喰はずに出かけて来たので途中で君の家に寄つてパンを一片とビールを一本と……