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口数
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くちかず
ふりがな文庫
“
口数
(
くちかず
)” の例文
旧字:
口數
源
(
げん
)
さんは
会社
(
かいしゃ
)
につとめて、ごくほがらかな
性質
(
せいしつ
)
でありましたが、
李
(
り
)
さんはそれにくらべて
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない、うちきなところがありました。
クラリネットを吹く男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかもその時はちょうど
午飯
(
ひるめし
)
の時で、その女が昔の通り御給仕をしたのだが、男はまるで初対面の者にでも
逢
(
あ
)
ったように
口数
(
くちかず
)
を
利
(
き
)
かなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
たゞ
)
少
(
すこ
)
し
遠慮勝
(
えんりよがち
)
なのと、
余
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
く
口数
(
くちかず
)
を
利
(
き
)
かぬのが、
何
(
なん
)
となく
私
(
わたし
)
には
物足
(
ものた
)
りないので、
私
(
わたし
)
が
其
(
それ
)
であるから
尚更
(
なほさら
)
始末
(
しまつ
)
が
悪
(
わる
)
い。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
後
(
ご
)
の事は申し上げるだけ、無用の
口数
(
くちかず
)
に過ぎますまい。ただ、
都
(
みやこ
)
へはいる前に、太刀だけはもう手放していました。——わたしの白状はこれだけです。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
年紀
(
とし
)
かい、二十五だと聞いたが、さう、
漸
(
やうや
)
う二三とよりは見えんね。あれで
可愛
(
かはゆ
)
い細い声をして
物柔
(
ものやはらか
)
に、
口数
(
くちかず
)
が
寡
(
すくな
)
くつて巧い
言
(
こと
)
をいふこと、恐るべきものだよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
キチンと四角に坐ったまま少しも
膝
(
ひざ
)
をくずさないで、少し
反身
(
そりみ
)
に
煙草
(
たばこ
)
を
燻
(
ふ
)
かしながらニヤリニヤリして、余り
口数
(
くちかず
)
を
利
(
き
)
かずにジロジロ
部屋
(
へや
)
の
周囲
(
まわり
)
を見廻していた。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
以上の言葉は、城太郎が、未熟な弁を懸命にふるって、武蔵へうったえた沢山の
口数
(
くちかず
)
のあらましである。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
癖
(
くせ
)
私は少年の時から
能
(
よ
)
く
饒舌
(
しゃべ
)
り、
人並
(
ひとなみ
)
よりか
口数
(
くちかず
)
の多い程に饒舌って、
爾
(
そ
)
うして何でも
為
(
す
)
ることは
甲斐々々
(
かいがい
)
しく遣て、決して人に負けないけれども、書生流儀の議論と
云
(
い
)
うことをしない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない、
控
(
ひか
)
え
目
(
め
)
な
物
(
もの
)
ごしが、
私
(
わたくし
)
には
何
(
なに
)
より
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
妹
(
いもうと
)
は、つねに
桃色
(
ももいろ
)
の
着物
(
きもの
)
をきていました。きわめて
快活
(
かいかつ
)
な
性質
(
せいしつ
)
でありますが、
姉
(
あね
)
は
灰色
(
はいいろ
)
の
着物
(
きもの
)
をきて、きわめて
沈
(
しず
)
んだ、
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない
性質
(
せいしつ
)
でありました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は平生の代助の如く、成る可く
口数
(
くちかず
)
を
利
(
き
)
かずに
控
(
ひか
)
えてゐた。
父
(
ちゝ
)
から見れば
何時
(
いつ
)
もの代助と異なる所はなかつた。代助の方では却つて
父
(
ちゝ
)
の
変
(
かは
)
つてゐるのに驚ろいた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
現に指揮官のM大尉なぞは、この隊の先頭に立った時から、別人のように
口数
(
くちかず
)
の少い、沈んだ
顔色
(
かおいろ
)
をしているのだった。が、兵は皆思いのほか、平生の元気を失わなかった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは、
伊那丸
(
いなまる
)
の
幕下
(
ばっか
)
で一番年のわかい
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
だった。つれの六部は、ニヤリとして
口数
(
くちかず
)
をきかないが、たしかに
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
であるということは、ほの暗い濠ばたの
夕闇
(
ゆうやみ
)
にもわかる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勇
(
ゆう
)
ちゃんの
叔父
(
おじ
)
さんは、
年
(
とし
)
が
若
(
わか
)
く、
口数
(
くちかず
)
は
少
(
すく
)
なかったけれど、まじめでありましたから、
町
(
まち
)
の
人
(
ひと
)
たちもだんだんこの
店
(
みせ
)
をひいきにするようになりました。
海が呼んだ話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
僕はきょろきょろしているうちに、叔母と母が汽車の中はさぞ暑かったろうとか、見晴しの好い所が手に
入
(
い
)
って結構だとか、年寄の女だけに
口数
(
くちかず
)
の多い
挨拶
(
あいさつ
)
のやりとりを始めた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いちばん
上
(
うえ
)
の
姉
(
ねえ
)
さんは、やさしい、さびしい
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない
方
(
かた
)
で、そのつぎの
妹
(
いもうと
)
は、まことに
麗
(
うるわ
)
しい、
目
(
め
)
の
大
(
おお
)
きいぱっちりとした
方
(
かた
)
で、
末
(
すえ
)
の
弟
(
おとうと
)
は
快活
(
かいかつ
)
な
正直
(
しょうじき
)
な
少年
(
しょうねん
)
でありました。
王さまの感心された話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじいさんは、あまり
口数
(
くちかず
)
はきかなかったけれど、それは
根
(
ね
)
がいい
人
(
ひと
)
でありました。
ものぐさじじいの来世
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうして、いちばん
上
(
うえ
)
のさびしい、
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない
姉
(
あね
)
が
星
(
ほし
)
となったのであります。
王さまの感心された話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“口数”の意味
《名詞》
人数。
寄付や出資などの単位や件数。
物品などの数。
(出典:Wiktionary)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
数
常用漢字
小2
部首:⽁
13画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々