加勢かせい)” の例文
こうなると、もうなんでもつよい人に加勢かせいたのむよりしかたがないとおもいまして、このあいだからはしの上にっていたのでございます。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのうち、やっと起きあがった警官けいかん加勢かせいにかけつけ、りょううでを水車みずぐるまのようにふりまわして、目に見えぬてきにおどりかかっていった。
一體いつたい、これには、きざみねぎ、たうがらし、大根だいこんおろしとふ、前栽せんざいのつはものの立派りつぱ加勢かせいるのだけれど、どれもなまだからわたしはこまる。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこでわたしはしかたがないからカピを加勢かせいんで来て、二人がかりでどうやらこうやらおさえつけて、言うことを聞かせるのであった。
兼吉は、腕力わんりょくでは花前によりつけないから、五郎に加勢かせいたのんだのだ。事実じじつは兼吉が牛をたたいたのかもしれないが、ふたりのいいじょうはそうであった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
そうすると、こん棒がおまえに加勢かせいして、ふくろのなかから相手あいてのやつらのなかへとびだしていって、そいつらの背中せなかで、おもしろおかしくおどるんだ。
すでに、かれが忍従にんじゅうくさりをきって走った以上いじょう、それをめることもできないし、かれに加勢かせいすることもできない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勿論もちろん不埒ふらちですとも。』アンドレイ、エヒミチはイワン、デミトリチの加勢かせいにとみにちからて、つよくなり。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あなたがたは男の心も体も、自由自在にもてあそぶことが出来る。その上万一手に余れば、世の中の加勢かせいも借りることが出来る。このくらい強いものはありますまい。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あとをソンキにいったのは、少し不安でソンキに加勢かせいを求めたものらしい。ソンキも、うなずいた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
叔母はいつものようにお延に加勢かせいしなかった。さればと云って、叔父の味方にもならなかった。彼女の予言をいる気色けしきを見せない代りに、叔父の悪強わるじいもとめなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いぬは、うえあおいで、おおぜいの子供こどもたちの加勢かせいがあるので、ますますたけえていたのです。
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
近頃のような物価騰貴ぶっかとうきでは、どうにもやって行けなくなったので、すまんと思いながら、あんなことを申しました、ありがとうございました、これから一生懸命に働いてお加勢かせいをします、と云った。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
私も加勢かせいしてその弗を拾集ひろいあつめて袋に入れて元の通り戸棚に入れたことがあるが、元来船中にこんな事の起るその次第は、当時外国為替かわせと云う事につい一寸ちょいとも考えがないので、旅をすれば金が
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御頼み申たく何分御加勢かせい下さるべしといふにぞ重四郎然らば我等を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほかの子たちがみんなでからかって、石をぶつけたり、まよいぬを追って遊ぶように追い回したりした。迷い犬にだれも加勢かせいする者がないのだ。
勿論もちろん不埒ふらちですとも。』アンドレイ、エヒミチはイワン、デミトリチの加勢かせいとみちからて、つよくなり。『おれようるのだ! るのだ! 貴樣きさまなん權利けんりる! せとつたらせ!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
面白半分に様々加勢かせいをしてとどこおりなく下ノ関の宿につい
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「アア、加勢かせいのくるのを待っています」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
討取うちとりなほ三の柵片原町なる大學だいがく持場迄もちばまで此勢このいきほひにくづれんとする處へ本城より加勢かせいとして木村長門守重成きむらながとのかみしげなり後藤ごとう又兵衞基次もとつぐ秀頼公のおほせに隨ひ繰出くりいだしたりとよみて彦兵衞莞爾につこわらひながら是よりは佐竹樣大負おほまけと成て御家老衆ごからうしう討死うちじに致され佐竹左中將義宣公よしのぶこうも危い處へ佐竹六郎殿駈付かけつけて討死致されたればこそ佐竹樣危き命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
マチアとボブは、よし、ほかの仲間なかま加勢かせいをたのんでも、とてもここからわたしをすくい出すことはできそうもなかった。わたしは立ち上がってまどの所へ行った。
なみだをいっぱい目にうかべてわたしは見回したが、手近にはだれもわたしに加勢かせいしてくれる者がなかった。往来おうらいにもだれもいなかった。牧場ぼくじょうにもだれもいなかった。
心配している人間のあることは、つごうのいいことだし、わたしはよろこんでおまえの加勢かせいをしてやる
わたしは巡回裁判じゅんかいさいばんの前に出ないですむ。ありがたい、マチア。それから、ボブ。マチアに加勢かせいしてくれるボブはずいぶんいい人だ。かわいそうにマチア一人では、とてもこれだけできやしない。