“とうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トウトウ
語句割合
滔々48.2%
到頭19.8%
遂々14.9%
鼕々3.9%
蕩々2.8%
鞺鞳1.9%
東塔1.7%
曈々0.8%
滔滔0.8%
等々0.8%
到々0.6%
丁々0.6%
陶榻0.6%
鞺々0.6%
偸盗0.3%
当到0.3%
当頭0.3%
東頭0.3%
禿頭0.3%
等等0.3%
統棟0.3%
陶塘0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
滔々とうとうと弁じ立てるのだが、その日は法水が草稿を手に扉を開くと、内部なかは三十人ほどの記者達で、身動きも出来ぬほどの雑沓ざっとうだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ただおしい事には今一歩といふ処まで来て居ながら到頭とうとう輪の内をける事が出来なかつたのは時代の然らしむるところで仕方がない。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
それがだんだん進歩して現今の高等学校になったのであるが、僕は其時腹膜炎をやって遂々とうとう二級の学年試験を受けることが出来なかった。
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くさくさの式も首尾好く終って鼕々とうとうと打鳴らす太鼓の音を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
以上三点の区別より推測するに、死後の霊魂なるものは、実に空々くうくう漠々ばくばく渺々びょうびょう蕩々とうとう、苦もなくまた楽もなく、知もなくまた意もなきありさまならざるべからず。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
諏訪頼重の居城と見えて、今鞺鞳とうとうと鳴らす太鼓に、湖上に浮いていた水鳥がハラハラパッと飛び立った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一体御前方はただ歩行あるくばかりで飛脚ひきゃく同然だからいけない。——叡山には東塔とうとう西塔さいとう横川よかわとあって、その三ヵ所を毎日往来してそれを修業にしている人もあるくらい広い所だ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかして商業の太陽は車輪のごとく曈々とうとうとして中天をきしり上り、ついに欧州の面目を一変するに至れり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
曰く、是れならば津を知らんと。桀溺に問う。桀溺曰く、子は誰と為すと。曰く、仲由ちゅうゆうと為すと。曰く、是れ魯の孔丘の徒かと。対えて曰く、然りと。曰く、滔滔とうとうたる者、天下皆是なり。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ああなんというすばらしい着想点だろう! 鰻のかば焼のほかに焼き鳥の匂い、天ぷらの匂い、それからライスカレーの匂い等々とうとう、およそ敵兵のすきなかおりを、この毒瓦斯につけてやろう。
「農村」を到々とうとう見出した。非常に嬉しい。第二を終る。
丁々とうとう白檀びやくだんをのおと
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
越前守は支那出来の陶榻とうとうに腰をおろして、心長閑のどか四方あたりを見廻しました。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
鞺々とうとうと流れる渓流にすねを洗われながら、一人の若者が鉤鈎かぎばりをつけた三尺ばかりの棒を巧みにあやつってぴらりぴらりとひらめく山女やまめを引ッかけては、見る見る間に魚籠びくみたしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七に曰く、偸盗とうとうするなかれ。およそ人の財物をやぶり不公平のことをつつしむ。八に曰く、妄証ぼうしょうするなかれ。およそ人の声名をそしり、ならびに人をいつわるなどを禁ず。九に曰く、他人の妻を願うなかれ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「全く物騒ですよ、わたしところでは昨夜ゆうべ当到とうとう一俵盗すまれました」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お女中が来て今日はお美味いし海苔巻のりまきだから早やく来て食べろと言ったが当頭とうとう俺は往かないで仕事を仕続けてやったのだ。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
画閣がかく東頭とうとう涼を
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
第四番目に取り調べられたのは禿頭とうとうの老人であった。これは商売人の隠居で、腰も低く、交番の巡査が相識の間であったから、一通りの訊問以外には何も訊かれなかった。
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
まるで見世物の口上こうじょういいのように、石太郎はよくをひること、どんな屁でも注文どおりできること、それらには、それぞれ名まえがついていること等等とうとう
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
「知己を失って、悪逆を重ねて、それが、兵道の統棟とうとうかっ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
花木は少いし、土は荒れているし、「陶塘とうとう」の水も濁っているし、家の中はがらんとしているし、殆御茶屋と云う物とは、最も縁の遠い光景である。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)