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首肯
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しゅこう
ふりがな文庫
“
首肯
(
しゅこう
)” の例文
しかし「大道」と「道ばた」とに材料の出所を二分してそれによって「社会的価値」を区別しようとする材料一元論も
首肯
(
しゅこう
)
できません。
ブリユンチエールの言葉について
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
雲仙がその景観において、山岳中の首位に
推
(
お
)
されることの当然さを、一たび普賢の絶頂に立ったものは、
誰
(
たれ
)
でも
首肯
(
しゅこう
)
するであろう。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
「僕は余裕の前に頭を下げるよ、僕の矛盾を承認するよ、君の
詭弁
(
きべん
)
を
首肯
(
しゅこう
)
するよ。何でも構わないよ。礼を云うよ、感謝するよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生は、そっぽを向いて、
暫
(
しばら
)
く黙って考えて居られたが、やがて、しぶしぶ
首肯
(
しゅこう
)
せられた。私は、ほっとした。もう大丈夫。
佳日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
もとよりそれは何人をも
首肯
(
しゅこう
)
せしめる当然の結論だった。もし道鏡がその神教を握りつぶして
不問
(
ふもん
)
に附する場合をのぞけば。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
フランクは単なる「美の追求」のために、一小節の音楽も書かなかったことは少しでもフランクを知る誰にでも
首肯
(
しゅこう
)
されることであるだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
が、ひるがえって常識に叩くに、このストックホルム市の真ん中にぷうんとお味噌の
香
(
におい
)
がするということは
首肯
(
しゅこう
)
出来ない。
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
転瞬
(
てんしゅん
)
の間に
内外
(
ないげ
)
を断じ醜を美に回した禅機を賞し達人の
所為
(
しょい
)
に
庶幾
(
ちか
)
しと云ったと云うが読者
諸賢
(
しょけん
)
は
首肯
(
しゅこう
)
せらるるや否や
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
閣下、貴下の言葉は私を
首肯
(
しゅこう
)
させる。が、しかし公明正大な好奇心によってわが国へ渡航せんとするこの愛すべき青年の身の上を考えてやって下さい。
船医の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
しかれども、いやしくも今日、中等以上に位するものは、だれかまたかかる不合理、不思議を
首肯
(
しゅこう
)
する者あらん。これ、神秘的解釈の下等なるものなり。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
されど君が画における
伎倆
(
ぎりょう
)
は次第にあらはれ来り何人もこれに対しての賞賛を
首肯
(
しゅこう
)
せざる能はざるほどになりぬ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
必ずや天下人心の
腐敗
(
ふはい
)
とか、政党
宜
(
よろ
)
しきを得ぬとか、ひととおり
何人
(
なんぴと
)
も
首肯
(
しゅこう
)
するような理由を述ぶるであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ワトソン夫人はバーグレーヴ夫人が彼女の着物について言ったことは、何から何まで本当であると
首肯
(
しゅこう
)
して、「私が手伝ってあの着物を縫って上げたのです」
世界怪談名作集:07 ヴィール夫人の亡霊
(新字新仮名)
/
ダニエル・デフォー
(著)
然りと
雖
(
いえど
)
も大酒は女の為す所ならず、宮方に申して暇を与う]と記されているのを
首肯
(
しゅこう
)
することができる。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
著者は昔から蕪村を好み、蕪村の句を
愛誦
(
あいしょう
)
していた。しかるに従来
流布
(
るふ
)
している蕪村論は、全く著者と見る所を異にして、一も自分を
首肯
(
しゅこう
)
させるに足るものがない。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
専門外のこととて
瞭
(
はっき
)
りしたことは判らなかったが、とにかく、簡単ながら、男湯の電気風呂へ、何かの仕掛けが
施
(
ほどこ
)
されていることだけは、誰にも
首肯
(
しゅこう
)
されたのであった。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妙な
因縁
(
いんねん
)
だろう?
今日
(
こんにち
)
我々がハムや野菜のサンドウイッチを喰べるのも
皆
(
みんな
)
この
伯爵
(
はくしゃく
)
が
賭博
(
とばく
)
に
耽
(
ふけ
)
ったお蔭だ。しかしサンドウイッチ伯爵独創の発明とは
首肯
(
しゅこう
)
し難い
節
(
ふし
)
がある。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
画
(
え
)
を画とのみして、それらの芸術的情趣は非常な
奢侈
(
しゃし
)
贅沢
(
ぜいたく
)
に
非
(
あら
)
ざれば決して日常生活中には味われぬもののように独断している人たちは、容易に
首肯
(
しゅこう
)
しないかも知れないが
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
着々として立証して来られました一事を見ましても、たやすく
首肯
(
しゅこう
)
出来るので御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そういう事を説明してみましたが、多くのハイカイ詩人はその事を
首肯
(
しゅこう
)
しませんでした。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
とうてい外国人——正規の英語の教養があればあるほど——の手に成った文面とは
首肯
(
しゅこう
)
されないし、またいかに狂人であっても、医者ならばあれほど無学な手紙は書かない、いや
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
総監の推理が如何に適確周到なものであったかは、読者諸君が、もう一度この物語の前段「両人奇怪なる曲馬を隙見する」くだりを読み返してごらんなされば、忽ち
首肯
(
しゅこう
)
出来ることだ。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
信飛の国界に
方
(
あた
)
りて、
御嶽
(
おんたけ
)
・乗鞍・穂高・槍の四喬岳のある事は、
何人
(
なんぴと
)
も
首肯
(
しゅこう
)
する
処
(
ところ
)
、だが槍・穂高間には、なお一万尺以上の高峰が沢山群立している、という事を知っている者は
稀
(
まれ
)
である。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
おまえは、うちの家族のことを芸術の
挺身隊
(
ていしんたい
)
と言ったが、今こそ
首肯
(
しゅこう
)
する。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
人と人との手にて結び合わせたる形式の結婚は
妾
(
しょう
)
の
首肯
(
しゅこう
)
する
能
(
あた
)
わざる所、されば妾の福田と結婚の約を結ぶや、翌日より衣食の
途
(
みち
)
なきを知らざるに非ざりしかど、結婚の要求は相愛にありて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
衍曰く、南に
方孝孺
(
ほうこうじゅ
)
あり、
学行
(
がくこう
)
あるを
以
(
もっ
)
て
聞
(
きこ
)
ゆ、王の旗城下に進むの日、彼必ず
降
(
くだ
)
らざらんも、
幸
(
さいわい
)
に之を殺したもう
勿
(
なか
)
れ、之を殺したまわば
則
(
すなわ
)
ち天下の読書の
種子
(
しゅし
)
絶えんと。燕王これを
首肯
(
しゅこう
)
す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
君子として世に立つべからざるの事実は、社会一般の
首肯
(
しゅこう
)
する所なり。
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
小山の大議論は主人の中川も客の大原もともに
首肯
(
しゅこう
)
する所あり。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
この解釈は充分に人を
首肯
(
しゅこう
)
さすだけの力を持っていない。
クロイツェル・ソナタ:02 解題
(新字新仮名)
/
米川正夫
(著)
こうして、じっと見ていると、ほんとうにソロモンの栄華以上だと、実感として、肉体感覚として、
首肯
(
しゅこう
)
される。ふと、去年の夏の山形を思い出す。
女生徒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
けれどもそれが西洋人一般の判断だと、先生から注意されて見ると、なるほどと
首肯
(
しゅこう
)
せざるを得ない。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それはこの一帯を包容する時、森林公園として、まことに適当の候補地であることを
首肯
(
しゅこう
)
させる。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
こうした女性に取って、そうした幻滅的な出来事が、死刑の宣告以上に怖ろしいものである事は現代の婦人の……特に少女の心理を理解する人々の容易に
首肯
(
しゅこう
)
し得るところであろう。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それやこれやを思い合わせると、右の論者の説は直ちには
首肯
(
しゅこう
)
し難いと思われる。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
互
(
たがい
)
に風狂の
輩
(
やから
)
であろうが、一方は
謙遜
(
けんそん
)
し一方は喜び迎えておる心もちがよく現れておる。即ち、発句と脇句とはそういう挨拶の意味から成り立っておる。こういう説も一応
首肯
(
しゅこう
)
が出来る。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
古来難解の句と評されており、一般に
首肯
(
しゅこう
)
される解説が出来ていない。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
又斬り傷の箇所が前後左右に飛び離れているのも不自然であって、被害者が逃げ廻ったり抵抗した為だと解釈するにしても、何となく
首肯
(
しゅこう
)
し難い所がある。しかも不思議はそればかりではなかった。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは誰でも
首肯
(
しゅこう
)
されることであるが、博士は更に
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
なんですか? さて、どうしたのですか。あなたのおっしゃる事にも、また、佐伯君の申す事にも、一応は
首肯
(
しゅこう
)
できるような気がするのですけれど、もっと、つき進めた話を
乞食学生
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
答は何の苦もなく自分の口から
滑
(
すべ
)
り出してしまった。するとどてらはそうだろうそのはずさと云うような顔つきをした。自分は不思議にもこの顔つきをもっともだと
首肯
(
しゅこう
)
した。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
如何なる名探偵や名検事が出て来ても、一分一厘の狂い無しに「証拠不充分」のところまで押し付け得る、絶対無限の確信を持っていた……という私の主張を
遺憾
(
いかん
)
なく
首肯
(
しゅこう
)
してくれるであろう。
冗談に殺す
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ウンと聞いてウンと淋しがらせてくれというのである。この句の如きも余人は知らず、芭蕉の言としては偽らざる告白として
首肯
(
しゅこう
)
さるるのである。芭蕉はこの心持を抱いて一生を送った人である。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そんな
下手
(
へた
)
くそな見えすいた演技を行っていながら、何かそれが天から与えられた妙な縁の如く、互いに
首肯
(
しゅこう
)
し合おうというのだから、厚かましいにも程があるというものだ。
チャンス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
通人論
(
つうじんろん
)
はちょっと
首肯
(
しゅこう
)
しかねる。また芸者の妻君を羨しいなどというところは教師としては口にすべからざる愚劣の考であるが、自己の水彩画における批評眼だけはたしかなものだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
泉都という言葉は面白くないが、湯の都たることは
首肯
(
しゅこう
)
される。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
私はそれを
嚥下
(
えんか
)
して
首肯
(
しゅこう
)
し、この医師は以前どんな鰻を食べたのだろうといぶかった。
やんぬる哉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
馬を
斃
(
たお
)
し、たまさかには
獅子
(
しし
)
と戦ってさえこれを征服するとかいうではないか。さもありなんと私はひとり淋しく
首肯
(
しゅこう
)
しているのだ。あの犬の、鋭い
牙
(
きば
)
を見るがよい。ただものではない。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「僕はいまは、まるで、てんで駄目だけれども、でも、もう五年、いや十年かな、十年くらい
経
(
た
)
ったら何か一つ兄さんに、うむと
首肯
(
しゅこう
)
させるくらいのものが書けるような気がするんだけど。」
鉄面皮
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
肯
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“首肯”で始まる語句
首肯点頭