あほ)” の例文
をんなかたほヽをよせると、キモノの花模様はなもやうなみだのなかにいたりつぼんだりした、しろ花片はなびら芝居しばゐゆきのやうにあほそらへちら/\とひかつてはえしました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
かへればゑりあごうづめてしのびやかに吐息といきをつく、良人おつと不審ふしんつれば、うもこゝろわる御座ござんすからとてしよくもようはべられず、晝寢ひるねがちに氣不精きぶせうりて、次第しだいかほいろあほきを
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもひいつてこういはれた言葉ことばに、かつておもひもしらぬ感激かんげきをおぼえて、私はしみ/″\とよそのおばさんをみました。くろくそめてまゆあほひとで、そのにはなみだがあつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
ぱちぱちとおといさましく、あほひら/\とへて火鉢ひばちふちのやゝあつうなれば、おくさまはのやうなはたらきをでもあそばしたかのやうに、千葉ちばもおあたりとすこおしやりて、今宵こよひけてさむものをと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あほんだそらにはなにもないではないか。
なんだとヱりやうさんに失礼しつれいだがおへりあそばしていたゞきたいとあゝさうまをすよりやうさんおきゝのとほりですからとあはれやはゝきやうするばかりむすめは一呼吸こきふせまりてる/\顔色かほいろあほくはつゆたま今宵こよひはよもとおもふに良之助りやうのすけつべきこゝろはさらにもなけれど臨終いまはまでこゝろづかひさせんことのいとを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あほそら