トップ
>
雪路
>
ゆきみち
ふりがな文庫
“
雪路
(
ゆきみち
)” の例文
「馬鹿! 一升餅くらいで、一里からの
雪路
(
ゆきみち
)
、吉田様まで、誰が行くものか。
俺
(
おれ
)
の欲しいの、餅なんかじゃねえ。銀の
杯
(
さかずき
)
を欲しいのだ。」
手品
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「
否
(
いな
)
。
此処
(
ここ
)
には持ち
侍
(
はべ
)
らねど、大王
些
(
ちと
)
の骨を惜まずして、この
雪路
(
ゆきみち
)
を歩みたまはば、僕よき処へ
東道
(
あんない
)
せん。
怎麼
(
いか
)
に」トいへば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
同一
(
おなじ
)
色なのが、何となく、戸棚の
蔽
(
おおい
)
に、ふわりと中だるみがしつつも続いて、峠の
雪路
(
ゆきみち
)
のように、天井裏まで見上げさせる。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
独
(
ひと
)
り
雪路
(
ゆきみち
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
って、
茫然
(
ぼんやり
)
として
友
(
とも
)
だちらが
角力
(
すもう
)
を
取
(
と
)
ったり、
雪
(
ゆき
)
を
投
(
な
)
げ
合
(
あ
)
っているのを
見
(
み
)
ていたばかりです。
残された日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
岩と岩との
雪路
(
ゆきみち
)
を進んで行くので馬も余程慣れては居るが充分注意しないと谷間へ放り込まれてしまう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
しかし甚内は見返りもせず、さっさと
雪路
(
ゆきみち
)
を急いで行きます。いつかさし始めた月の光に
網代
(
あじろ
)
の
笠
(
かさ
)
を
仄
(
ほの
)
めかせながら、……それぎりわたしは二年の
間
(
あいだ
)
、ずっと甚内を見ずにいるのです。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いわば
元日
(
がんじつ
)
の
夜
(
よ
)
はこの
地方
(
ちほう
)
では、みんな
寝
(
ね
)
ないといってよいくらいで、
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
はもうにぎやかでありました。
幸作
(
こうさく
)
は
雪路
(
ゆきみち
)
を
歩
(
ある
)
いて
町
(
まち
)
へいきました。すると
金銀小判
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
畠
(
はたけ
)
二三枚、つい近い、
前畷
(
まえなわて
)
の夜の
雪路
(
ゆきみち
)
を、狸が葬式を
真似
(
まね
)
るように、陰々と火がともれて、人影のざわざわと通り過ぎたのは——
真中
(
まんなか
)
に戸板を
舁
(
か
)
いていた。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
日
(
ひ
)
は、いつになくいい
天気
(
てんき
)
でありましたうえに、まだ
日
(
ひ
)
もまったく
暮
(
く
)
れないから、
泊
(
と
)
まらないで
急
(
いそ
)
いで
村
(
むら
)
に
帰
(
かえ
)
ろうと
思
(
おも
)
って、いい
気持
(
きも
)
ちで
雪路
(
ゆきみち
)
を
帰
(
かえ
)
っていきました。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
風
(
かぜ
)
が
無
(
な
)
く、
雪路
(
ゆきみち
)
に
譬
(
たと
)
ひ
山中
(
さんちう
)
でも、
然
(
さ
)
までには
寒
(
さむ
)
くない、
踏
(
ふ
)
みしめるに
力
(
ちから
)
の
入
(
い
)
るだけ、
却
(
かへ
)
つて
汗
(
あせ
)
するばかりであつたが、
裾
(
すそ
)
も
袂
(
たもと
)
も
硬
(
こは
)
ばるやうに、ぞつと
寒
(
さむ
)
さが
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
ると、
山々
(
やま/\
)
の
影
(
かげ
)
がさして
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
雪路
(
ゆきみち
)
を
寒
(
さむ
)
さに
震
(
ふる
)
えながら
町
(
まち
)
までいって
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
って、
佐吉
(
さきち
)
は、また、
路
(
みち
)
をもどってまいりました。
酔っぱらい星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一々
委
(
くわ
)
しいことをお話しするにも当らなかったんだけれど、こっちへ入って、はじめて、この
明
(
あかる
)
い
灯
(
あかり
)
を見ると、何だか
雪路
(
ゆきみち
)
のことが夢のように思われたから、自分でもしっかり気を落着けるため
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
太郎
(
たろう
)
は
雪路
(
ゆきみち
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
って、
怖
(
おそ
)
ろしいけんまくをしてみせて
乙
(
おつ
)
をおどしました。
乙
(
おつ
)
は
大
(
おお
)
きな
声
(
こえ
)
をあげて
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しました。ちょうどそこへ、
乙
(
おつ
)
の
知
(
し
)
ったおじいさんが
通
(
とお
)
りかかったもので
雪の国と太郎
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
余り
可懐
(
なつか
)
しさに、うっかり
雪路
(
ゆきみち
)
を
上
(
のぼ
)
ったわ。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“雪”で始まる語句
雪
雪崩
雪駄
雪洞
雪隠
雪解
雪白
雪踏
雪舟
雪沓