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錠
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ぢやう
ふりがな文庫
“
錠
(
ぢやう
)” の例文
安井
(
やすゐ
)
は
門口
(
かどぐち
)
へ
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
して、
鍵
(
かぎ
)
を
裏
(
うら
)
の
家
(
うち
)
へ
預
(
あづ
)
けるとか
云
(
い
)
つて、
走
(
か
)
けて
行
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
は
待
(
ま
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
、
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
尋常
(
じんじやう
)
な
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その證據は、開けるには何うやら開けましたが、あとを閉める工夫が付かないので、金箱はそのまゝ
錠
(
ぢやう
)
をおろさずにあります
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして
錠
(
ぢやう
)
から鍵をとつて、二階へ上つていつた。階段も
手摺
(
てすり
)
も、樫の木で、階段に沿うた窓は、高くて格子になつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
卯平
(
うへい
)
は
先
(
ま
)
づ
勘次
(
かんじ
)
の
戸口
(
とぐち
)
に
近
(
ちか
)
づいた。
表
(
おもて
)
の
大戸
(
おほど
)
には
錠
(
ぢやう
)
がおろしてあつた。
鍵
(
かぎ
)
は
固
(
もと
)
より
勘次
(
かんじ
)
の
腰
(
こし
)
を
離
(
はな
)
れないことを
知
(
し
)
つて
卯平
(
うへい
)
は
手
(
て
)
も
掛
(
か
)
けて
見
(
み
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
警官は
叱責
(
こごと
)
やら、訓戒やらをがみ/\喚いて、やがて行つてしまつた。戸はばたりと閉つて、
錠
(
ぢやう
)
かぴんと下された。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
▼ もっと見る
添て
荷
(
にな
)
ひ不淨門へ向ひ屆ける
樣
(
やう
)
は今日用人平石次右衞門
老母儀
(
らうぼぎ
)
病死
(
びやうし
)
致候依て只今
菩提所
(
ぼだいしよ
)
へ送り申なり御門御通し下さるべしと
斷
(
ことわ
)
りけるに
當番
(
たうばん
)
の御小人目附は
錠
(
ぢやう
)
を明け駕籠を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
念
(
ねん
)
のため、
此處
(
こゝ
)
に、
竹行李
(
たけがうり
)
がある。ソレ、
錠
(
ぢやう
)
も
下
(
お
)
りるわ。
早
(
はや
)
く
其
(
そ
)
の
人參
(
にんじん
)
を
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れて、お
主
(
ぬし
)
、
天川屋
(
あまがはや
)
と
云
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
で、のつしと
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて
番
(
ばん
)
をして
居
(
ゐ
)
てくれい。
宜
(
い
)
いか、
宜
(
い
)
いかな。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
部屋にゐる間は
錠
(
ぢやう
)
をおろしてボーイを内へ入れないし、外へ出る時には、朝早くか、夜遲くか、人目の薄い時を見て、例の帽子とマスクで顏を隱して、弓を離れた矢のやうに、サツと飛び出すのです。
奇怪な客
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
燃えてひらくことなき
灰
(
はひ
)
の像、胸の
錠
(
ぢやう
)
——
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
ガチリ、
錠
(
ぢやう
)
を解きて廊下に出でぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
昼間から
錠
(
ぢやう
)
さす
門
(
かど
)
の落葉哉
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
醫者
(
いしや
)
は
少
(
すこ
)
し
呼吸器
(
こきふき
)
を
冒
(
をか
)
されてゐる
樣
(
やう
)
だからと
云
(
い
)
つて、
切
(
せつ
)
に
轉地
(
てんち
)
を
勸
(
すゝ
)
めた。
安井
(
やすゐ
)
は
心
(
こゝろ
)
ならず
押入
(
おしいれ
)
の
中
(
なか
)
の
柳行李
(
やなぎがうり
)
に
麻繩
(
あさなは
)
を
掛
(
か
)
けた。
御米
(
およね
)
は
手提鞄
(
てさげかばん
)
に
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かう云つて私は跪づいて、
裝填
(
さうてん
)
したピストルの
革帶
(
かはおび
)
の這入つてゐる鞄の
錠
(
ぢやう
)
を開けました、自殺する積りだつたのです。だがそんな心は一瞬間だけでした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
物置の戸は上總屋の庭の方に向いてゐるし、鍵も
錠
(
ぢやう
)
もないから、知つて居る者なら誰でも取り出せまさア
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
扉
(
ドア
)
の
錠
(
ぢやう
)
を下ろし、手に鍵を持つた儘立つて、私の一番いゝ生徒達の中の六人程に特別の別れの言葉を
交
(
かは
)
してゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「鍵や
錠
(
ぢやう
)
が苦もなく外すのは兎も角として、一丈も一丈二尺もある塀を飛越したり、
長押
(
なげし
)
を踏んで座敷へ忍び込んだり、とても女や子供に出來る藝當ぢや御座いません」
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
の夕方から、今朝の夜明けまでの間——間違ひもありません。昨夜は私が見廻つて、嚴重に
錠
(
ぢやう
)
をおろし、それから
他所
(
よそ
)
へ出かけました。今朝も私が一番先に見廻りました。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
梃
(
てこ
)
でも動かないと言ひ出し、離屋の窓々に頑丈な格子を打ち付け、四方の戸に
錠
(
ぢやう
)
をおろして、鍵は自分の手に持つたのが一つだけ、娘のお君の外には、誰も離屋に寄せつけ無い。
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金は皆んな土藏の中の恐ろしく巖乘な金箱に入れて、一々念入りに
錠
(
ぢやう
)
をおろしてある
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「主人はやかましい方で、一寸の出入りにも必ず扉を締めて
錠
(
ぢやう
)
をおろしました」
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二枚の嚴重な板戸は、内から
錠
(
ぢやう
)
がおりて、外からは開ける工夫もありません。
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この部屋に轉がつてゐるのを、下女のお今が見付けたといふことだよ。——その時この
樫
(
かし
)
の一枚戸には、
錠
(
ぢやう
)
がおりてゐたさうだ。鍵は姉娘のお里が持つてゐるだけといふから變ぢやないか」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仁三郎の
臍繰
(
へそくり
)
——そんなものが若しあつたとしたら、ろくに
鍵
(
かぎ
)
も
錠
(
ぢやう
)
もない、仁三郎の部屋へ忍び込んで、何とかして
奪
(
と
)
るのが本當で、
賽錢箱
(
さいせんばこ
)
の上に登らなければ取れない鈴の緒を引千切つて
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雨戸にも何んの異状もなく、庭の木戸も相變らず
錠
(
ぢやう
)
が
錆
(
さ
)
び付いたまゝです。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「裏木戸へ内外から
錠
(
ぢやう
)
をおろしたり、お糸の隣の家を一年借りたり、何しろ細工は細かいよ。その上、あの宗匠の内儀と見せたのは妹で、
妾
(
めかけ
)
のお糸は本當の女房、お喜代も惡者の一味だつたんだ」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「叶はねエなア、——兎も角、行つて見て下さいよ。ピカピカするやうな良い娘が、
錠
(
ぢやう
)
のおりた藏の中で、虫のやうに殺されてゐるんだ。世の中にはもつたいないことをする
獸物
(
けだもの
)
もあつたものですね」
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二重三重の締りを、外から何の苦もなく開け、千兩箱を二つ持出したのは人間業とも覺えない。多分これこそ、柏手を二つ三つ打つと、どんな
錠
(
ぢやう
)
でも開くといふ、矢の根五郎吉とやらの仕業であらう。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
錠
(
ぢやう
)
も鍵もありませんが」
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“錠(
錠前
)”の解説
錠前(じょうまえ、en: lock and key)とは、錠(じょう、en: lock ロック)と鍵(かぎ、en: key キー)をセットにしたものの総称。錠は扉などに取り付け開閉を妨げる機器を指す。鍵はそれを操作して解錠・施錠し開閉するための道具を指す。
(出典:Wikipedia)
錠
常用漢字
中学
部首:⾦
16画
“錠”を含む語句
手錠
大海老錠
錠前
海老錠
錠口
鉄錠
錠前屋
尾錠
南京錠
渡辺錠太郎
鰕錠
角錠
錠番
開錠
錠銀
開錠日
錠前直
錠二郎
銀錠
釘錠
...