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ちかづ
ふりがな文庫
“
近付
(
ちかづ
)” の例文
大きな
木
(
き
)
の
雁首
(
がんくび
)
を
指
(
ゆび
)
で
抑
(
おさ
)
へて、
二吹許
(
ふたふきばか
)
り濃い
烟
(
けむり
)
を
髭
(
ひげ
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
だ
)
したが、やがて又丸い
脊中
(
せなか
)
を向けて
画
(
ゑ
)
に
近付
(
ちかづ
)
いた。勝手な所を自由に塗つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いづれも
嬉
(
うれ
)
しさうにして、
舟
(
ふね
)
へ
近付
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
るのを、
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けるやうにして、
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
眞
(
ま
)
つ
先
(
さ
)
きに
舟
(
ふね
)
へ、
雪駄
(
せつた
)
の
足
(
あし
)
を
跨
(
また
)
ぎ
込
(
こ
)
んだ。
其
(
そ
)
の
途端
(
とたん
)
、
玄竹
(
げんちく
)
はいつにない
雷
(
らい
)
のやうに
高聲
(
たかごゑ
)
で、
叱咜
(
した
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
後
(
うし
)
ろから看護婦が草履の
音
(
おと
)
を立てゝ
近付
(
ちかづ
)
いて来た。三四郎は思ひ切つて戸を半分程
開
(
あ
)
けた。さうして
中
(
なか
)
にゐる女と顔を見合せた。(
片手
(
かたて
)
に
握り
(
ハンドル
)
を
把
(
も
)
つた儘)
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎は自分から進んで、
他
(
ひと
)
の機嫌を取つた事のない男である。女も
遠
(
とほ
)
ざかつたぎり
近付
(
ちかづ
)
いて
来
(
こ
)
ない。しばらくすると又立ち
上
(
あ
)
がつた。
窓
(
まど
)
から
戸外
(
そと
)
をすかして見て
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
近付
(
ちかづ
)
いて、
此
(
この
)
揉苦茶
(
もみくちや
)
になつた
紙
(
かみ
)
の
下
(
した
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
覺
(
おぼ
)
えず
苦笑
(
くせう
)
した。
下
(
した
)
には
大便
(
だいべん
)
が
垂
(
た
)
れてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
やがて
寂寞
(
せきばく
)
の
中
(
うち
)
に、
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
初
(
はじめ
)
は
微
(
かす
)
かに
響
(
ひゞ
)
いたが、
次第
(
しだい
)
に
強
(
つよ
)
く
床
(
ゆか
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
宗助
(
そうすけ
)
の
坐
(
すわ
)
つてゐる
方
(
はう
)
へ
近付
(
ちかづ
)
いて
來
(
き
)
た。
仕舞
(
しまひ
)
に
一人
(
ひとり
)
の
僧
(
そう
)
が
廊下口
(
らうかぐち
)
からぬつと
現
(
あらは
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生は彼の風変りのところや、もう
鎌倉
(
かまくら
)
にいない事や、色々の話をした末、日本人にさえあまり
交際
(
つきあい
)
をもたないのに、そういう外国人と
近付
(
ちかづ
)
きになったのは不思議だといったりした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
の事か
善
(
よ
)
く聴き取れなかつたが、声は
慥
(
たしか
)
に、平岡と三千代であつた。
話声
(
はなしごえ
)
はしばらくで
歇
(
や
)
んで仕舞つた。すると又足音が椽側迄
近付
(
ちかづ
)
いて、どさりと尻を
卸
(
おろ
)
す
音
(
おと
)
が手に取る様に
聞
(
きこ
)
えた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
同時
(
どうじ
)
に
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
此方
(
こちら
)
へ
近付
(
ちかづ
)
く
足音
(
あしおと
)
がした。
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けた
男
(
をとこ
)
は
又
(
また
)
廊下口
(
らうかぐち
)
から
現
(
あら
)
はれて、
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まゝ
)
玄關
(
げんくわん
)
を
下
(
お
)
りて、
霜
(
しも
)
の
裡
(
うち
)
に
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
つた。
入
(
い
)
れ
代
(
かは
)
つて
又
(
また
)
新
(
あた
)
らしい
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
つて、
最前
(
さいぜん
)
の
鐘
(
かね
)
を
打
(
う
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近頃
近寄
近々
近習
近衛
近傍
近郷