街燈がいとう)” の例文
新字:街灯
つばめは、こう物語ものがたったのであります。街燈がいとうよるになったときに、ふたたび、このことをおどっている人形にんぎょうはなしました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
街燈がいとうはともっていた。わたしは長いこと歩いてノートル・ダームのお寺へ行って、マチアに会うことにした。わたしは元気がすっかりなくなっていた。
大きな岩と見えたのは、人間の家ではありませんか。そして、島ぜんたいは一つの市で、金色にキラキラ光っていたところは、街燈がいとうやあかるいまどガラスなのです。
その表情が街燈がいとうの光をななめに受けていかにもなまめかしくまた愛くるしく、重吉の眼に映じた。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
表の電信柱にある街燈がいとう灯先ほさきが窓ガラスに映っているので、部屋の中はお互の顔や着物が見分けられるほどもやもやと明るく、ナオミが熊谷の首をまたいで、自分の布団へ飛び降りた刹那せつな
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
大股おおまたにその街燈がいとうの下を通りぎたとき、いきなりひるまのザネリが、新しいえりのとがったシャツをて、電燈でんとうこうがわくら小路こうじから出て来て、ひらっとジョバンニとすれちがいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
成程なるほど覺束おぼつかない、もののかたちも、たゞひとあかりかげなのである……心着こゝろづくと、便たよりないいろながら、ちからには、そろつてえた街燈がいとうが、時々とき/″\ぎら/\とひかりさへする——もやいきいてまたゝうち
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
町の街燈がいとう——
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
よるになると、街燈がいとうが、みせさきでともりました。そのひかりは、ちょうど、おどっている人形にんぎょうのところへとどきました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちは郊外こうがいへ出ていた。もう往来おうらいの人も巡査じゅんさ街燈がいとうも見えない。ただ窓明まどあかりがそこここにちらちらして、頭の上には黒ずんだ青空に二、三点星が光っているだけであった。
空気はみきって、まるで水のように通りや店の中をながれましたし、街燈がいとうはみなまっ青なもみやならえだつつまれ、電気会社の前の六本のプラタナスの木などは、中にたくさんの豆電燈まめでんとうがついて
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
さむかぜが、つじにっている街燈がいとうをかすめて、どこからか、れたささのおとなどがみみにはいりました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
さかの下に大きな一つの街燈がいとうが、青白く立派りっぱに光って立っていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あくるばん街燈がいとうは、このことをおどっている人形にんぎょうはなしました。これをくと人形にんぎょうは、がっかりしました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少女しょうじょは、くらそとほうして、まち方向ほうこうをおじいさんにおしえました。ところどころにいている街燈がいとうひかりえるだけで、あとはかぜおとこえるばかりでした。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらにともっている街燈がいとうひかりが、わずかに、さむかぜなかただよってきて、このかみのほつれた、あわれなおんなを、やみのうちに、ほんのりとすようにらしているばかりなので
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)