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荒野
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あれの
ふりがな文庫
“
荒野
(
あれの
)” の例文
三里の
荒野
(
あれの
)
を
跋渉
(
ばっしょう
)
して、目に見ゆるもの、手に立つもの、
対手
(
あいて
)
が人類の形でさへなかつたら、覚えの
狙撃
(
ねらいうち
)
で
射
(
い
)
て取らうと言ふのであるから。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ガリレヤに、弟ピリポ、イツリヤとトラコニチスとに、リサニヤスはアビレナに
分封
(
わけもち
)
の
王
(
きみ
)
たりし世、
荒野
(
あれの
)
のヨハネに
御言葉
(
みことば
)
の
降
(
くだ
)
りし時の如し。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
伝
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く
聖約翰
(
せいヨハネ
)
は
荒野
(
あれの
)
の
蝗虫
(
いなご
)
を
食
(
しよく
)
にされたとか、それなら
余程
(
よほど
)
食
(
た
)
べずばなるまい。
尤
(
もつと
)
も
約翰様
(
ヨハネさま
)
と
吾々風情
(
われわれふぜい
)
とは
人柄
(
ひとがら
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
ですから、いま申し上げた
荒野
(
あれの
)
の意味がお判りになれば、これ以上何も申し上げることはないのでございます
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
迷信は彼等を禁籠する
囚宰
(
しうさい
)
となり、弱志弱意は彼等を枯死せしむる
荒野
(
あれの
)
となり、彼等をして人間の霊性を
放擲
(
はうてき
)
して、
自
(
みづか
)
ら甘んじて眼前の権勢に屈従せしむるに至りぬ。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
されどその民の土やせて石多く風
勁
(
つよ
)
く水少なかりしかば、
聖者
(
ひじり
)
がまきしこの
言葉
(
ことのは
)
も
生育
(
そだつ
)
に由なく、花も咲かず実も結び得で枯れうせたり。しかしてその国は
荒野
(
あれの
)
と変わりつ。
詩想
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして、この
荒野
(
あれの
)
を
越
(
こ
)
して
山
(
やま
)
をあちらにまわれば、
隣
(
となり
)
の
国
(
くに
)
へ
出
(
で
)
る
近道
(
ちかみち
)
があったのです。もうこちらの
国
(
くに
)
も
思
(
おも
)
わしくないとみえて、その
人
(
ひと
)
たちは、
隣
(
となり
)
の
国
(
くに
)
へゆこうとしたのでしょう。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何しろあれだけ大きな建物がなくなってしまった事とて境内は
荒野
(
あれの
)
のように広々として重苦しい夕風は真実無常を誘う風の如く
処
(
ところ
)
を
得顔
(
えがお
)
に勢づいて吹き廻っているように思われた。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その頂上の
縊
(
くび
)
れ目に、
斜
(
ななめ
)
に付いた太い眉と、魚の形の長い眼と、
削
(
けず
)
ったような高い鼻と、なかば開いた唇とを持った、能面が載っているということは——しかも暗夜の
荒野
(
あれの
)
の中を
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あやまって水を床にこぼしたりすれば、じきそれが凍りついてしまうのでした。広い
荒野
(
あれの
)
は雪に埋れて、ネルロのきゃしゃな手足は痺れパトラッシュの頑丈な脚も氷柱で傷ができました。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
こんなさびしい
荒野
(
あれの
)
にまで入りこんでくるようなことはありません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「お
上人
(
しやうにん
)
、そんな
荒野
(
あれの
)
にも秋が来ますと、虫が鳴きませうな。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一体誰がこの俺を、こんな
荒野
(
あれの
)
に連れて来た。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
われは
荒野
(
あれの
)
の
尻
(
しり
)
に立てり。
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
荒野
(
あれの
)
に迷ふ
船乘
(
ふなのり
)
の愁
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
荒野
(
あれの
)
に嘆く牝馬かな
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
荒野
(
あれの
)
の果てに
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
東西も
弁
(
わきま
)
えぬこの
荒野
(
あれの
)
とも存ずる空に、また、あの
怪鳥
(
けちょう
)
の鳶の無気味さ。早や、既に
立窘
(
たちすく
)
みにもなりましょうず処——
令嬢
(
おあねえさま
)
お姿を見掛けましたわ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今夜
(
こんや
)
はたまらないのだと
思
(
おも
)
って、
黙
(
だま
)
って
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ていますと、おおかみは、
急
(
きゅう
)
に
腹
(
はら
)
だたしそうに、もう一
度
(
ど
)
高
(
たか
)
い
声
(
こえ
)
で
叫
(
さけ
)
びをあげると、
荒野
(
あれの
)
を一
目散
(
もくさん
)
に、あちらへと
駆
(
か
)
けていってしまったのです。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
荒野
(
あれの
)
の吐息
雜
(
まじ
)
り、夕されば風
戰
(
そよ
)
ぐ
高木
(
かうぼく
)
の
搖
(
ゆる
)
ぎも加はるその
聲
(
こゑ
)
よりも繁きは
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
「広い
荒野
(
あれの
)
でな、西も東も判りませんぢやて。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
荒野
(
あれの
)
をわれは横ぎりぬ。
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
眼には
荒野
(
あれの
)
の石より他に
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
荒野
(
あれの
)
の空に嘆けばか
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
荒野
(
あれの
)
のすがた
極楽とんぼ
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
峰の松を
目的
(
めじるし
)
に、
此方
(
こなた
)
の道の分れ口、一むら
薄
(
すすき
)
立枯れて、
荒野
(
あれの
)
の草の
埋
(
うも
)
れ井に、
朦朧
(
もうろう
)
として
彳
(
たたず
)
むごとき、
双
(
ふたつ
)
の影ありと見えたるにも、
猶予
(
ためら
)
わず
衝
(
つ
)
と寄った。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
荒野
(
あれの
)
またすべて
空
(
くう
)
なる物に住まふ不淨の氣ここに漂ふ。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
広い
荒野
(
あれの
)
のその只中に
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
荒野
(
あれの
)
の果てに
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
装束
澄
(
すま
)
いて
床几
(
しょうぎ
)
を離れ、揚幕を切って!……出る! 月の
荒野
(
あれの
)
に
渺々
(
びょうびょう
)
として化法師の狐ひとつ、風を吹かして通ると
思
(
おぼ
)
せ。いかなこと土間も
桟敷
(
さじき
)
も正面も、ワイワイがやがやと云う……縁日同然。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
媼は見返りもしないで、
真向
(
まっこう
)
正面に
渺々
(
びょうびょう
)
たる
荒野
(
あれの
)
を控へ
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何となく
荒野
(
あれの
)
の中の
磔柱
(
はりつけばしら
)
ででもあるやうに思つた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
台所を、どどんがたがた、鼠が
荒野
(
あれの
)
と
駈廻
(
かけまわ
)
る。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“荒野”の意味
《名詞》
荒野(こうや)
荒れた野原のこと。
(出典:Wiktionary)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
“荒野”で始まる語句
荒野原
荒野猪
荒野二者雖有