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脇目
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わきめ
ふりがな文庫
“
脇目
(
わきめ
)” の例文
で彼は日曜のいい天気なるにもかかわらず何の本か、
脇目
(
わきめ
)
もふらないで読んでいるので、僕はそのそばに行って
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「先生は皆一生懸命ですよ。少し
脇目
(
わきめ
)
でもしていようものなら呶鳴りつけられますから、油断も隙もありません」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
大きなお社の鳥居の脇にはお百度石という石が立っていて、手に
数取
(
かずと
)
りの
紙縒
(
かみより
)
や竹の
串
(
くし
)
をもって、
脇目
(
わきめ
)
も振らずにそこと社殿とのあいだを、
往
(
ゆ
)
き返りする人を毎度見かける。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼はいつもここの世界には不似合いな平然たる顔つきをし、運動の時にはもう長い間、何回も歩き慣れた道のように、さっさと
脇目
(
わきめ
)
もふらずかの花園の間の細道を歩くのである。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はすぐに
自分自身
(
じぶんじしん
)
のために、また
子供達
(
こどもたち
)
の
爲
(
ため
)
めに
働
(
はたら
)
かなければならなかつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
間
(
ま
)
もなく
親戚
(
しんせき
)
に
子供
(
こども
)
を
預
(
あづ
)
けて
土地
(
とち
)
の
病院
(
びやうゐん
)
に
勤
(
つと
)
める
身
(
み
)
となつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
脇目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
真綿は
繭
(
まゆ
)
を
曹達
(
ソーダ
)
でくたくた煮て
緒
(
いとぐち
)
を
撈
(
さぐ
)
り、水に
晒
(
さら
)
して
蛹
(
さなぎ
)
を取り
棄
(
す
)
てたものを、板に
熨
(
の
)
して
拡
(
ひろ
)
げるのだったが、彼女は
唄
(
うた
)
一つ歌わず青春の甘い夢もなく、
脇目
(
わきめ
)
もふらず働いているうちに
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
盆前よりかけて暑さの時分をこれが時よと大汗になりての勉強せはしなく、
揃
(
そろ
)
へたる
籘
(
とう
)
を天井から釣下げて、しばしの手数も省かんとて数のあがるを楽しみに
脇目
(
わきめ
)
もふらぬ様あはれなり。
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何か浅草に
嫌悪
(
けんお
)
と
軽蔑
(
けいべつ
)
の、そして幾分恐怖の背を向けて、——そのように、停車場と国際劇場の間を直線的に、さっさと
脇目
(
わきめ
)
もふらずに往復していて、六区の方へ一向にそれようとせず
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
しかし岸本はもっと広い自由な世界をめがけて
脇目
(
わきめ
)
もふらずに急ごうとした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
街
(
まち
)
には電燈がついた。
四辻
(
よつつじ
)
はひとしきり工場から吐き出される職工等の
足埃
(
あしぼこり
)
で
狭霧
(
さぎり
)
に襲はれたやうにけむつた。彼は波止場から宿の方へ急いだ。さつさと町の片側を
脇目
(
わきめ
)
もふらず歩いて行つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
二時間のあいだ我々は
脇目
(
わきめ
)
もふらずに掘った。ほとんどものも言わなかった。いちばん困ったことは犬のきゃんきゃん
啼
(
な
)
きたてることだった。犬は我々のしていることを非常に面白がっているのだ。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
今さらどのような事があろうと
脇目
(
わきめ
)
を振る気はないんですから
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
二人の戦士は、
脇目
(
わきめ
)
もふらず、標識灯を守りつづけている。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ば後になし歸ると聞し
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
も歸らぬ旅に
行
(
ゆく
)
空
(
そら
)
の西の久保より
赤羽
(
あかばね
)
の川は三
途
(
づ
)
としら
壁
(
かべ
)
の
有馬
(
ありま
)
長家も打過て六堂ならねど
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
脇目
(
わきめ
)
も
振
(
ふら
)
ず急ぎしか此程
高輪
(
たかなわ
)
よりの出火にて愛宕下通り
新
(
あたら
)
し橋邊まで一圓に
燒原
(
やけはら
)
となり
四邊
(
あたり
)
曠々
(
くわう/\
)
として
物凄
(
ものすご
)
く雨は次第に
降募
(
ふりつの
)
り目先も知ぬ
眞
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
漸々
(
やう/\
)
にして
歩行
(
あゆみ
)
ける折しも
響
(
ひゞ
)
く
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
盆前
(
ぼんまへ
)
よりかけて
暑
(
あつ
)
さの
時分
(
じぶん
)
をこれが
時
(
とき
)
よと
大汗
(
おほあせ
)
になりての
勉強
(
べんきやう
)
せはしなく、
揃
(
そろ
)
へたる
籘
(
とう
)
を
天井
(
てんぜう
)
から
釣下
(
つりさ
)
げて、しばしの
手數
(
てすう
)
も
省
(
はぶ
)
かんとて
數
(
かず
)
のあがるを
樂
(
たの
)
しみに
脇目
(
わきめ
)
もふらぬ
樣
(
さま
)
あはれなり。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
脇
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“脇”で始まる語句
脇
脇差
脇息
脇腹
脇侍
脇指
脇士
脇明
脇屋
脇立