“籘”の読み方と例文
読み方割合
とう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
剃刀はありふれた床屋使ひの品、のところにとうを卷いて、ぎ減らしてありますが、なかなかよく切れさうです。
門口より見るに、土間の中央にとうを折りべて火を燃やし、大いなる鐵のなべりたり。その下に火を吹く童ありて、こなたへ振り向くを見ればピエトロなり。
盆前よりかけて暑さの時分をこれが時よと大汗になりての勉強せはしなく、そろへたるとうを天井から釣下げて、しばしの手数も省かんとて数のあがるを楽しみに脇目わきめもふらぬ様あはれなり。
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)