はい)” の例文
もうもうとうずまく砂ほこりをはいの中に吸って、暮したのがよくなかったらしく、夕方には熱が出、はげしいせきが出るようになった。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かんしんはいじんの五臓は、五志、五気、五声にあらわれて、色にもで、ことばにも隠せぬものでおざる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はいはうから病人びやうにんなのですがな。』とハヾトフは小聲こごゑふた。『や、わたし聽診器ちやうしんきわすれてた、つてますから、ちよつ貴方あなた此處こゝでおください。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ゆきよりしろく、透通すきとほむねに、すや/\といきいた、はいなやむだ美女たをやめ臨終いまはさまが、歴々あり/\と、あはれ、くるしいむなさきの、ゑりみだれたのさへしのばるゝではないか。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれど、心臓しんぞうただしくっており、はいつよ呼吸こきゅうをし、どこひとつとしてくるっているところはないばかりか、すこしも精神病者せいしんびょうしゃらしいところもうけなかったのです。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
其時そのときかれ自分じぶん呼吸こきふする空氣くうきさへ灰色はひいろになつて、はいなか血管けつくわんれるやうがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まち小學校せうがつかう校長かうちやうをしてゐた彼女かのぢよをつとは、一年間ねんかんはいんで、そして二人ふたり子供こどもわかつま手許てもとのこしたまゝんでいつた。のこつたものは彼女かのぢよおも責任せきと、ごくわづかなたくはへとだけであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
諭吉ゆきち医者いしゃしぼうではないからいきませんでしたが、じゅくから七、八にんがそろってでかけていって、かいぼうにとりかかり、これがしんぞうで、これがはい、これがかんぞうだ、とせつめいしてやると
ドノバンの呼吸は微弱びじゃくである、もしはい影響えいきょうするとだいじになる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
はいみて
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それと、五十五の坂にかかった人間の生理的な焦躁とか、我慢のおとろえとか、かんしんじんはいの五臓の衰気も多分に手伝うていることは疑いもない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はいほうから病人びょうにんなのですがな。』とハバトフは小声こごえうた。『や、わたし聴診器ちょうしんきわすれてた、ってますから、ちょっと貴方あなたはここでおください。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)