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給仕
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きゅうじ
ふりがな文庫
“
給仕
(
きゅうじ
)” の例文
敬二は
寝衣
(
ねまき
)
をかなぐりすてると、
金釦
(
きんボタン
)
のついた半ズボンの服——それはこの東京ビルの
給仕
(
きゅうじ
)
としての制服だった——を
素早
(
すばや
)
く着こんだ。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
優が登庁すると、その使役する
給仕
(
きゅうじ
)
は故旧
中田
(
なかだ
)
某の子
敬三郎
(
けいざぶろう
)
である。優が推薦した所の県吏には、十五等出仕松本
甲子蔵
(
きねぞう
)
がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
案内者
(
あんないしゃ
)
は
例
(
れい
)
のりっぱな帳場の前についであった一ぱいの酒をがぶ飲みにして、それから
給仕
(
きゅうじ
)
の男に自分の行こうとする場所の方角を聞いた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「後醍醐のお身まわりを、もっと、
弛
(
ゆる
)
やかにせよとか、また
給仕
(
きゅうじ
)
の
公卿人
(
くげびと
)
をふやせの、朝夕の
供御
(
くご
)
をよくせよなどとは、一体、誰が命じたか」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、それにもかかわらず、世間は盛んに
嘖々
(
さくさく
)
して歓迎し、『東朝』編輯局は主筆から
給仕
(
きゅうじ
)
に到るまでが
挙
(
こぞ
)
って感歎した。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
高木春葉君は、美術学校の
給仕
(
きゅうじ
)
であったが、日曜ごとに稽古に参り、相当物になった処で、残念ながら病死しました。
幕末維新懐古談:79 その後の弟子の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「あたくしねえ、
給仕
(
きゅうじ
)
は、年の若い、ちいさい綺麗な男の子がすきです。汚ない、
不骨
(
ぶこつ
)
な大きな手が、お皿と一緒につきだされると、まずくなる。」
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ボーイはぎょっとして飛んでもない事をしたというふうに、すぐ慎み深い
給仕
(
きゅうじ
)
らしく、そこそこに
部屋
(
へや
)
を出て行った。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
飯
(
めし
)
になった時、奥さんは
傍
(
そば
)
に
坐
(
すわ
)
っている
下女
(
げじょ
)
を次へ立たせて、自分で
給仕
(
きゅうじ
)
の役をつとめた。これが表立たない客に対する先生の家の
仕来
(
しきた
)
りらしかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眼の
凹
(
くぼ
)
い、鮫の歯の様な短い
胡麻塩
(
ごましお
)
髯
(
ひげ
)
の七右衛門爺さんが、
年増
(
としま
)
の婦人と共に甲斐〻〻しく立って
給仕
(
きゅうじ
)
をする。一椀をやっと食い終えて、すべり出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
薪炭屋
(
しんたんや
)
の
勇蔵
(
ゆうぞう
)
は、いよいよ
昼間
(
ひるま
)
は
役所
(
やくしょ
)
の
給仕
(
きゅうじ
)
を
勤
(
つと
)
めて、
夜
(
よる
)
は、
勉強
(
べんきょう
)
をするため、
学校
(
がっこう
)
へいくことになりました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正木のお祖母さんに促されて、お芳はすぐお
酌
(
しゃく
)
やお
給仕
(
きゅうじ
)
をはじめ、茶の間や台所にも何度かやって来た。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
今はクウという語が失敬になって、そのかわりにひろく用いられているが、もとは
目上
(
めうえ
)
の人に向かっていったものですなわちお
給仕
(
きゅうじ
)
をする者のある食事がメシであった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と
言
(
い
)
いながら、すぐにお
膳
(
ぜん
)
の
前
(
まえ
)
に
座
(
すわ
)
りました。そして、たぬきのおばあさんのお
給仕
(
きゅうじ
)
で
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
隣室
(
りんしつ
)
の法学生ともいく度か話をした。とにかく人の話をおもしろく聞かれるようになった。
給仕
(
きゅうじ
)
の下女に
愛想
(
あいそ
)
の一言もいうようになった。同級生に知り合いができて訪ねてくる。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
赤い
襟
(
えり
)
を見せた
給仕
(
きゅうじ
)
の女中を前に置いて、寿平次はそんなことを言い出した。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さて、ふたりは、
鏡
(
かがみ
)
の
間
(
ま
)
に出て行きました。そこで
夕飯
(
ゆうはん
)
の
食卓
(
しょくたく
)
について、王女づきの
女官
(
じょかん
)
たちがお
給仕
(
きゅうじ
)
に立ちました。そのあいだ、バイオリンだの、
木笛
(
きぶえ
)
だのが、百年まえの古い
曲
(
きょく
)
をかなでました。
眠る森のお姫さま
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
おまけに
給仕
(
きゅうじ
)
がテーブルのはじの方で新らしいお酒の
瓶
(
びん
)
を
抜
(
ぬ
)
いたときなどは山男は手を長くながくのばして
横
(
よこ
)
から
取
(
と
)
ってしまってラッパ呑みをはじめましたのでぶるぶるふるえ出した人もありました。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
食堂車
給仕
(
きゅうじ
)
田中嬢に贈る。先年大負傷をせし由。
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ただ
給仕
(
きゅうじ
)
をする女手が足りないのに困りました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
丁坊はもうホテルの
給仕
(
きゅうじ
)
をやめてしまって、立派な飛行機博士になるために、いまでは上の学校へ通って勉強をしている。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
十九でいながら十七にも十六にも見れば見られるような
華奢
(
きゃしゃ
)
な
可憐
(
かれん
)
な姿をした葉子が、慎みの中にも才走った
面影
(
おもかげ
)
を見せて、
二人
(
ふたり
)
の妹と共に
給仕
(
きゅうじ
)
に立った。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
威海衛
(
いかいえい
)
で毒を仰いで死んだ清国の提督、
丁汝昌
(
ていじょしょう
)
の恋人とうたわれたおしかさん、座っている老女は、紅葉館創立以来のお
給仕
(
きゅうじ
)
の総指揮役で、後見役のおやすさん。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
わたしたちは
相変
(
あいか
)
わらずぼろぼろの旅仕度であったが、ホテルでは黒の礼服に白のネクタイをした
給仕
(
きゅうじ
)
に
案内
(
あんない
)
をされた。かれはわたしたちを
居間
(
いま
)
へ
連
(
つ
)
れて行った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「もうこっちへ引き取って、
給仕
(
きゅうじ
)
でも何でもさせるからそう思うがいい」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
昼間
(
ひるま
)
は、
会社
(
かいしゃ
)
の
給仕
(
きゅうじ
)
をして、
夜
(
よる
)
学校
(
がっこう
)
へいっているといっていた。」
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
給仕
(
きゅうじ
)
に来た女中に五百が問うと、女中はいった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と、
給仕
(
きゅうじ
)
しながら言った。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
食堂の
衝立
(
ついたて
)
の蔭から、瞳の青い、
体
(
からだ
)
の大きい
給仕
(
きゅうじ
)
がとびだしてきたが、博士を見ると、直立不動の姿勢をとって
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また幾千金にかえられた
堆朱
(
ついしゅ
)
のくり盆に、接待
煎餅
(
せんべい
)
を盛って
給仕
(
きゅうじ
)
が運んでおったのもその頃であった。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あちらこちらと
働
(
はたら
)
き回って、ご
亭主
(
ていしゅ
)
のお
給仕
(
きゅうじ
)
ばかりしていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
カフェーの
給仕
(
きゅうじ
)
気分と、いにしえの太夫の気分とを集めたものへ、芸妓の
塩梅
(
あんばい
)
と、奥女中のとりなしとを加減して、そのころの紳士の慰楽の園としようとした
目論見
(
もくろみ
)
で、お
振袖
(
ふりそで
)
を着せて舞わせもし
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
給仕
(
きゅうじ
)
はもったいぶって
部屋
(
へや
)
を出て行った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
“給仕”の意味
《名詞》
給仕(きゅうじ)
食事の場で飲食の世話をすること。その人。
(古)会社などで雑用をする人。
(出典:Wiktionary)
“給仕”の解説
給仕(きゅうじ)は、食事時にそばに控えて、飲食物をテーブルに出すなど飲食の世話をすることである。また、給仕人(給仕をする人)のことも給仕と呼ぶ。
飲食店では従業員(ウェイター等)が、家庭などでは使用人がおこなう。
広義には、食事に限らず、雑用を任されることを意味する。
(出典:Wikipedia)
給
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“給仕”で始まる語句
給仕人
給仕女
給仕頭
給仕服
給仕男
給仕君
給仕役
給仕盆
給仕長
給仕人共