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盲目縞
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めくらじま
ふりがな文庫
“
盲目縞
(
めくらじま
)” の例文
小僧さんのする
盲目縞
(
めくらじま
)
の真黒な前かけでもあることか、紫地に桜の花がらんまんと咲いて、裏には
紅絹
(
もみ
)
のついているちりめんのチョン髷
旧聞日本橋:11 朝散太夫の末裔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
黒いところはすっかり洗い落されて、昔に変るのは
茶筅
(
ちゃせん
)
を
押立
(
おった
)
てた頭が
散切
(
ざんぎり
)
になっただけのこと。
身体
(
からだ
)
には
盲目縞
(
めくらじま
)
の筒袖を着ていました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宇太松の出してくれた
盲目縞
(
めくらじま
)
の
袷
(
あわせ
)
、腹掛け、股引、お竹は灯に背いて手早くそれを着ると、手拭で頭を包んで、白足袋にわらじをはきました。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あるじの国太郎は三十五六のお坊っちゃん上り、
盲目縞
(
めくらじま
)
の
半纏
(
はんてん
)
の上へ短い
筒袖
(
つつそで
)
の
被布
(
ひふ
)
を着て、帳場に片肘かけながら
銀煙管
(
ぎんぎせる
)
で煙草を
喫
(
す
)
っている。
とと屋禅譚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「桜島さ、先ず。小川君のお説に従ってね。桜島、
溶岩
(
ラバ
)
が流れて
盲目縞
(
めくらじま
)
、くっきり青き袴腰かな。何うだね?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
墓石を造っている石屋があれば、今年八十歳の高齢だからというので、他に頼まれて
盲目縞
(
めくらじま
)
の財布を朝から晩まで縫っている頭巾を被った老婆が住んでいる。
薔薇と巫女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
盲目縞
(
めくらじま
)
の股引をはき、ぢゝむさいメリヤスのシヤツの上に背中で十文字になつた腹掛をしてゐるのが、窮屈さうに見えるくらい、いかにも頑丈な身体つきである。
勲章
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
古びた
上被
(
うはつぱり
)
、茶色の帯、
盲目縞
(
めくらじま
)
の
手甲
(
てつかふ
)
、編笠に日を
避
(
よ
)
けて、身体を前後に動かし乍ら、
踖々
(
せつせ
)
と稲の穂を
扱落
(
こきおと
)
して居る。信州北部の女はいづれも
強健
(
つよ
)
い気象のものばかり。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、
裾
(
すそ
)
のほうには女でも山国のものは
穿
(
は
)
く、もんぺという
盲目縞
(
めくらじま
)
の足ごしらえ、
尻
(
しり
)
の切れた
藁草履
(
わらぞうり
)
が、いっそうこの女の人の
境遇
(
きょうぐう
)
を、いたいたしく感じさせていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五尺そこそこの
矮躯
(
わいく
)
に紺の脚絆、一枚引っかけた
盲目縞
(
めくらじま
)
長ばんてん、刀の下緒のような
真田紐
(
さなだひも
)
を帯代りにちょっきり結んで、なるほど両脚が釘抜のように内側へ曲がっている。
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
誰れが来て無理やりに手を取つて引上げても己れは
此処
(
ここ
)
にかうしているのが好いのだ、傘屋の油引きが一番好いのだ、どうで
盲目縞
(
めくらじま
)
の
筒袖
(
つつそで
)
に三尺を
脊負
(
しよ
)
つて
産
(
で
)
て来たのだらうから
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
着附
(
きつけ
)
は
盲目縞
(
めくらじま
)
の腹掛の上に、紫の肩いれある、紺と白とのらんたつの
銘撰
(
めいせん
)
に、
絳絹裏
(
もみうら
)
をつけ、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の襟かけたるを着、紺の白木の三尺を締め、
尻端折
(
しりはしょり
)
し、上に盲目縞の
海鼠襟
(
なまこえり
)
の
合羽
(
かっぱ
)
に
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
柏屋の手代はこう云いながら、季節は七月の夏だというに
盲目縞
(
めくらじま
)
の
袷
(
あわせ
)
を一着なし、風呂敷包みを引っ抱えた、陽焼けた皮膚に髯だらけの顔、ノッソリとした山男のようなそのお客様を見守った。
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは
撞木杖
(
しゅもくづえ
)
を左の脇の下にあてがって、頭には
竹笠
(
たけがさ
)
を
被
(
かぶ
)
って、身には
盲目縞
(
めくらじま
)
の
筒袖
(
つつそで
)
の
袷
(
あわせ
)
一枚ひっかけたきりで、風呂敷包を一つ首ねっこに
結
(
ゆわ
)
いつけて
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
盲目縞
(
めくらじま
)
の
股引
(
ももひき
)
をはき、じじむさいメリヤスのシャツの上に背中で十文字になった
腹掛
(
はらがけ
)
をしているのが、窮屈そうに見えるくらい、いかにも頑丈な身体つきである。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
よく三吉も洗濯物を
抱
(
かか
)
えて訪ねて行くと、
盲目縞
(
めくらじま
)
の前垂を掛けた宗蔵がニコニコして出て来て、
莚包
(
こもづつみ
)
の荷物の置いてある店の横で、互に蔵の壁に
倚凭
(
よりかか
)
りながら、少年らしい言葉を
取換
(
とりかわ
)
した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
男の子は日清戦争後、めくらじまの
上
(
うわ
)
っぱりを着るようになって
筒袖
(
つつそで
)
になった。やっぱり
盲目縞
(
めくらじま
)
の(黒無地の木綿)前垂れをしめている。小僧さんが筒袖になったのはそれよりずっとあとだ。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何故
(
なぜ
)
でもしない、
誰
(
だ
)
れが
來
(
き
)
て
無理
(
むり
)
やりに
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
引上
(
ひきあ
)
げても
己
(
お
)
れは
此處
(
こゝ
)
に
斯
(
か
)
うして
居
(
ゐ
)
るのがいゝのだ、
傘屋
(
かさや
)
の
油引
(
あぶらひ
)
きが
一番
(
いちばん
)
好
(
い
)
いのだ、
何
(
ど
)
うで
盲目縞
(
めくらじま
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
に
三尺
(
さんじやく
)
を
脊負
(
しよ
)
つて
産
(
で
)
て
來
(
き
)
たのだらうから
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
盲目縞
(
めくらじま
)
の
長袢纒
(
ながはんてん
)
、首に豆絞りを結んでいる。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
道庵がしゃれて
褄折笠
(
つまおりがさ
)
に
被布
(
ひふ
)
といういでたち。米友は竹の笠をかぶり、例の
素肌
(
すはだ
)
に
盲目縞
(
めくらじま
)
一枚で、足のところへ申しわけのように
脚絆
(
きゃはん
)
をくっつけたままです。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
霙
(
みぞれ
)
は
蕭々
(
しと/\
)
降りそゝいで居た。橇曳は
饅頭笠
(
まんぢゆうがさ
)
を冠り、
刺子
(
さしこ
)
の手袋、
盲目縞
(
めくらじま
)
の股引といふ風俗で、一人は梶棒、一人は後押に成つて、互に呼吸を合せ
乍
(
なが
)
ら曳いた。『ホウ、ヨウ』の掛声も起る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
素肌に
盲目縞
(
めくらじま
)
の筒袖一枚以上を身に
纏
(
まと
)
うことを必要としないように出来ているし、夜分に於ても、それ以上の夜具があってもよし、なくてもよいことになっているが
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こういう土地柄ですから、女がどんな労働をしているか、
大凡
(
おおよそ
)
の想像はつきましょう。男を助けて外で
甲斐々々
(
かいがい
)
しく働く時の風俗は、
股引
(
ももひき
)
、
脚絆
(
はばき
)
で、
盲目縞
(
めくらじま
)
の
手甲
(
てっこう
)
を
着
(
は
)
めます。
冠
(
かぶ
)
りものは編笠です。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もう
袷
(
あわせ
)
を重ねようという時分に、素肌に
盲目縞
(
めくらじま
)
の
単衣
(
ひとえ
)
で元気よく、人並より背のひょろ高い道庵のあとを、
後
(
おく
)
れもせずに
跛足
(
びっこ
)
の足で飛んで行く
恰好
(
かっこう
)
がおかしいといって
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
笠ばかりで姿は見えないが、唄は真菰刈りの若い女の口から出る。そうかと思えば、唄は無くて
盲目縞
(
めくらじま
)
に赤い帯の水国の乙女が、ぬなわ舟に棹さして、こちらをながめているのにでくわす。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
盲
常用漢字
中学
部首:⽬
8画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
縞
漢検準1級
部首:⽷
16画
“盲目”で始まる語句
盲目
盲目滅法
盲目的
盲目地
盲目馬
盲目結
盲目突
盲目探
盲目少女
盲目按摩