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なまへんじ
ふりがな文庫
“
生返事
(
なまへんじ
)” の例文
気のなさそうな
生返事
(
なまへんじ
)
をした叔母は、お金さんが
生温
(
なまぬ
)
るい番茶を形式的に津田の前へ
注
(
つ
)
いで出した時、ちょっと首をあげた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
博士の
鼓膜
(
こまく
)
に、その声が入ったのか、博士は
生返事
(
なまへんじ
)
をした。生返事をしただけで、彼はなおも飾窓の青いペパミントの値段札に全身の注意力を集めている。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
尤
(
もっと
)
も庄造も、女房の景気のいゝ時だけ忠実振りを発揮して、だん/\出るものが出なくなると、現金に態度を変へ、浮かぬ顔をして
生返事
(
なまへんじ
)
をする癖があるのだが
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
朝之助
(
とものすけ
)
は
寢
(
ね
)
ころんで
愉快
(
ゆくわい
)
らしく
話
(
はな
)
しを
仕
(
し
)
かけるを、お
力
(
りき
)
はうるさゝうに
生返事
(
なまへんじ
)
をして
何
(
なに
)
やらん
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
る
樣子
(
やうす
)
、どうかしたか、
又
(
また
)
頭痛
(
づゝう
)
でもはじまつたかと
聞
(
き
)
かれて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「もう
直
(
ぢ
)
きだ。よつ
程
(
ぽど
)
前
(
まへ
)
にE
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つたからな‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
眠
(
ねむ
)
たさを
堪
(
こら
)
へながら
生返事
(
なまへんじ
)
をした。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
と
生返事
(
なまへんじ
)
をするほかなかった。始めて口をきく幾人もの男の前で、とっかは物をいうのがさすがに
億劫
(
おっくう
)
だった。興録は事務長の意向を読んで取ると、
分別
(
ふんべつ
)
ぶった顔をさし出して
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と役人たちはみな言い合せたように、妙な懐疑的の
生返事
(
なまへんじ
)
である。いうまでもなく、西門慶とは公私にわたって、
昵懇
(
じっこん
)
な者ばかりなのだ。いや官と政商の腐れ縁といったほうがいい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうかも知れないよ。」どうだかと思いながら私は
生返事
(
なまへんじ
)
をしました。
鳥をとるやなぎ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
生返事
(
なまへんじ
)
すると、金五郎は、あわてて、ピストルを、寝巻の懐に隠した。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
と恭一は
生返事
(
なまへんじ
)
をしたが、すぐ
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
奥さんからもお嬢さんからも、K自身からも、起きろという催促を受けた私は、
生返事
(
なまへんじ
)
をしただけで、十時
頃
(
ごろ
)
まで
蒲団
(
ふとん
)
を
被
(
かぶ
)
って寝ていました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勿体
(
もつたい
)
なき
事
(
こと
)
とは
知
(
し
)
りながら
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
への
待遇
(
もてなし
)
きのふには
似
(
に
)
ず、うるさき
時
(
とき
)
は
生返事
(
なまへんじ
)
して、
男
(
をとこ
)
の
怒
(
いか
)
れば
我
(
わ
)
れも
腹
(
はら
)
たゝしく、お
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬ
物
(
もの
)
なら
離縁
(
りゑん
)
して
下
(
くだ
)
され、
無理
(
むり
)
にも
置
(
お
)
いてはと
頼
(
たの
)
みませぬ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
少
(
すこ
)
し
歩
(
ある
)
かないか」と代助が
誘
(
さそ
)
つた。平岡も
口
(
くち
)
程
忙
(
いそ
)
がしくはないと見えて、
生返事
(
なまへんじ
)
をしながら、一所に
歩
(
ほ
)
を
運
(
はこ
)
んで
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
津田は
生返事
(
なまへんじ
)
をした。白い巻紙と無地の封筒さえあれば、必ず自分の希望が成功するという訳にも行かなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さっきから二人で大待ちに待ったところなんだ。早速願おう、なあ君」と主人を見る。主人もやむを得ず「うむ」と
生返事
(
なまへんじ
)
をする。寒月君はいそがない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ちつと
散歩
(
さんぽ
)
でも
爲
(
し
)
て
入
(
い
)
らつしやい」と
云
(
い
)
つた。
然
(
しか
)
し
其時
(
そのとき
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
唯
(
たゞ
)
うんと
云
(
い
)
ふ
生返事
(
なまへんじ
)
を
返
(
かへ
)
した
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
好い加減をいうとすぐ
後
(
あと
)
から実行を
逼
(
せま
)
られそうな様子なので、津田は
生返事
(
なまへんじ
)
をしたなり話をほかへそらした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なにしろ知らない女なんだから、すこぶる
躊躇
(
ちゅうちょ
)
したにはしたが、断然断る勇気も出なかったので、まあいいかげんな
生返事
(
なまへんじ
)
をしていた。そのうち汽車は名古屋へ着いた。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
Kの
生返事
(
なまへんじ
)
は
翌日
(
よくじつ
)
になっても、その翌日になっても、彼の態度によく現われていました。彼は自分から進んで例の問題に触れようとする
気色
(
けしき
)
を決して見せませんでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども、さう
快
(
こゝろ
)
よく引き受ける気にもならなかつた。何しろ知らない女なんだから、頗る
蹰躇
(
ちゅうちょ
)
したにはしたが、断然断わる勇気も出なかつたので、まあ
好
(
い
)
い加減な
生返事
(
なまへんじ
)
をして居た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
奥さんはそれじゃ私の知ったものでも呼んで来たらどうかといい直しましたが、私も
生憎
(
あいにく
)
そんな陽気な遊びをする心持になれないので、
好
(
い
)
い加減な
生返事
(
なまへんじ
)
をしたなり、打ちやっておきました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしその時は宗助がただうんと云う
生返事
(
なまへんじ
)
を返しただけであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ええ——まあ——」と
生返事
(
なまへんじ
)
をした時、甲野さんは背を引いて腕を組んだ。同時に洋卓の下で、右足の甲の上へ左の
外踝
(
そとくろぶし
)
を乗せる。母の眼からは、ただ
裄
(
ゆき
)
の縮んだ卵色の
襯衣
(
シャツ
)
の袖が正面に見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人も「うむ」と
生返事
(
なまへんじ
)
をする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“生返”で始まる語句
生返辞
生返
生返辭