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植込
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うゑこみ
ふりがな文庫
“
植込
(
うゑこみ
)” の例文
前庭
(
まへには
)
の
植込
(
うゑこみ
)
には、きり
島
(
しま
)
がほんのりと
咲
(
さ
)
き
殘
(
のこ
)
つて、
折
(
をり
)
から
人通
(
ひとどほ
)
りもなしに、
眞日中
(
まつぴなか
)
の
忍返
(
しのびがへ
)
しの
下
(
した
)
に、
金魚賣
(
きんぎようり
)
が
荷
(
に
)
を
下
(
おろ
)
して、
煙草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かして
休
(
やす
)
んでゐた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
家
(
いへ
)
の
間數
(
まかず
)
は
三疊敷
(
さんでふじき
)
の
玄關
(
げんくわん
)
までを
入
(
い
)
れて
五間
(
いつま
)
、
手狹
(
てぜま
)
なれども
北南
(
きたみなみ
)
吹
(
ふき
)
とほしの
風入
(
かぜい
)
りよく、
庭
(
には
)
は
廣々
(
ひろ/″\
)
として
植込
(
うゑこみ
)
の
木立
(
こだち
)
も
茂
(
しげ
)
ければ、
夏
(
なつ
)
の
住居
(
すまゐ
)
にうつてつけと
見
(
み
)
えて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何しろ
退屈
(
たいくつ
)
で
仕方
(
しかた
)
が無い。そこで少し體を起して廣くもない庭を見𢌞して見る。庭の
植込
(
うゑこみ
)
は
雜然
(
ざつぜん
)
として
是
(
これ
)
と目に
付
(
つ
)
く程の物も無い。それでゐて青葉が
繁
(
しげ
)
りに
繁
(
しげ
)
ツてゐる
故
(
せい
)
か庭が薄暗い。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ト
半靴
(
はんぐつ
)
の
先
(
さき
)
を
反
(
そ
)
らした、
母親
(
はゝおや
)
の
白
(
しろ
)
い
足
(
あし
)
が
卓子掛
(
ていぶるかけ
)
と
絨氈
(
じうたん
)
の
間
(
あひだ
)
で
動
(
うご
)
いた。
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
は
雪
(
ゆき
)
が
其
(
そ
)
の
光
(
ひかり
)
を
撫
(
な
)
でゝ、さら/\
音
(
おと
)
が
為
(
し
)
さうに、
月
(
つき
)
が
有
(
あ
)
つて、
植込
(
うゑこみ
)
の
梢
(
こずえ
)
がちら/\
黒
(
くろ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これが
植込
(
うゑこみ
)
を
遙
(
はる
)
かに
透
(
すか
)
し、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
からあからさまに
見
(
み
)
えた、と
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
もなく、
件
(
くだん
)
の
美少年
(
びせうねん
)
の
姿
(
すがた
)
は、
大
(
おほき
)
な
蝶
(
てふ
)
の
影
(
かげ
)
を
日南
(
ひなた
)
に
殘
(
のこ
)
して、
飜然
(
ひらり
)
と——
二階
(
にかい
)
ではないが——
窓
(
まど
)
の
高
(
たか
)
い
室
(
しつ
)
へ
入
(
はひ
)
つた。
再
(
ふたゝ
)
び
説
(
と
)
く。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
其處
(
そこ
)
へ、
門内
(
もんない
)
の
植込
(
うゑこみ
)
の
木隱
(
こがく
)
れに、
小女
(
こをんな
)
がちよろ/\と
走
(
はし
)
つて
出
(
で
)
て、
默
(
だま
)
つて
目
(
め
)
まぜをして、
塀
(
へい
)
について
此方
(
こなた
)
へ、と
云
(
い
)
つた
仕方
(
しかた
)
で、
前
(
さき
)
に
立
(
た
)
つから、ござんなれと
肩
(
かた
)
を
搖
(
ゆす
)
つて、
足
(
あし
)
を
上下
(
うへした
)
に
雀躍
(
こをどり
)
して
導
(
みちび
)
かれる
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
間
(
あひた
)
の
植込
(
うゑこみ
)
の
緑
(
みどり
)
の
中
(
なか
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
に
影
(
かげ
)
が
青
(
あを
)
い。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
植
常用漢字
小3
部首:⽊
12画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“植”で始まる語句
植
植物
植木屋
植木鉢
植木
植半
植物園
植村樣
植木店
植松菖助