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染々
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しみ/″\
ふりがな文庫
“
染々
(
しみ/″\
)” の例文
上
(
あ
)
げ若し長庵殿
言事
(
いふこと
)
にも程が有る
近所
(
きんじよ
)
には居らるれどもお前とは
染々
(
しみ/″\
)
物
(
もの
)
言換
(
いひかは
)
した事も無いに私しと
密通
(
みつつう
)
を仕て居るなどと根も葉も
無事
(
なきこと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
近子は
成程
(
なるほど
)
然
(
さ
)
うかとも思ツて、「ですけども、
私等
(
わたしたち
)
は何んだツて
此樣
(
こん
)
なに氣が合はないのでせう。」と心細いやうに
染々
(
しみ/″\
)
といふ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そして捕捉しがたい底知れない不安が、どうなることであらう自分達の將來に、また頼りない二人の老い先にまで、
染々
(
しみ/″\
)
と思ひ及ぼされた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
お光は二階へ上つて行く人、
階下
(
した
)
に居る人の姿を眺めて、この人達が自分と小池との逢瀬を妨げたのだなア、と
染々
(
しみ/″\
)
思つた。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そして三人が何時になく
染々
(
しみ/″\
)
と雀のやうに寄り添つて、たいの想出話を聞きながら白酒などを酌み交してゐると、英則がぬつと首を突き出して
サクラの花びら
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
船頭や、
橇曳
(
そりひき
)
や、まあ下等な労働者の口から出る言葉と溜息とは、始めて其意味が
染々
(
しみ/″\
)
胸に
徹
(
こた
)
へるやうな気がした。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おゝ成程な、いやかけ違って
染々
(
しみ/″\
)
挨拶もしなかったが、段々と上屋敷の事も下屋敷の事も、貴公が大分に骨を
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その頃のことを繰返して見ると、いつの間にか月日が経つたといふことが
染々
(
しみ/″\
)
と考へられる。
紅葉山人訪問記
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
『
實
(
じつ
)
に
意外
(
ゐぐわい
)
です、
君
(
きみ
)
が
此樣
(
こん
)
な
絶島
(
ぜつとう
)
へ——。』といひつゝ、
染々
(
しみ/″\
)
と
吾等
(
われら
)
兩人
(
りようにん
)
の
姿
(
すがた
)
を
打瞻
(
うちなが
)
め
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(お
泊
(
とま
)
りは
何方
(
どちら
)
ぢやな、)といつて
聞
(
き
)
かれたから、
私
(
わたし
)
は
一人旅
(
ひとりたび
)
の
旅宿
(
りよしゆく
)
の
詰
(
つま
)
らなさを、
染々
(
しみ/″\
)
歎息
(
たんそく
)
した、
第一
(
だいいち
)
盆
(
ぼん
)
を
持
(
も
)
つて
女中
(
ぢよちう
)
が
坐睡
(
ゐねむり
)
をする、
番頭
(
ばんとう
)
が
空世辞
(
そらせじ
)
をいふ、
廊下
(
らうか
)
を
歩行
(
ある
)
くとじろ/\
目
(
め
)
をつける
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今一度なりとも呼度思ひ其夜は外の
客
(
きやく
)
へも
染々
(
しみ/″\
)
勤
(
つと
)
めざる程なれば其心の
此方
(
こなた
)
にも
通
(
つう
)
じけん千太郎も小夜衣の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一心に長い手紙を
披
(
ひろ
)
げてゐる、お文の肉附のよい横顔の、白く光るのを、時々振り返つて見ながら、源太郎は、
姪
(
めひ
)
も
最
(
も
)
う三十六になつたのかあアと、
染々
(
しみ/″\
)
さう思つた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
さあ、父の与へた
戒
(
いましめ
)
は身に
染々
(
しみ/″\
)
と
徹
(
こた
)
へて来る。『隠せ』——実にそれは
生死
(
いきしに
)
の問題だ。あの仏弟子が墨染の衣に守り
窶
(
やつ
)
れる多くの戒も、
是
(
こ
)
の一戒に比べては、
寧
(
いつ
)
そ何でもない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ヘエ有難うございます、私はね
此方
(
こっち
)
へ参りまして
未
(
ま
)
だ名主様へ
染々
(
しみ/″\
)
お近付にもなりませんで、兄貴が連れてお近付に参ると云って居りますが、
何
(
なん
)
だか気が詰ると思ってツイ御無沙汰を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
我折
(
がを
)
れ
染々
(
しみ/″\
)
と
頼
(
たの
)
んで
額
(
ひたひ
)
を
上
(
あ
)
げるとざつといふ
凄
(
すさまじ
)
い
音
(
おと
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貴方の伯父御さまの秋月さまは未だ
染々
(
しみ/″\
)
お言葉を戴きました事もないゆえ、大藏
疾
(
とう
)
より心懸けて居りますが、手蔓はなし、
拠
(
よんどころ
)
なく
今日
(
こんにち
)
迄打過ぎましたが、春部様からお声がゝりを願い
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酔はもう全く
醒
(
さ
)
めた風で、お文は
染々
(
しみ/″\
)
とこんなことを言ひ出した。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
黒髮
(
くろかみ
)
の
又
(
また
)
冷
(
つめ
)
たさが、
染々
(
しみ/″\
)
と
嬉
(
うれ
)
しかつた
時
(
とき
)
でした。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三五郎は聞て
彌々
(
いよ/\
)
身に
染々
(
しみ/″\
)
と有難く思ひて立歸れり時に享保二年四月廿七日今日は九助の一件
落着
(
らくちやく
)
なし
死罪
(
しざい
)
獄門
(
ごくもん
)
と相定り
家老中
(
からうぢう
)
諸役人町役所立會の上申渡す事故本多長門守家老本多外記既に支度に及びて
玄關先
(
げんくわんさき
)
に
駕籠
(
かご
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
染々
(
しみ/″\
)
未
(
いま
)
だお目通りは致しませんが、
日外
(
いつぞや
)
あの五六年以前、
大夫
(
たいふ
)
が御出府の
折
(
おり
)
にお目通りを致した事がありますと申し、斯様な見苦しい処ではござるが、一度御尊来を願いたいと申して居ったので
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
染々
(
しみ/″\
)
と同情する言葉つきになつて、源太郎は太い溜息を
吐
(
つ
)
いた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と
染々
(
しみ/″\
)
言
(
い
)
ふ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は
染々
(
しみ/″\
)
物語をしようと思いまして屋敷へまいり
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
染々
(
しみ/″\
)
さう思つた。
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
くの「はいお初にお目にかゝりまして、お噂には毎度承知いたして居りやんしたけれども、是迄はおかしな訳で、
染々
(
しみ/″\
)
お目にかゝる事も出来ませんで、私ゃア茂之助の女房のおくのと申す不束者でござんして、何うかお見知り置かれましてお心安う願います」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
々
3画
“染”で始まる語句
染
染色
染井
染衣
染附
染付
染込
染物
染渡
染殿