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晴々
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はればれ
ふりがな文庫
“
晴々
(
はればれ
)” の例文
晴々
(
はればれ
)
しい光も、なつかしい色も、浮き立つような物の音も、何一つ楽の無い、あの灰色の墓場の塔へ、私はどうしても行く気にはなれぬ。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
浅草へ出るとさすがに
晴々
(
はればれ
)
して
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
の石道をぽくぽく歩いてみた。関東だきと云うのか、
章魚
(
たこ
)
の足のおでんを売る店が軒並みに出ている。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
お
爺
(
じい
)
さんまでが
今日
(
けふ
)
はいつもよりも
晴々
(
はればれ
)
しい
面持
(
おももち
)
で
誘
(
さそ
)
って
下
(
くだ
)
さいますので、
私
(
わたくし
)
も
大
(
たい
)
へんうれしい
気分
(
きぶん
)
になって、お
爺
(
じい
)
さんの
後
(
あと
)
について
出掛
(
でか
)
けました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「だが、胸が
晴々
(
はればれ
)
するじゃありませんか。御隠家様を斬った日本左衛門が、やがて、獄門に首をさらすんだと思うと、
仇
(
かたき
)
を討ったような気がします」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木村少佐は新しい葉巻に火をつけてから、ほとんど、得意に近いほど
晴々
(
はればれ
)
した調子で、微笑しながらこう云った。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
一家のものは明るい室に
晴々
(
はればれ
)
した顔を
揃
(
そろ
)
えた。
先刻
(
さっき
)
何かに
拗
(
す
)
ねて縁の下へ
這入
(
はい
)
ったなり容易に出て来なかったという
一
(
はじめ
)
さえ、
機嫌
(
きげん
)
よく叔父と話をしていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
澄みきった
綺麗
(
きれい
)
な水がいっぱいたたえていまして、池の
縁
(
ふち
)
やまわりには、真っ白な花が一面に咲き乱れていて、その上に
晴々
(
はればれ
)
とした日の光がさしているのです。
魔法探し
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
白雲の
退
(
ひ
)
き去るにしたがって彼等も
晴々
(
はればれ
)
しい心になるかして、少しく活溌な身のこなしを見せる。
茸をたずねる
(新字新仮名)
/
飯田蛇笏
(著)
泣いていた子供も
晴々
(
はればれ
)
して、ふいとこちらを向きましたが、竜之助を見ると泣きそうな面をして
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
然し汽車は
釧路
(
くしろ
)
まで通うても、駒が岳は噴火しても、大沼其ものは
旧
(
きゅう
)
に
仍
(
よ
)
って
晴々
(
はればれ
)
した而して
寂
(
しず
)
かな眺である。時は九月の十四日、然し沼のあたりのイタヤ
楓
(
かえで
)
はそろ/\
染
(
そ
)
めかけて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
だが、そのうち母は、急に言葉の調子をかえて
晴々
(
はればれ
)
しく私に言うのだった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
楚歌
(
そか
)
一身に
聚
(
あつま
)
りて集合せる腕力の次第に迫るにもかかはらず
眉宇
(
びう
)
一点の
懸念
(
けねん
)
なく、いと
晴々
(
はればれ
)
しき
面色
(
おももち
)
にて、
渠
(
かれ
)
は
春昼
(
しゅんちゅう
)
寂
(
せき
)
たる時、
無聊
(
むりょう
)
に
堪
(
た
)
えざるものの如く、片膝を片膝にその片膝を、また片膝に
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
春生は、努めて
晴々
(
はればれ
)
と兄に云った。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
突然
晴々
(
はればれ
)
しい女の笑声が起った。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
篠田は
晴々
(
はればれ
)
と微笑を洩せり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
小鳥の声が
晴々
(
はればれ
)
とひびく、山や峰は
孔雀色
(
くじゃくいろ
)
の光に濡れ、傾斜の
樹々
(
きぎ
)
は強烈な陽をうけて、白い水蒸気をあげている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ今でもあの頃の御熱心だった御噂が、
私
(
わたくし
)
どもの口から洩れますと、若殿様はいつも
晴々
(
はればれ
)
と御笑いになって
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
久しぶりに夫と
直
(
じか
)
に向き合ったような気のしたお延は
嬉
(
うれ
)
しかった。二人の
間
(
あいだ
)
にいつの
間
(
ま
)
にかかけられた薄い幕を、急に切って落した時の
晴々
(
はればれ
)
しい心持になった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのありさまを、雨の後の
晴々
(
はればれ
)
とした日の光の中に眺めた時、村の人々は涙が出るほど喜びました。
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
晴々
(
はればれ
)
と明るい世間へ出たこともなし、御近所のお
内儀
(
かみ
)
さんたちが、やれ花見のお芝居のと誘って下すっても、ついぞ一日お仲間入りをしたこともないし、それというも
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
のみならずやっぱり私は岩下の子だと思って
晴々
(
はればれ
)
した。事実私は仲間からも岩下さんとよばれた。学年試験には叔母の家のおかげで優等賞をもらい、修業証には、立派に岩下ふみ子と記されていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
こいつを聞くと娘の君江は、さも嬉しそうに
晴々
(
はればれ
)
と云った。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
盲人たちはおそくまで眠つて、
晴々
(
はればれ
)
とした顔で、帳場へおりてきました。そして主人にいひました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と思うと、どこか家畜のような所のある
晴々
(
はればれ
)
した眼の中にも、絶えず落ち着かない光が
去来
(
きょらい
)
した。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その下が
麦畠
(
むぎばたけ
)
で、麦畠の向うがまた岡続きに高く
蜿蜒
(
うねうね
)
しているので、北側の
眺
(
なが
)
めはことに
晴々
(
はればれ
)
しかった。
須永
(
すなが
)
はこの空地の
端
(
はし
)
に立って広い眼界をぼんやり見渡していた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
急に、
晴々
(
はればれ
)
した美しい面になると、
真紅
(
まっか
)
な縮緬の前掛が燃え出したようにうつり合いました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
翌日
(
あくるひ
)
もまた
透
(
す
)
き通るような
日差
(
ひざし
)
を眼に受けて、
晴々
(
はればれ
)
しい空気を
篏硝子
(
はめガラス
)
の外に眺めた彼の耳には、隣りの洗濯屋で例の通りごしごし云わす音が、どことなしに秋の情趣を
唆
(
そそ
)
った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
老紳士は赤くなった顔に、
晴々
(
はればれ
)
とした微笑を浮べて、本間さんの答を促した。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
細君の顔は
晴々
(
はればれ
)
しく輝やいていた。しかし健三の眼にはそれが
下手
(
へた
)
な技巧を交えているように映った。彼はその不純を疑がった。そうしてわざと彼女の
愛嬌
(
あいきょう
)
に誘われまいとした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
敬太郎は久しぶりに
晴々
(
はればれ
)
した好い気分になって、水だの岡だの
帆
(
ほ
)
かけ
船
(
ぶね
)
だのを見廻した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女の
容貌
(
ようぼう
)
は始めから大したものではなかった。
真向
(
まむき
)
に見るとそれほどでもないが、横から眺めた鼻つきは誰の目にも少し低過ぎた。その代り色が白くて、
晴々
(
はればれ
)
しい心持のする
眸
(
ひとみ
)
を
有
(
も
)
っていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“晴々”の解説
「晴々」(はればれ)は、コブクロの6作目の配信限定シングル。2018年9月17日にワーナーミュージック・ジャパンから発売された。
(出典:Wikipedia)
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
々
3画
“晴”で始まる語句
晴
晴衣
晴天
晴着
晴間
晴朗
晴季
晴渡
晴明
晴夜