成熟せいじゆく)” の例文
みな成熟せいじゆくしたかひばかりで、未成熟みせいじゆくのものがなく、また二枚貝にまいがひ一方いつぽうだけのものがおほいことなどがわかりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
思想しさう人間にんげん成熟せいじゆくたつして、其思想そのしさう發展はつてんされるときになると、其人間そのにんげん自然しぜん自分じぶんがもうすで輪索わなかゝつてゐるのがれるみちくなつてゐるのをかんじます。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
たま/\市場しぢやうとほうまはこもの成熟せいじゆくはやめたつやゝかなかずいくつても自分じぶんくちにはれない。すこしづゝでもほか必要品ひつえうひんもとめるためぜにへようとするのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
斯程かほどしまだから、なに食物しよくもつこともあるまいと四方よも見渡みわたすと、はたして二三ちやうへだゝつた小高こだかをか中腹なかばに、一帶いつたい椰子やし、バナヽのはやしがあつて、甘美うるはしき果實くわじつえだ垂折しをれんばかりに成熟せいじゆくしてる。
えうするに勤勉きんべん彼等かれら成熟せいじゆく以前いぜんおいすで青々せい/\たる作物さくもつ活力くわつりよくいでつてるのである。收穫しうくわく季節きせつまつたをはりをげると彼等かれら草木さうもく凋落てうらくとも萎靡ゐびしてしまはねばならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小麥こむぎちがつてしめつぽい夏蕎麥なつそばからがくた/\として幾度いくどたゝきつけねばなか/\ちない。それでも種子不規則ふきそく成熟せいじゆくをしてるので、まだあをいのはどうしてもしがみいてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)