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恁麽
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こんな
ふりがな文庫
“
恁麽
(
こんな
)” の例文
『早く
歸
(
けえ
)
つて寢る
事
(
こつ
)
た。
恁麽
(
こんな
)
時何處ウ
徘徊
(
うろつ
)
くだべえ。天理樣拜んで赤痢神が
取附
(
とつつ
)
かねえだら、ハア、何で醫者藥が
要
(
い
)
るものかよ。』
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私はそれらの讃嘆にかかわらず、ときとしては
恁麽
(
こんな
)
にしてこれが何になるとか、いますぐ自分に酬いられるとかいうことを考えなかった。
幼年時代
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「あの、お春姉さんが斯う仰有いましたよ。
彼
(
あ
)
の何ですって、今日片岡さんの事務所へ行くと、
恁麽
(
こんな
)
怪物
(
けだもの
)
が見られますって」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
すると
船頭共
(
せんどうども
)
が、「
恁麽
(
こんな
)
惡僧
(
あくそう
)
が
乘
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るから
龍神
(
りうじん
)
が
祟
(
たゝ
)
るのに
違
(
ちが
)
ひない、
疾
(
はや
)
く
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へ
投込
(
なげこ
)
んで、
此方人等
(
こちとら
)
は
助
(
たす
)
からう。」と
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
文覺
(
もんがく
)
を
手籠
(
てごめ
)
にしようとする。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
然
(
さ
)
う、
私
(
わたし
)
、
恁麽
(
こんな
)
奇妙
(
きめう
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
てよ!』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、
※
(
ねえ
)
さんに
憶
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
たゞけを
悉皆
(
すつかり
)
話
(
はな
)
しました。それは
皆
(
みな
)
さんが
是迄
(
これまで
)
讀
(
よ
)
んで
來
(
き
)
た
所
(
ところ
)
の、
種々
(
しゆ/″\
)
不思議
(
ふしぎ
)
な
冐險談
(
ばうけんだん
)
でした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
恁麽
(
こんな
)
手紙を書いたら貴方はお泣きになる? 泣いて下さいね。そして私が恁麽に苦しんで居る為だけでも貴方は一生懸命貴方のお仕事をして下さいね。私はほんとうに心配して居ますの。
獄中の女より男に
(新字旧仮名)
/
原田皐月
(著)
自分も
恁麽
(
こんな
)
心理は一種病的で、医学上の露出狂 Expositionmania のやうなもので、何れも立派に着かざり、万物の霊長とは之だぞと取繕つて坐つてゐる真中に、容赦なく
愛人と厭人
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
達者に世の中を送らうとする者にとつて、
恁麽
(
こんな
)
結構な秘伝はない筈だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
で、恐る/\聞いて見ると、『それ
恁麽
(
こんな
)
ので(と兩手で圓を作つて)白い葉が堅く重なつてるのさ。お前の
郷里
(
くに
)
にや無いのかえ。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お客様が帰ってから、お春さんは
最早
(
もう
)
世間へ顔出しが出来ぬ、
恁麽
(
こんな
)
悪戯
(
いたずら
)
をした者が知れたら唯は置かないと言った。すると森川さんが乃公の顔をジロジロ眺めて
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『
何
(
なん
)
と
此程
(
これほど
)
見事
(
みごと
)
な
物
(
もの
)
があらうぞや。それから
又
(
また
)
——「フイと
恁麽
(
こんな
)
氣
(
き
)
になつたのも——」そんな
氣
(
き
)
になる
筈
(
はづ
)
はないが、え、なつたのではなからうが?』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恁麽
(
こんな
)
好い香を知らないんだなと思つて、私は何だか氣の毒な樣な氣持になつたが、不意と「左の袂、左の袂」と云つた菊池君を思出した。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
姉さんのお気に入ろうと思って、乃公にまで
恁麽
(
こんな
)
に御愛嬌を振撒くのだろうが、豪気だの豪勢だのという下町言葉を使っては、
気位
(
きぐらい
)
ばかり妙に高いお花姉さんに好かれる筈がない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
(フイと
恁麽
(
こんな
)
氣
(
き
)
になつたのも)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恁麽
(
こんな
)
好い
香
(
にほひ
)
を知らないんだなと思つて、私は何だか気の毒な様な気持になつたが、不意と「左の袂、左の袂」と云つた菊池君を思出した。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まだ女學校にゐる頃叔母から聞かされて、譯もなく泣いた事があつた……が、今迄遂ぞ
恁麽
(
こんな
)
言葉を兄の口から聞いた事がない。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まだ女学校にゐる頃叔母から聞かされて、訳もなく泣いた事があつたが、今迄遂ぞ
恁麽
(
こんな
)
言葉を兄の口から聞いた事がない。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それから、其お定といふのが、或朝竹山の室の掃除に来て居て、二つ三つの戯談を云つてから、
恁麽
(
こんな
)
話をした事があつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それから、其お定といふのが、或朝竹山の室の掃除に來て居て、二つ三つ戲談を云つてから、
恁麽
(
こんな
)
話をした事があつた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は、小い時に讀んだ三國史中の人物を、それか、これかと、此菊池君に
當嵌
(
あては
)
めようとしたが、不圖、「馬賊の首領に
恁麽
(
こんな
)
男は居ないだらうか。」
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は、小い時に読んだ三国史中の人物を、それか、これかと、此菊池君に当嵌めようとしたが、不図、「馬賊の首領に
恁麽
(
こんな
)
男は居ないだらうか。」
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『暑いとも、暑いとも。
恁麽
(
こんな
)
日にお
前
(
めえ
)
みたいな垢臭い婆さんが行くと、如来様も昼寝が出来ねえで
五月蠅
(
うるさ
)
がるだあ。』
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『まあさ。然う直ぐ
怒
(
おこ
)
らねえでも可いさ。』と源助はまたしても笑つて、『一度東京へ行きや、もう
恁麽
(
こんな
)
所にや一生帰つて来る気になりませんぜ。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ハイ。』と、生徒の方も嬉しさうに
莞爾
(
につこり
)
して、活溌に一礼して出て行く。健の
恁麽
(
こんな
)
訓導方
(
しつけかた
)
は、尋常二年には余りに
厳
(
きび
)
し
過
(
すぎ
)
ると他の教師は思つてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すべて
恁麽
(
こんな
)
具合で、
朝餐
(
あさめし
)
も濟んだ。其朝餐の時は、同じ食卓に源助夫婦と新さんとお八重お定の五人が向ひ合つたので、二人共三膳とは食へなかつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
のみならず
)
、渠は
恁麽
(
こんな
)
釧路の樣な狹い所では、外交は上島と自分と二人で十分だと考へて居た。時々何も材料が無かつたと云つて、遠い所は𢌞らずに來る癖に。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
のみならず
)
、渠は
恁麽
(
こんな
)
釧路の様な狭い所では、外交は上島と自分と二人で充分だと考へて居た。時々何も材料が無かつたと云つて、遠い所は廻らずに来る癖に。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それでも、階段に女中の足音がする度、起直つて知らん振をして居たが、
恁麽
(
こんな
)
具合にして渠は、
階下
(
した
)
の時計が十時を打つまで、隨分長い間此處に過した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それでも、階段に女中の足音がする度、起直つて知らん振をして居たが、
恁麽
(
こんな
)
具合にして渠は、
階下
(
した
)
の時計が十時を打つまで、随分長い間此処に過した。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すべてが
恁麽
(
こんな
)
具合で、
朝餐
(
あさめし
)
も済んだ。其朝餐の時は、同じ
食卓
(
ちやぶだい
)
に源助夫婦と新さんとお八重お定の五人が向ひ合つたので、二人共三膳とは食へなかつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
髑髏
(
されかうべ
)
といふものは
恁麽
(
こんな
)
ぢやなからうかと思つたり、紅い口が今にも耳の根まで裂けて行きさうに見えたりして、
謂
(
い
)
ひ知れぬ
悪寒
(
さむさ
)
に捉はれる事が間々あつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
先づ赤門、『
恁麽
(
こんな
)
學校にも
教師
(
せんせ
)
ア
居
(
え
)
べすか?』とお定は
囁
(
さゝ
)
やいたが、『居るのす。』と答へたお八重はツンと濟してゐた。不忍の池では海の樣だと思つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
寧ろ驚く位ある、然し
恁麽
(
こんな
)
に脱字の多いのは滅多にない。要らぬ事とは思ひながら數へてみると、二十首の中に七箇所の脱字があつた。三首に一箇所の割合である。
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
(
か
)
くて二人は蒲団を畳んで、室の隅に積み重ねたが、
恁麽
(
こんな
)
に早く
階下
(
した
)
に行つて可いものか
怎
(
どう
)
か解らぬ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誰しも
恁麽
(
こんな
)
場合に感ずる一種の不滿を、智惠子も感ぜずに居れなかつた。が、すぐにそれを打消した。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誰しも
恁麽
(
こんな
)
場合に感ずる一種の不満を、智恵子も感ぜずに
居
(
をら
)
れなかつた。が、すぐにそれを打消した。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渠
(
かれ
)
は今、自分の心が何物かに征服される様に感じてゐる。それから脱れ様として
恁麽
(
こんな
)
事を言ふのだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁麽
(
こんな
)
両親の間に生れた、最初の二人は二人とも育たずに死んで、程経て生れた三番目が姉、十五六で、矢張内気な
性質
(
たち
)
ではあつたが、娘だけに、母程陰気ではなかつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
信吾の頭には
恁麽
(
こんな
)
皮肉さへも宿つてゐる。これと際立つところはないが靜子が吉野の事といへば何より大事にしてゐる、それが唯癪に障る。理由もなく不愉快に見える——。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それは先生は、無論一生を教育事業に獻げるお積りではなく、お家の事情で當分あゝして居られるのでせうが、私は
恁麽
(
こんな
)
人を長く教育界に留めて置かぬのが、何より殘念な事と思ひます。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それは先生は、無論一生を教育事業に献げるお積りではなく、お家の事情で当分あゝして居られるのでせうが、私は
恁麽
(
こんな
)
人を長く教育界に留めて置かぬのが、何より残念な事と思ひます。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
用の少い官吏とか會社員とかが、仕樣事なしの暇つぶしに、よく
行
(
や
)
る奴で、
恁麽
(
こんな
)
事をする男は、大抵彈力のない思想を有つて居るものだ。頭腦に彈機の無い者は、足に力の這入らぬ
歩行方
(
あるきかた
)
をする。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
用の少い官吏とか会社員とかが、仕様事なしの暇つぶしに、よく
行
(
や
)
る奴で、
恁麽
(
こんな
)
事をする男は、大抵弾力のない思想を
有
(
も
)
ツて居るものだ。頭脳に
弾機
(
ばね
)
の無い者は、足に力の
這入
(
はい
)
らぬ
歩行
(
あるき
)
方をする。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『あゝ、行くさ。』と、其度渠は
恁麽
(
こんな
)
返事をしてゐた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『あゝ、行くさ。』と、
其度
(
そのたび
)
渠は
恁麽
(
こんな
)
返事をしてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人限になつた時、妻は何かの
序
(
ついで
)
に
恁麽
(
こんな
)
事を言つた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
恁麽
(
こんな
)
花、いつか姉ちやんも
畫
(
か
)
いた事あつてよ。』
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
恁麽
(
こんな
)
花、いつか姉ちやんも
画
(
か
)
いた事あつてよ。』
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
漢検1級
部首:⼼
10画
麽
部首:⿇
14画
“恁”で始まる語句
恁
恁云
恁麼
恁許
恁々
恁懸
恁様
恁那